不採用通知を電話で行う目的やメリット、注意点について解説

電話をかける手元の写真

多くの人にとって人生の大きな転機となる就職活動や転職活動。その選考の後、残念ながら不採用になった応募者に対して、企業側はどのようにその旨を伝えるべきなのでしょうか?
相手を不快にしてしまいやすいセンシティブな内容だからこそ、伝え方に注意したいところです。さっそく不採用通知の現状とともに見ていきましょう。

 

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4社に1社が「サイレントお祈り」をしている

一生懸命、準備をして真剣に挑んだ面接にも関わらず、その後に届く不採用通知のメール。きまってこれらの文末には「今後のご健闘をお祈り申し上げます」という「お祈り」がつづられているため、応募者たちの間では俗に「お祈りメール」と呼ばれています。しかしそのメールが届くなら、まだ明確に結果がわかりますが、もしそれすらも来なかったらどうでしょうか。
 
「面接から随分時間が経ったけれど企業からはまだ何も音沙汰がない」「果たして自分は面接に通過したのだろうか。それとも落ちたのだろうか。」自分の進路が決まる就職活動、転職活動を行っている彼らにとって、その結果を知ることはとても大切です。
それにも関わらずお祈りメールすら来ないことを、「サイレント=通知が来ない」という意味で「サイレントお祈り」と呼ばれています。
 
企業としては不採用を伝える際、「サイレントお祈り」は避けた方がよいでしょう。採用試験に臨んだ応募者に対し、たとえ不採用にするとしてもその旨をきちんとした形で伝えるのは最低限のマナーです。企業の印象も悪くなり、悪印象が求職者の間で広まれば今後求人に応募が集まりにくくなる可能性もあります。今後の採用活動のことも考え、不採用者に対しても誠実な対応を心がけましょう。

 

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不採用を通知する手段・方法

では「サイレントお祈り」ではなく、不合格の旨を応募者に通知する方法には具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

 

◆メール

不採用を伝える方法として、メールを使う企業が多いようです。メールで連絡を送る際は件名の書き方にポイントがあります。1つは、選考結果に関するメールだとわかるようなタイトルをつけることです。応募者が同時進行で複数企業に応募している場合、他のメールに埋もれて不採用通知メールが見逃されてしまう可能性があります。応募者の目に確実に止まるよう、「選考結果についてのご連絡」などわかりやすい件名をつけるとよいでしょう。2つめは、企業名を明記することです。どの企業からのメールなのかわかると、応募者にとって親切です。

 

◆電話

もし早急に不採用の旨を伝えなければならない場合は、メールよりも電話のほうがおすすめです。ただしこの場合、応募者がまだ今の職場に在職していて仕事中の場合もあるので、かける時間やタイミングについては考慮しましょう。
 
また、電話での口頭連絡のみではなく、念のため電話の後に話した内容をメールでも送っておくと確実です。この理由については後述します。

 

◆郵送

もし応募時や面接時に応募者から預かっている書類がある場合は郵送にしましょう。その際、書面での不採用通知を同封しておくと確実です。
 
特に応募時に受け取った履歴書の原本は、個人情報漏洩を防止する観点でも、速やかに応募者に送り返しましょう。応募書類の取り扱いは企業の判断に委ねられています。そのため、必ずしも応募者に返却する必要はなく、企業側で処分しても構いません。ただし個人情報にかかわることはトラブルになる可能性もあるため、返却予定がない場合は募集要項にその旨を記載するなどして、事前に通知しておきましょう。

 

不採用通知を電話で行ったほうが良い場合

どんな時であれば、電話で不採用連絡したほうがよいのでしょうか。それは「面接選考まで進んだ場合」「長期休暇に入ってしまい連絡ができなくなる場合」です。

 

◆面接選考まで進んだ場合

まず、実際に面接まで応募者が進んだ場合です。応募者からしても、面接時に面接担当者から色々な話を聞いており、その会社についての理解を深めたところかもしれません。そこまで進んだ状態では、メール1本だけで簡単に連絡を済ませるよりも、電話で直接本人に伝えてあげたほうが良い印象を与えます。
 
電話は手間や時間がかかりますが、メールだけでは伝えきれない真摯で真面目なニュアンスを伝えることができます。同じ不採用通知を受け取るにしても、応募者にとって大きくその印象は変わってくるはずです。

 

◆年末年始など長期休暇に入ってしまう場合

できれば電話で早めに結果を伝えたいのが長期休暇前のタイミングです。例えば年末年始やゴールデンウィークの直前に面接をした場合、企業の営業日を考慮すると、実際に連絡がつくのが連休後と、だいぶ先の連絡になってしまいます。
 
面接の合否を待っている応募者に対して、1週間以上返事を待たせてしまうのは酷なもの。このような場合は連休に入る前に早めに電話で不採用通知を伝えましょう。

 

不採用通知を電話で行うメリット

ではそのように電話で不採用通知を行うメリットですが、実はたくさんあります。具体的に見ていきましょう。

 

◆即座に結果を伝えられる

面接後で合否結果を待つ時間は、応募者にとっては不安とストレスでしかありません。そのような時間を少しでも減らし、なるべく早く結果を伝えられると、お互いに気持ちが軽くなります。

 

◆誠意が伝わる

不採用の通知を受け取って喜ぶ人はまずいません。応募者にとってできれば受け取りたくないネガティブな連絡だからこそ、メールではなく電話をして、「残念ですが…」という気持ちを直接話すことで、企業側の誠意や、面接を受けてくれたことへの感謝の気持ちを伝えることができます。

 

◆応募者の疑問を解消できる

応募者が選考結果に対する疑問を企業担当者に直接聞けるのも電話連絡のメリットです。たとえ些細な疑問だとしても、それを担当者に口頭で直接確認できると、応募者の気持ちの切り替えのサポートになるでしょう。
 

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不採用の電話で理由を伝えるべき?

電話では選考結果に対しての疑問を解消できますが、そもそも不採用の理由まで伝えてしまってもよいのでしょうか?

 

◆不採用の理由は聞かれたら回答する

電話だけではなくメールや郵送でも同様ですが、まず不採用の理由について、具体的に明言する必要はありません。不採用を伝えるときに何よりも大切なのは、その企業を選んで入社を希望してくれたことに対する感謝の気持ちを伝えること。
 
その上でもし応募者から不採用の理由を尋ねられた場合は、「他にも多数の応募があった」「お互いの方向性が少し違った」等、決してその人自身を否定するのではなく、あくまでも「弊社とは合わなかった」ということを丁寧に伝える必要があります。また、感謝の気持ちとともに、「ご希望に添えず申し訳ありません」など、相手を気遣う一言もつけ加えたいところです。
 
会社の窓口として解答していることを意識し「私は良いと思いましたが上司が…」といった個人的な感想を述べる必要もありません。

 

◆人材紹介を介している場合は、不採用理由を伝える

ただし人材会社を介している場合は、その人材会社の担当者に今回の不採用の理由をはっきりと伝えましょう。応募者本人へは、人材会社の担当者がソフトな表現に変換して理由を伝えてくれるでしょう。人材会社には、企業と応募者の性格や特性を把握し、より良いマッチングをするという役割があります。
 
明確に不採用になった理由を伝えることは、次回以降の人材紹介時の貴重な参考情報になりますし、より企業が求めているものに近い人材を紹介してもらえる可能性が高くなります。

 

電話で不採用通知をするポイント

電話で不採用通知をする方法を間違えれば、企業の印象を悪くしてしまいかねません。ここでは、電話で不採用通知をするポイントについて解説いたします。

 

◆面接から1週間以内に連絡する

合否連絡を待っている間応募者の気持ちは不安でやきもきしています。できれば面接から3日、遅くとも1週間以内には連絡をしましょう。

 

◆応募への感謝を伝える

応募者は、数ある企業の中からその会社に何かしらの魅力を感じ、応募してくれています。まずは選んでくれたことへの感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。感謝を伝えるということは、レピュテーション・リスク(評判リスク)を下げる意味合いも含まれています。
 
もし不採用連絡をおざなりにして企業へのイメージが悪くなったら、それを挽回するのは難しいでしょう。今回は縁がなく不採用という形でも、その応募者がいずれ将来のクライアントになる可能性も大いにあります。いつまたどこで繋がるかわからないからこそ、真摯に不採用通知を行いましょう。

 

◆遠回しにせずはっきりと伝える

応募者の気持ちを考えると伝えにくい内容には違いないですが、だからこそ不採用の旨は遠回しにせずはっきりと伝えましょう。
 
頭に「残念ながら」などのクッション表現を使いつつ、不採用の旨は明確に伝えます。ここで曖昧な表現をしてしまうと、応募者を混乱させてしまう場合も。

 

◆履歴書を返送する旨を話す

個人情報漏洩防止のためにも、受け取った履歴書の原本を返送しましょう。できればいつ頃までに発送するかの目安も伝えつつ、返却する旨を伝えて応募者に安心してもらいましょう。

 

◆履歴を残すためにメールも送る

電話だけでは言ったのか言ってないのかが不明確であり、トラブルに発展することもあるので、改めてメールまたは郵送で不採用通知に関する内容を送りましょう。

 

まとめ

電話で不採用通知を行うことは心が痛いですが、求職者にとって採用・不採用はその後の人生を左右するイベントです。効率性を重視するがあまり「サイレントお祈り」をしてしまえば、採用されなかった求職者に悪い印象を与えますし、人によっては怨恨の感情さえ持つかもしれません。
 
求職者側に発信している企業メッセージ、求める人物像と矛盾しないよう、真摯に丁寧に、不採用通知を行いましょう。

 
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