採用計画書の基本
採用の準備から人材の募集、そして選考の実施など、採用までの道のりは長いため、事前の計画が肝心になります。ここでは、まず採用計画書とは何かという基礎的な部分を解説します。
◆採用計画書の必要性
採用計画とは、社内で必要な人材を明確にしたうえで、人数や配置、そして人材の獲得方法を決めた計画です。この計画が、採用活動を行ううえでのガイドラインのような役割を担います。
また、採用計画は、優秀な人材を採用して企業の成長につなげることを目標にしなければなりません。特に現代の日本では少子高齢化が進み、若手の人材が不足しているため、採用が困難になることが考えられます。このように採用状況が悪化していく状況下、企業が成長するために優秀な人材を獲得していくためには、しっかりと明確化された採用計画書が必要なのです。
◆採用計画書の作成前に把握すべきポイント
採用計画書を作る前に把握すべき点がいくつかありますが、いずれも自社の現状把握に繋がるものです。採用計画書を作成する前に把握すべき4つの項目を次にまとめました。
- 自社の採用力を把握
- 事業計画の把握
- 採用課題を把握
- 採用競合を調査
採用活動を行うにあたり、まずは自社の採用力を客観的に判断する必要があります。採用力とは、理想とする人物像に合致した人材を獲得する力を指します。例えば、企業が採用にかけられる人員や予算などが企業の採用力に該当します。募集方法を検討する際には、自社の採用力に応じて適切な方法を選択しましょう。
また、自社の事業計画を理解したうえで、事業の拡大に必要な人材を把握する必要があります。必要な人物像や人数を明確にしなければ、採用活動自体が失敗に終わる可能性があります。
さらに、過去の採用実績から自社の採用課題の把握も大切です。採用者の入社率や定着率が思わしくなかったなどの過去の課題を把握、対応策を練ったうえで、新たに採用活動に入るべきでしょう。
そして、最後に採用競合の把握も忘れてはいけません。例えば、自社に入社した人は競合他社と比べて自社のどこに魅力を感じていたのか、そして入社の決め手は何だったかを調査すると良いでしょう。自社の採用市場での強みを認識できるはずです。
採用計画書の作り方
自社の現状を把握したあとは、実際に採用計画を作成するステップに進みます。ここでは、採用計画書を作成する際の手順をご紹介します。
◆採用目標と採用力
採用目標と採用力の項目には、自社の現状と事業計画に沿った人物像や、採用活動にかけられるコストを記載します。これらから、目標とコストに応じた選考方法を検討します。
◆選考方法の決定
選考方法の項目には、求める人物像を見極めるための採用プロセスや評価基準、合格基準を記載します。
採用活動では、選考方法が大切な要素になります。求める人物像に合致する応募者を、どのようにして見極めるかを慎重に検討しましょう。
選考方法には書類選考や筆記試験、面接などが挙げられます。求める人物像に応じて、適切な選考方法と合格基準を設定しましょう。例えば、専門職を採用する場合は筆記試験での成績を重視しつつ、面接でのふるい分けをすれば適切な人員を選べます。
◆採用人数の決定
採用した応募者の中には、内定を辞退する人もいることを念頭に置いて採用人数を検討する必要があります。内定辞退者が出ることを想定して、少し多めの人数を採用すると良いでしょう。
◆採用スケジュールを確定
採用活動に必要な業務を明確にして、スケジュールに落とし込みます。例えば、募集から説明会の準備、面接や選考期間、内定時期や研修期間などさまざまなタスクが考えられます。それぞれの業務の完了予定日を設定して、全体スケジュールを確定していきます。
まとめ
企業の成長に貢献できるような人材を効果的に獲得するには、計画的な採用活動が肝心になります。特に、企業での人材不足が加速する現代では、戦略的に優秀な応募者を選び抜く計画が必要です。
自社の現状や目標に合わせた採用計画書を作成して、事業を拡大できるような人材を獲得しましょう。
