アルバイトと派遣労働の違いは? メリットとデメリットを比較

アルバイトと派遣労働の違いは? メリットとデメリットを比較

「忙しい午前の時間帯だけ人手を増やしたい」「土日だけ出勤してくれる人を雇いたい」などの理由で、フルタイムではなくアルバイトスタッフや派遣社員の採用を検討している企業もあることでしょう。
 
アルバイトと派遣労働には、どのような違いがあるのでしょうか。雇用の特徴や法律の違いから紐解いてみます。

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アルバイトとは

アルバイトは雇用形態の1つで、非正規雇用に位置づけられています。法律による明確な定義はありませんが、時間単位で働く雇用形態の名称として使われ、一般的にはアルバイト=学生を指すケースが多いです。

◆アルバイト・パートは同じ「パートタイム労働者」

アルバイトと似た言葉でよく使われているのが、パートです。アルバイトと同様、パートも明確な定義が存在しません。パートタイム労働法ではどちらも「パートタイム労働者」と定められており、法律上両者の間に違いはありません。企業によっては両者の雇用条件に違いを設け、使い分けていることがあります。

派遣労働とは

アルバイトと同じく、派遣労働も雇用形態の1つで非正規雇用に位置づけられています。時給単位で働くという点も共通していますが、派遣労働とアルバイトは雇用契約を結ぶ先が異なります。アルバイトスタッフは、勤務先と直接雇用契約を結びます。対して、派遣労働者が雇用契約を結ぶのは派遣元(人材派遣会社)であり、業務上の指示を受ける派遣先(派遣を依頼した会社)ではありません。

◆1人の派遣社員を就労できるのは原則3年まで

2015年9月に労働者派遣法が改正され、すべての派遣労働者において、1箇所の派遣先で就労できる期間が「原則3年まで」に統一されました。派遣社員を受け入れてから3年経過した場合、派遣を依頼した会社は3年経過したスタッフを直接雇用するか、新たに別の派遣社員を紹介してもらうか、派遣自体を終了するかの3択を迫られます。

アルバイトと派遣労働のメリット・デメリットを比較する

アルバイトスタッフと派遣社員は、どちらも企業のニーズに合わせて柔軟に採用できます。特に業績や忙しさに合わせて人員調整がしやすいのは、アルバイトと派遣社員の共通項であり魅力の一つといえるでしょう。
 
自社で新たな雇い入れを検討している場合、アルバイトと派遣労働のどちらの雇用形態を選べばよいのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを比較してみましょう。

◆アルバイトを選ぶメリット

1.直接雇用するので、仲介企業とのやり取りが発生しない
派遣労働者は派遣会社を通した契約であるのに対し、アルバイトは勤務先と直接契約します。そのため仲介企業とのやり取りが発生せず、条件やいつから働けるかなどを直接本人と話せるので、速やかに雇用手続きを進めることができます。
 
2.長期雇用も可能になる
派遣労働のように就労期間の制限がないため、従業員と合意できていれば、採用当初と同じ条件・形態で長期間雇い続けることも可能です。

◆アルバイトを選ぶデメリット

1.従業員の入れ替わりが起こりやすい
学生のように本業を持つ人は、アルバイト先をメインの職場と考えておらず、長期的または長時間働くことを前提としていないケースが多いです。そのため、従業員の入れ替わりが起こりやすいといえるでしょう。
 
2.休みを調整する必要がある
シフト制であれば、アルバイトスタッフは事前に勤務できる日・できない日を伝えてきます。アルバイトスタッフの休みが被り一時的な人員不足に陥らないために、雇用主は勤務スケジュールを調整したり、曜日や時間をある程度固定したりするなど工夫する必要があります。

◆派遣労働を選ぶメリット

1.人材が必要なタイミングに、安定して受け入れられる
人材が必要になった場合、派遣会社に依頼することで人材を紹介してもらうことができます。それにより、自社が希望する人材を、比較的早く、安定的に受け入れやすくなります。
 
2.紹介された人材が自社にマッチしない場合、派遣会社に相談できる
派遣会社から希望人材とかけ離れた労働者が派遣された場合は、派遣会社に相談の上で別の労働者を派遣してもらうなど、適切な対応を促すことができます。
 
3.煩雑な事務手続きを行わなくてよい
雇用契約を結ぶのは派遣会社なので、労働保険や社会保険など、雇用に関する事務手続きは派遣会社が行います。そのため、採用後の煩雑な手続きを行わなくてすみます。

◆派遣労働を選ぶデメリット

1.アルバイトに比べ費用がかかる
派遣会社を通すことで、直接雇用のアルバイトに比べ会社が負担する金額は多くなる傾向にあります。
 
2.派遣契約では最長3年しか就労できない
労働者派遣法により、就労から3年経過した場合は派遣労働者の雇用形態を見直さなくてはなりません。そのため、長期雇用を前提としているポジションであれば、まずは直接雇用を検討した方がよさそうです。

自社の希望に合わせて、アルバイトと派遣労働を使い分けよう

「人手が欲しい」という単純な希望だけでは、最適な雇用形態を選ぶのは難しいでしょう。たとえば、コスト増には目をつぶり迅速な人手確保を優先するのか、長く働いてもらうことも視野に入れながら、手間と時間がかかっても適正な水準で人を雇いたいのか。採用後を見据えた上で「自社が希望する条件」を決めれば、最適な雇用形態がおのずと浮かび上がってくるでしょう。
 
共通項はあれど、全く異なる特徴を持つアルバイトと派遣労働。それぞれのメリットとデメリットを把握し、自社のニーズに合わせて使い分けてください。

 


※記事内で取り上げた法令は2020年1月時点のものです。
 
監修:うたしろFP社労士事務所 社会保険労務士 歌代将也
TEXT:水上歩美/ノオト
EDITING:Indeed Japan + ノオト

 
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