企業の状況などに合わせて、必要となる求人情報も異なる
採用方針や採用したい人材のイメージは、企業によってさまざまです。たとえば同じ営業職でも、マニュアルに沿って業務を行えば新規顧客の開拓ができる仕事なら、未経験者であっても決められた作業を確実にこなせる人材であれば任せることができます。しかし専門性が高く、お客様の課題解決が中心の営業なら、「企業のビジネスにおける課題を把握し、自社による解決策を提案できる営業経験者」が求められるでしょう。このように、事業やサービス内容、募集ポジションなどによって「採用したい人材」は異なります。そうしたターゲットに合わせた求人情報を発信できれば、採用できる可能性も高まるはずです。実際に採用活動に成功した企業はどのように取り組んだのかをチェックしてみましょう。
Indeed導入企業は、採用を成功させるために、どう取り組んだのか
下記2つは、Indeedを活用する企業が使い始めた頃に陥りがちな課題を解決し、「応募者増」または「採用」に結びつけた事例です。
◆導入事例(1)
・該当企業(クライアント)
地方にあるヘアサロン
・課題
美容師の募集でしたが、掲載をスタートしてから1ヶ月間応募がない状態が続いていました。
この時点で「採用したい人材」として求めていた条件は「美容師免許の所持」と「ヘアサロンのあるエリア近辺に在住」という2つのみ。その他はただ情報を列挙するだけの求人情報でした。
・解決策
課題を解決するために3つの施策に取り組みました。
①年代・志向別に「採用したい人物像」を設定
専門学校に通う学生や周りの美容師にヒアリングを行い、以下の3タイプの「採用したい人材」のイメージを作り、求人情報の中にそれぞれの層に響く言葉を盛り込むことにしました。
タイプ①:ベンチャー気質をもった若手層
「腕を磨き、店長や経営者になりたい」という成長意欲の高い20代。
タイプ②:地元志向の美容師経験層
20代でカリスマ美容師を目指して仕事を行ってきたものの、その競争にも疲れ、自分のペースで仕事をしたいと思っている30代。
タイプ③:時間の融通を重視する主婦層
以前美容師をやっていたが、出産を機に仕事から離れていた30代女性。子育てをしながらも、好きな仕事をやっていきたいと考えるている。
②「採用したい人物像」に響く「情報」や「メッセージ」を考え、求人情報で訴求
次は、設定した3タイプの「採用したい人物像」にとっての魅力やメッセージを考えました。
「20代のベンチャー気質を持った人」に対しては、『複数店舗を開設予定』という情報で「企業の成長性」と、『充実した研修制度』で「スキルが磨ける環境」を伝えました。なかでも『研修制度』については、営業時間内であってもお客様のいない時間帯にパーマやカットの練習が行えることを打ち出すようにしました。こうしたケースは美容室には珍しく、求職者にとっては大きなメリットになると判断し、「営業時間外での練習は一切禁止」というメッセージで他社との差別化を図りました。
「30代、地元志向の美容師経験層」には、『都会で疲れていませんか?』という求職者の感情に訴えるメッセージを、「30代、時間の融通を重視する主婦層」には、『子どもの学校行事などがあれば、お休みがとれます』という制度面を具体的に伝えることで「働きやすさ」をアピールしました。
③スマートフォンによる閲覧を意識した情報構成に
Indeedのユーザーはスマートフォン利用者が大半を占めますが(※1)、エンジニアなど、日頃からパソコンを使い慣れている層ではパソコンから見ている割合が高いなど、職種や年代でパソコンとスマートフォンのどちらからアクセスするかが異なります。
今回、採用したい人材のイメージとして設定した「20代のベンチャー気質を持った層」「30代の地元志向の美容師経験者層」「主婦層」の3タイプは、日常的にスマートフォンで検索をし、メッセージのやりとりを行い、忙しい仕事の合間に求人情報を調べるというケースが多い層です。そこでまず、求人情報の掲載後も求職者の反応を確認しながら、本当にターゲットに響くと判断した情報のみを残し、不要な情報を削除しました。加えて、スマートフォンで見たときにスクロール回数を減らせるように、必要な情報をコンパクトに伝えるように書き方を工夫しました。
(※1)Indeedスタートガイド
・成果
上記の改善をおこなったところ、直後の2ヶ月で9件の応募がありました。応募者の内訳も、ターゲットとして設定した3タイプがほぼ同人数で、狙い通りの効果が上げられました。
◆導入事例(2)
・該当企業(クライアント)
アクアリウム(水槽)などを扱うイベント会社
・課題
イベント会場のアクアリウム設営や、夜中にその点検などを行う「設備管理スタッフ」の募集が目的でした。求人情報の掲載をスタートしてから、すぐに一定数の応募が来るようになったものの、同社の求める人材のイメージとは異なる層が大半を占め、採用に至らない状況が続いていました。
・解決策
そこで、課題を解決するために2つの施策に取り組みました。
①業務内容に合った「採用したい人物像」を設定
同社は水槽を芸術的なテーマをもって展示する華やかでユニークなイベントを運営しており、当初はそれを訴求ポイントに求人情報を作成していました。そのためアートに興味のある女性などの層からの応募が多かったのですが、「求める人材」のイメージとは合致していませんでした。
こうした状況の原因は、業務内容を社内で明確に共有できていなかったことで、「求める人材」のイメージも曖昧で、募集している職種の魅力などが正確に伝わっていなかったことにあると考えられます。そのため、応募はあっても採用に至らないというミスマッチが起きていたのです。
そこで、業務内容に見合った「求める人材」を改めて設定するため、今回募集する「設備管理スタッフ」の業務を書き出してみると、以下のようになりました。
「(アクアリウムなどの)重い設備の運搬・設置」
「(夜中に)設備の点検・メンテナンス」
「故障などのトラブル対応」 など
すると、「土木作業」に近いイメージの仕事であることが明確になりました。これをもとに、「身体を動かすのが好きで、肉体労働もでき、夜間の時間帯も働ける人」という「求める人材」のイメージを設定しました。
②「採用したい人物像」がイメージしやすい業務内容や魅力に感じる情報を作成
入社後の仕事がイメージできるように上記で出た業務内容を詳細に記載し、その上で休みの充実や働きやすさなど、ターゲットが魅力に感じるポイントを押さえた求人情報を作成。加えて、当初訴求していたユニークなポイントを残すことで、他社との差別化を図りました。
・成果
改善を行ってから10日間で10名の応募がありました。以前と比べ応募数としては少なくなったものの、イメージにあった人材の割合が増え、その内4名の採用が決まりました。また採用までの期間も短かったため、コストの削減にもつながりました。
Indeedで求職者のリアクションを見ながら求人情報を改善する
この2つの事例から学べることは以下の3つです。
- 求職者のニーズ、人物像(どんなタイプの人がいるのか)を事前にリサーチすること
- 自社の「採用したい人材」のイメージを明確にすること
- 応募状況を確認しながら、求人情報の打ち出し方を改善していくこと
「求める人材」の考え方と設定についてはこちらで詳しく紹介しています。
採用のミスマッチを減らすには。ペルソナ設定の方法とポイント
やみくもに求人情報を変更していては、期待したような反応・効果は得られません。上記の3つのポイントを踏まえて「何が良くなかったのか」「どうすれば良くなるのか」など、結果を振り返りながら、しっかりと課題を分析して、仮説を立て、改善する。このサイクルを繰り返していけば、よりよい効果が期待できるはずです。
Indeedは、掲載後であってもいつでも、何回でも求人情報を書き換えることができるので、状況に合わせて最適な情報に改善していきましょう。