面接でブラック企業だと勘違いされないように 応募者への適切なアプローチ方法とは?


応募者は限られた情報で、企業への志望順位を決めています。面接や電話・メールでの連絡は、応募者が企業の情報を得られる貴重な機会です。企業のことを少しでも知りたい応募者にとっては、企業側のちょっとした言動が大きな印象として残ることもあります。そのような実態がなかったとしても、些細な振る舞いから過重労働やパワーハラスメントなどを疑われ「もしかしてブラック企業なのでは」と思われてしまっては、おのずと応募者の志望意欲は下がってしまうでしょう。
 
どうすれば応募者に「ブラック企業」のようなマイナスの印象を与えずに、前向きな印象を抱いてもらえるのでしょうか。「株式会社採用と育成研究社」の代表・小宮健実さんに聞きました。

 
 

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面接の印象が入社意欲を左右する


自社の魅力を伝える手段としてWebサイトやパンフレットの作成、セミナーなどの広報活動を行うことは有効です。ところが、複数の内定の中から1社を選ぶ際には、それらのツールはあまり効果がないことが、当社の調査では明らかになっています。
 
内定をもらった会社の中から1社を選ぶ際には、面接官の印象や人事の関わり方など、選考が始まってから以降の接点が入社意欲を左右します。面接官や採用担当との関わりから多くの情報を受け取る中で、志望の順位は変動していきます。第6希望が第1希望にステップアップすることもあれば、逆もまたしかりなのです。

 
 

面接中にブラック企業だと勘違いされることがある?


もし面接中に「ブラック企業だ」と思われてしまえば、当然ですが志望度は下がります。応募者が得られる企業の情報は少ないので、小さな情報でも大きく受け止めて評価する傾向があります。面接官側にとっては「ちょっとしたこと」であったとしても、応募者は予想以上に強い印象を持つ可能性があることを覚えておかなければなりません。
 
よくある失敗は、採用担当者が面接官に「しっかり選抜してください」とお願いすることで、面接官の意気込みが空回りしてしまうケースです。「さぁ、きみが思う過去の一番の成果を教えてくれる?」などと応募者に横柄な物言いや態度をとってしまう例などがあります。これでは、上司からの圧が強くパワハラがある会社なのではと応募者が不安に感じてもおかしくありません。
 
しかし、面接官が自分の振る舞いの問題点に気づくのは難しいもの。問題なのは、「圧迫」の感覚が人によって異なることです。まずは、面接官に「こちらが一方的に選抜する側だ」という意識を捨ててもらわなければなりません。テクニックとしては、「応募者をお客様として扱ってください」と面接官に伝えること。そうなれば、おのずと丁寧に接する面接官が増えるはずです。
 
また、応募者に話しかける時は、「あなたは」ではなく、「〇〇さんは」といったように、名前をきちんと呼ぶことも重要です。「あなたは」を用いると、面接官が応募者より上の立場から発言しているような雰囲気が生じてしまいます。名前をきちんと呼ぶことで、面接官と応募者が対等の立場だという印象を与えることができます。
 
複数の面接官が一緒に面接に臨む場合は、同僚の呼び方にも気を付けてください。例えば上司が部下を「おまえ」「きみ」などと呼んでいると、応募者は自分に向けられた言葉でなくとも敏感に反応します。「もしかしてパワハラ上司なのかな?」「上下関係が厳しくて働きにくそうだな」と思われてしまう危険性があるので、注意してください。

 
 

オンライン面接で、特に注意すべきこと


人間は、目から入ってくる情報に最も左右されます。例えば、「昨日は楽しかった」と友人が話しているとします。言葉の意味はポジティブですが、険しい表情で同じセリフを言うと「何かマイナスの出来事があったんだな」という印象を受けるはずです。面接官と応募者とのやりとりも同じです。「あなたは優秀だね」と評価するコメントを口にしても、険しい表情で伝えていては、皮肉だったり取り繕っていたりするように聞こえます。
 
対面の場合には面接官の表情以外にも情報が多いので、応募者は他の情報と合わせて総合的に判断することができていました。しかし、オンライン面接になると、カメラに映っている情報が全てになります。表情が険しいだけでなく、顔が暗い、下を向いている、カメラから目線がそれているなどの振る舞いから、「自分に興味を持っていない」「共感をしてくれていない」と感じられる可能性があるのです。
 
これまで様々な企業で惹きつけを重視した面接官トレーニングを実施してきました。その中で、一番簡単でかつ重要なこととしてお伝えしているのは、しっかりとあいづちを打つことです。うなずくのは受容のサインになります。それに加えて、「なるほど」や「はい」といった共感や承認の言葉を添えましょう。簡単なことですが、これにより受容と共感の雰囲気が生まれ、応募者と面接官の関係性は良好なものとなります。

 
 

面接前後でも応募者の不安を解消する


面接以外にも、応募者への連絡の仕方によって、悪いイメージを与えてしまうケースがあります。個別の電話やメールをする際には、遅い時間は避けた方が無難でしょう。働き方が見直されている時代ですから、19時頃でも「こんな遅くまで働いているんだ」と受け取られる可能性があります。社会状況をきちんと捉えて、応募者に接していくことが求められます。
 
一方で、個別のメールではなく、事前に予約設定がなされている一斉送信のメールでであれば、「日付が変わった瞬間に送られるよう設定しているのだな」と察してもらえることがほとんどです。その場合には、メールを送る時間はあまり気にしなくてよいでしょう。ただし、一斉送信はリスクを軽減できますが、全員に同じ文章を送るため惹きつけは弱くなります。
 
応募者との全ての接触機会において大事なのは、その方法や内容にしっかり理由を持つことです。応募者ごとに、あるいは採用段階ごとに、個別に対応するか一括で連絡するかを意図して設計しましょう。中には、応募者ごとにメンターのような存在の社員をつけて、「次の面接ではこういうふうに頑張ってね」と応援し、惹きつけを行なっている企業もあります。
 
また、合格させたい応募者へのケアだけでなく、不合格になる応募者への対応も重要です。不合格になった応募者の中には、「自分に非があるのではなく、面接官に問題があった」と決めつける人もいるかもしれません。多くの人がSNSの情報に触れる社会ですから、ネガティブなイメージが広がれば、何年かにわたり応募者数が減る危険性すらあります。すべての応募者との接点でプラスのイメージを持ってもらえるように、選考プロセスをデザインしていきましょう。

 
 
 

<取材先>
株式会社採用と育成研究所 代表取締役 小宮 健実
1993年大手ITコンサルティング会社に入社。人事にて採用チームリーダーを務めるかたわら、社外においても採用理論・採用手法について多くの講演を行なう。2005年首都大学東京チーフ学修カウンセラーに転身。大学生のキャリア形成を支援する一方で、企業人事担当者向け採用戦略講座の講師を継続。2008年3月首都大学東京を退職し、同年4月採用と育成研究社を設立、企業と大学双方に身を置いた経験を活かし、大手企業を中心に採用活動・社員育成に関するコンサルティングを実施している。米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー。
 
TEXT:佐藤智
EDITING:Indeed Japan + ノオト


 
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