職務経歴書を採用に上手に活かすには? 採用担当者がチェックすべき点

中途採用の際に提出してもらう「職務経歴書」。慣例としてなんとなく義務付けている企業も多いのでは? しかし、職務経歴書はしっかり読み取ることでミスマッチを防ぐことができる大切な書類です。
 
採用コンサルティングや就職・転職の支援などを行う有限会社キャリアドメイン代表取締役の谷所健一郎さんに、職務経歴書の正しい見方を伺いました。

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職務経歴書とは?

職務経歴書とは履歴書とは別物で、応募者がこれまで携わってきた仕事の詳細を知るために提出してもらう書類です。基本的には中途採用の際に必要なものであり、自社が求めている人材とのマッチングを見極める上での参考になります。
 
中途採用と新卒採用では、求める人材が異なります。中途採用は短期間で戦力になれる人材かどうかが肝になるため、職務経歴書は履歴書よりも重要な書類といえるでしょう。
 
履歴書とは異なり、通常、職務経歴書には決まったフォーマットがありません。企業側が指定しない限り、書き方は自由ですが、応募者がどのような内容を記載してくるかも、合否の判断材料になります。

◆職務経歴書の記載内容

  • 必須項目
    企業名、職務経歴、職務内容
  • プラスアルファの項目
    経歴の要約(実績や経験談など)、資格・スキル、自己PR、志望動機など

職務経歴書を提出してもらう目的

職務経歴書を提出してもらう最大の目的は、「自社が求める人材と合致した経験やスキルがあり、正しくその能力を発揮してくれるか」どうかを見極めるためです。
 
これまでの職務経歴との関連性を求めない場合や若年層のアルバイト募集であれば、提出してもらう必要はないでしょう。
 
ただし、専門的なスキルを必要とする(介護や薬剤師など)場合には、正社員の中途採用時だけでなく、パートタイマーやアルバイト採用の際にも、職務経歴書の提出を求めることをおすすめします。

職務履歴書の基本的なチェックポイント

職務経歴書には決まったフォーマットがないため、何を書けばいいのだろう? と迷ってしまう応募者は少なくありません。だからこそ、どのような項目が、どのように整理されて書かれているか、その形式や構成を見ただけでも、応募者の職務能力はもちろん、仕事への意欲や人間性をも見抜くこともできます。
 
そこで、職務経歴書の基本的なチェックポイントを紹介してみましょう。

 

(1)自社が求めている職種を強調している

どんなに素晴らしい経歴の持ち主でも、求めている職種と合致していないものばかりであれば、実務能力は判断できません。関連のある職種を目立つように強調して書いているかどうかで、応募者が自分の求められている職務能力をきちんと理解しているかがわかります。

 

(2)採用者の立場に立ってわかりやすく整理されている

(1)にも関連することですが、全体的に見やすく整理された構成になっているかも、チェックポイントのひとつ。長文ではなく見出しをつけて読みやすく工夫されている、2枚程度に簡潔にまとめられているなどからは、能力のみならず応募者の人となりもイメージできます。

 

(3)在籍期間や退職理由を明記している

求めている能力を有していると判断できる経歴書であっても、転職を繰り返している人や長期のブランクがある人は注意が必要です。とはいえ、退職理由や長期のブランク期間について納得できる説明が記載されていれば、書類だけで不採用を決定するべきではありません。筆記試験や面接などの結果も含め、総合的に判断しましょう。

職務経歴書の信ぴょう性を見抜く2つのポイント

自社の求めているスキルと合致する経歴が盛り込まれていても、果たしてそれが信用できる内容なのかを確認することも大切です。基本的なチェックポイントと同時に、内容の信ぴょう性を見抜くポイントも意識してください。

 

(1)実績や評価が記載されている

職務内容だけでなく、経歴の要約も書かれているかどうかは、信ぴょう性を見抜く上で大きなポイントになります。どのような仕事に携わり、その結果どのような実績を残し、どう評価されたのか。そしてそれらの経験を通じて、自社で何ができるのかが具体的に記載されていれば、信ぴょう性は高いと判断して問題ないと思います。失敗談とそのフォロー内容が書かれていれば、より信用性は高いといえるでしょう。

 

(2)志望動機が自社に向けての内容になっている

志望動機からは、向上心や適応力などの資質を見極めることができますが、同時にチェックするべき点は、自社に向けた志望動機になっているかという点です。どの企業にでも当てはまりそうな漠然とした志望動機からは、信ぴょう性も意欲も感じられません。
 
とはいえ、(1)(2)ともに面接で確認することも可能です。基本的なチェックポイントで大きな問題がない場合は、書類選考で合否を決めずに面接をしてみるのも、応募者と自社のマッチングを見極める上でいいでしょう。

 
 
 

※この記事は2020年3月に取材したものです。
 
<取材先>
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 谷所健一郎さん
 
TEXT:塚本佳子
EDITING:Indeed Japan +南澤悠佳+ ノオト

 
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