昨今の採用市場にみる求人情報の書き方【中小企業編】

厚生労働省の発表によると、有効求人倍率は1.57倍(2019年10月)と人手不足の状況が続いています。企業の採用活動も活発になっており、採用手法も変化しつつあります。
今回はこれまで多くの企業の採用をサポートしてきたIndeed Japanの小西航太氏に昨今の中途採用に関するお話と求人の段階で気を付けることをお伺いしました。

求人を掲載

採用にもマーケティングの発想が必要

――人手不足により、企業側は採用に苦戦を強いられている状況が続いています。その状況を打開すべく、企業も採用手法に工夫をしていると思いますが、採用手法はどのように変化していますか?
 
これまでの採用は、企業目線で語られることが多かったですが、求職者視点での手法が注目されています。マーケティングでは、顧客が商品やブランドの認知をしてから興味や関心を高め、購入や登録に至る道筋を旅にたとえて「カスタマージャーニー」と呼んでいますが、この考え方を企業の採用活動でも取り入れるケースが増えています。
 
ここで大事なのは、マーケティングの場合の顧客、つまり採用の場合は「求職者の視点に立つ」ということです。
 
採用では、まず企業は求人媒体・メディア・自社サイトなどに求人情報を出して、求職者に認知・応募をしてもらう。次の面接で人事・採用担当者や現場担当者、経営者と会い、ステップが上がるにつれて志望度も上がり、仕事へのモチベーションを保ったまま入社してもらうのが理想です。中途採用では応募から入社までおよそ1カ月半、長くて2、3カ月かかるので、入社までモチベーションを維持してもらうことは入社後のパフォーマンスにも影響します。そして入社後も採用担当が適宜声掛けをするなど積極的に関わるのは大事ですね。
 
求人情報掲載から入社後まで、全体のプロセスで考えなければいけないのですね。
 
そうですね。昨今の人手不足で、まずは応募を増やしたいからと、求人の時点からたくさんの情報を伝えても、消化不良になってします。また、自社の採用基準に合わない人からの応募が増えてしまう可能性もあります。
 
大事なのは、いつ・どの段階で・誰が必要な情報を伝えていくかです。それが採用におけるカスタマージャーニーの肝です。例えば、文字ベースの求人情報では社風を伝えようとしても伝わらないですよね。ならば、社風は選考プロセスが進んでからの面接時に伝えるとか、遠方の方には動画で伝えるなど、人やステップに合わせた情報提供が考えられます。
 
そのためには一度、自社の魅力を棚卸しすることをおすすめします。そうすればカスタマージャーニーも作りやすくなり、求人情報の作成から入社後までの採用プロセス全体で考えることができます。

情報はオープンにしたほうが採用力を上げられる

――要は、プロセスに応じて「求職者にどれだけ良い情報を伝えられるか」ということでしょうか?
 
企業は都合の悪い情報は隠したいでしょうが、求職者はいい情報だけでなく、悪い情報も知りたがっています。もちろん、「離職者が多い」など、課題があるようでしたら改善が必要ですし、改善途中であればそう伝えればよいでしょう。企業が求職者に情報を隠さずに誠実に接すれば、求職者も本当のことを伝えてくれるので、入社後のトラブルも減ります。
 
また、企業の社員や元社員の評価やレビューが掲載されている口コミサイトもあるので、そういった外部ソースから求職者に知られてしまうよりも、初めから企業側から情報を開示してしまったほうがよいでしょう。最近では、職務の等級と給与テーブル、等級ごとの人数まで開示している企業も出てきています。
 
どの企業にも、いい面もあれば悪い面もあります。人によって良し悪しの受け取り方はさまざま。また、いい面も悪い面も両方理解をした上で入社をしてもらったほうが、入社時点の納得度も上がりますし、早期退職の防止につながります。情報をオープンにしている企業のほうが、採用力が高いと感じます。

求人情報では「仕事内容」は具体的に記載を

――中小企業の場合ですと、まずは応募数を増やしたいと考えている企業が多いと思います。求人を出す時点で注意すべき点はありますか?
 
カスタマージャーニーの中で、求人情報は何を伝えるものなのかの整理をした上でのことですが、必要最低限の情報として、職業安定法で定められた項目や仕事内容・外せないスキルなどは網羅してください。中途採用の場合、求職者は「仕事内容」や「待遇」を重視することが多いです。中小企業やベンチャー企業の場合は、事業内容の変化に伴って仕事内容も変わる可能性もあると思いますが、できるだけ具体的に、特に想定の範囲とレベルは求人情報の時点で明示しておきましょう。入社後に、仕事内容に記載された範囲を超えて業務がアサインされて業務量があふれてしまったり、仕事内容のレベルが想像していたレベルより高くて業務がこなせなかったりして、結局退職してしまうということも起こりえます。
 
また、中小企業やベンチャー企業ですと、現場の要望も短期間で変わることもあります。採用担当者が都度キャッチアップをして、変更点をすぐに求人情報に反映させることがおすすめです。
現場担当者と採用担当者、経営者が一丸となって採用のプロセス全体を考え、人手不足の解消につなげてほしいですね。
 
採用でも求職者の視点に立ち、求人から採用、また入社後まで含めたプロセスを考えることが大切で、その上で最初の求人情報は求職者に振り向いてもらうために重要ですね。
 
まずは応募数を増やしたいならIndeedの活用がおすすめです。
 
Indeedは日本国内で月間2,930万の訪問数(※1)を誇ります。また、無料*で求人を掲載でき、現場の要望が変わった場合や応募状況に合わせて求人情報を自社で変更できます。
ぜひご検討ください。
 
(※1) SimilarWeb 総訪問数 (2019年10月)
 
 
* 利用規約、弊社が定める掲載基準、及び使用制限が適用されます。https://jp.indeed.com/legal?hl=ja#tos
 
 
 
Profile
小西 航太
Indeed Japan株式会社Senior Manager, Talent Attraction
 
小西 航太
 
UCLA(カリフォルニア大学ロザンゼルス校)を卒業後、株式会社リクルートに入社。人事部にて新卒採用に従事した後に、HR事業部門の営業として、数多くのクライアントの採用力・組織力向上に取り組む。その後代理店事業統括を経て、2015年よりIndeed Japanへ入社。Indeed Japanでは、営業部門の責任者として10名から300名規模への組織拡大を牽引した後、2019年より現職。
 
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