新型コロナウイルス感染拡大の影響で、アメリカの多くの企業が部分的もしくは完全リモートワークに移行しています。新型コロナウイルスによってますます多くの企業が事業閉鎖を余儀なくされる中、重要なのは在宅勤務を効果的に導入する方法を知ることです。テレワークへの移行準備をするにあたり、このガイドに記載の情報を参照いただき、移行計画の参考にしてください。
このガイドでは以下のことをご紹介します。
- リモートワークへの移行計画の立て方
- 新型コロナウイルス感染症対策期間ビジネスを継続させる秘訣
リモートワークへの移行計画の立て方
リモートワークに移行する計画を立てる際、下記ステップを参考にしてください。
1. マネージャーやチームリーダーと協同する
リモート移行を計画する時に重要なことは、リーダーとなる社員とアイディアや戦略について話し合うことです。例えば、チームリーダーやマネージャーにブレインストーミングをさせ、リモートワークで使用する最適なツール、従業員エンゲージメントを向上する方法、オンライン上でのチームコラボレーションの企画などについて意見を引き出します。また、マネージャーやチームリーダー、スーパーバイザーなどに自らがチームの模範となる行動をするよう働きかけてください。例えば、シニアリーダーがオフィスに出社せずリモートで働くようになると、他の従業員も安心してリモートで働くことができます。
ブレインストーミングでは、以下のような質問から始めましょう。
- 従業員とのつながりを保つにはどのようなコミュニケーションプラットフォームを使用するべきか?
- チームミーティングを実施するにあたり最も適したビデオ会議アプリケーションは何か?
- 従業員の生産性やエンゲージメントをどのように保証するのか?
2. 重要な情報には信頼性のあるコミュニケーション手段を選択する
従業員の多くが使用しているコミュニケーションルートを使用し、リモートワークに移行することについて、社員への透明性を意識してください。オープンなコミュニケーションを促進し、コミュニケーションツール内に従業員同士が情報共有や交流、語り合いができるような場を設けましょう。また、全員が連絡を取り合い、質問をし、フィードバックができるよう、信頼性のあるコミュニケーションプラットフォームは一つに絞ってください。指定のツールが一つであれば、業務に関する重要な情報を容易に共有したり入手することができ、最新のニュースや突発的な連絡事項に関してもすぐに確認することができます。
3. リモートでのマネジメントチームを結成する
従業員が自宅で効率よく働くためには、マネージャーやチームリーダーからの指示やフィードバックが必要です。業務上の異なるプロセスをリードしたりサポートする主要なマネージャーを特定し、従業員が誰にレポートすべきか明確にしましょう。例えば、事業を運営する上で発生する、プロジェクト開発、品質保証、その他のプロセスなどを管理するマネジメントチームを結成するといいでしょう。
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4. リモートに関するリソース・ツールを用意する(よくある質問集など)
リモートワークに関することや新型コロナウイルスに関連することで、従業員が疑問に思ったり懸念を感じることがあるかもしれません。そのため、オンライン上によくある質問集などのページを作成し、生産性やワークライフバランス、健康に関する情報を従業員が確認できるようにすることが大切です。オンラインアプリケーションでドキュメントを作成すれば、従業員がログインして最新情報をチェックすることが可能です。
また、従業員と定期的にコミュニケーションを取って懸念点や提案を聞き、質問に答えることで、もっと多くの情報をリソースに加えることができます。新型コロナウイルスについては常に最新の情報をアップデートし、従業員が適切なニュースやメディア、健康情報にアクセスできるようにしましょう。
5. コミュニケーションの案を立てる
リモートワークへ移行するにあたって、効果的なコミュニケーションを取ることはきわめて重要です。そのため定期的な連絡をする際にも計画を立てることが大切です。チームミーティングは毎週オンライン上で実施し、進捗状況を把握できるようにしましょう。同様に、毎日のメールで、完了したプロジェクト、新しいプロジェクト開発、その他のタスクについてなどの重要事項を伝え、従業員に常に情報共有をしてください。
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6. テクノロジーやツールを簡素化する
リモートワークでスムーズに業務を遂行できるかは、確かなツールやリソースによって決まります。コミュニケーションツール、開発支援ツール、プロジェクト管理ツールは、事業の様々なオペレーションの一貫性を保つために不可欠です。一方で、タスクを完了させ連絡を取り続けるには、必要なツールだけを導入することが重要です。例えば、オンライン上のワードプロセッシングアプリケーションや全社共通コミュニケーションツール、ビデオ会議システムさえあれば、リモートワークに必要な準備は完了するかもしれません。
新型コロナウイルス感染症対策期間ビジネスを継続させる秘訣
リモート管理をするにあたり、下記情報を参考にしてください。
会社の備品を供給する
どのような仕事をしているかによりますが、従業員が会社支給のノートPCを自宅に持ち帰ることができれば、家族のPCを使わずに済むことができます。最終的には、従業員に会社の備品を支給するかどうかについては、予算の問題と安全に自宅で使用できるか次第です。最終出勤日にチェックアウトするシステムの導入も検討しましょう。また、従業員がどの備品を借用しているかトラックするようにしましょう。
面接や入社研修をリモートでする
新たに人材を採用する予定がある場合、面接はオンラインでの実施が可能です。SkypeやZoomなどのビデオ会議システムを利用したり、電話で面接を実施することもできます。採用した社員には、会社情報やその他必要事項が記載された書類をオンラインで共有しましょう。従業員の署名が必要となる書類がある場合は、DocuSignなどのアプリケーションで安全に機密文書の受け渡しができます。
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オンラインコミュニケーションツールを統一する
従業員とは定期的なミーティングの時間を設け、仕事の進捗の確認、質問への回答、新しい仕事のアサインをしましょう。オンラインでのコミュニケーションプラットフォームを活用することで、ファイルの共有からプライベートの話まで気軽にできるよう促し、チーム間での繋がりを保ちます。これらのツールは、リモート環境でワークフローを確立したり情報共有をするのに役立ち、従業員の生産性やエンゲージメントを向上させます。また、コミュニケーションツールであまり発言しない従業員がいた場合には、個別に連絡を取って、一対一のミーティングを設定しましょう。
従業員のワークライフバランスをサポートする
リモートワークをする間は、少人数のグループを管理するチームリーダーを決めるといいでしょう。チームリーダーが個々のメンターとなり、専門的なサポートや親しみやすいアドバイスで、従業員の仕事とプライベートの両立を助けます。さらに、従業員が静かで集中できる仕事環境を見つけられるよう、精神的にもサポートします。一日の終わりには、チームと連絡を取って仕事の状況やタスクの量を確認します。業務以外では、リモートでのハッピーアワーやアクティビティを実施することをおすすめします。Netflix Partyなどで映画を一緒に観たり、ビデオ会議システムでランチをしたり、ビデオをオンにしたままで日々の会話を楽しむこともできます。
行政や医療リソースを活用する
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)では、企業や雇用主向けに暫定的ガイダンスプランを提供しており、CDCのサイトから新型コロナウイルス感染拡大についての最新情報を入手できます。賃金事情や労働時間に対する特別休暇、規則などについては、アメリカ合衆国労働省の新型コロナウイルスデータを参照してください。また、労働安全衛生庁(OSHA)では、新型コロナウイルス影響下での仕事場の提供について詳しいガイダンスを提供しています。アメリカ合衆国労働省による雇用主サポートページでも最新ニュースが確認できます。
関連サイト:
完全リモートワーク環境への移行をスムーズなものにするためには、リーダーや従業員による全面的な支援が必要不可欠です。より効果的に実現することを目指し、従業員とは常に連絡を取り合い、精神的なサポートも欠かさず行っていきましょう。