応募者の心をつかむ採用キャッチコピーをつくるコツ

採用キャッチコピーは、採用サイトや求人広告などの一番目立つ場所にあり、求める人材を的確に集めるカギを握ります。応募者の目を引き、心をつかむフレーズをつくるためのプロセスや注意しておくべきこととは何なのでしょうか? 採用広告の制作をはじめ総合的な人材サービスを提供する、株式会社クイックの中森規仁さんと松沼英郎さんに伺いました。

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採用キャッチコピーの目的や役割とは?

採用キャチコピーは、採用サイトやパンフレット、求人広告などで、最初に目につく場所にある言葉です。応募者が、たくさんの求人情報から自分に合った企業を探すとき、ひと目で「自分に関係のある求人だ」と認識してもらい、興味を持ってもらう入口となります。
 
また、企業の第一印象を決める言葉であり、ブランディングの役割も担っています。ただ、アルバイトやパートの求人では、具体的な条件やメリットを伝えることが有効になる場合もあります。伝えたい人や果たしたい目的を明確にし、何を伝えるべきかを考えることが採用キャッチコピーをつくる大前提なのです。
 
中途採用の場合は、今の仕事に不満を抱えて転職を考えている人が多く、その課題解決の糸口をコピーに打ち出すことが有効な手法の1つです。例えば、キャリアアップの機会を訴求する、休日がしっかり取れることを訴求するなど、求職者が「なぜ転職をしようとしているのか」を考えることがコピー作りのヒントになります。
 
一方、新卒採用では、企業イメージや理念、社風などをポジティブに伝えることで、自社で働く未来に希望を持ってもらい、成長を期待してもらえるようなメッセージが有効になります。

目を引き、心をつかむ採用キャッチコピーの特徴は?

応募者の目を引き、興味を喚起する採用キャッチコピーの特徴をいくつかご紹介します。

 

◆強いメリットが含まれている

自社が採用したい人が求めていることと、自社のメリットとを上手く掛け合わせることで、強い関心を得ることができます。ここで言うメリットとは、例えば「企業がお客さまに提供する価値」「休日や収入などの優遇面」など様々な内容が考えられます。

 

◆「NO.1」訴求が含まれている

「世界最大」「業界No.1」「お客さま満足度第1位」などは、キャッチコピーとして客観的に自社の魅力を伝えやすく、説得力を増すことができます。

 

◆魅力的な経営ビジョンが示されている

入社した後にどんな未来が待っているかなど、応募者が10年後をポジティブに想像できるような経営ビジョンを伝えることで、興味や共感を得ることができます。

 

◆応募者が本当に知りたいことを伝える

「応募者が知りたいけど、意外とどの企業も伝えていないこと」を敢えて打ち出すことで、興味を喚起します。例えば「18時になったら社長が真っ先に帰ります」という採用キャッチコピーは、残業をしたくないと思っている人に強く印象づけられます。

採用キャッチコピーをつくるための手順は?

言葉を考えはじめる前に、誰に何を伝えるかといったコンセプトをしっかりと固めておくことが重要です。

 

◆ステップ1. ジョブ・ディスクリプションを作成する

募集する人の仕事内容を明確にしておきます。例えば事務職の場合、「電話対応とパソコンでの書類作成」では抽象的なので、「誰からのどんな電話対応か、パソコンでどんなソフトを使ってどんな書類を作成するのか」まで想定しておきましょう。

 

◆ステップ2. 採用のターゲットを明確にする

どんな人に自社で活躍してほしいかを考えていきます。中途採用の場合は、これまでの経歴や経験、使えるソフトなどを定めていくとターゲット像が絞られていきます。新卒採用の場合は、学歴や学生時代の経験、仕事への考え方など、自社のビジョンやスタイルに適した人がどんな人かを定めていきましょう。

 

◆ステップ3. ターゲットに伝えたい自社の魅力を考える

ターゲットが魅力を感じ、かつ自社が責任を持って伝えられる魅力は何かを考えていきます。いくら魅力的なポイントをキャッチコピーで伝えても、自社にその裏付けがなければ通用しません。自社の魅力をリストアップする、ターゲットに近い社員にインタビューするのもおすすめです。

 

◆ステップ4. 採用のコンセプトを決定する

ターゲットと伝えたい魅力を絞り込むことで、「こんな人にこんな魅力を訴求する」といった採用のコンセプトを固めます。必要であれば社内で合意を取っておきましょう。

 

◆ステップ5.採用キャッチコピーをつくりあげる

採用のコンセプトに沿ったキャッチコピーを作成します。伝えたい魅力のすべてを表現するのは難しいので、写真やほかの要素など、求人ページ全体で表現する視点も持っておきましょう。
 
採用キャチコピーが完成したら、ターゲットに近い社員に見てもらい、率直な意見をヒアリングしたり、別の部署の社員に表現に問題がないかをチェックしてもらったりすると安心です。

採用キャッチコピーをつくるときの注意点は?

日本語として分かりにくい表現になっていないか、専門用語などターゲットに対して分かりにくい語彙を使っていないかは、注意しておくべきことの基本です。
 
また、伝えたい訴求ポイントがしっかり表現できているかどうかも、常に意識しておきましょう。かっこいいキャッチコピーをつくろうとしてあれこれ考えているうちに、訴求ポイントが変わってしまうというのはよくある失敗です。
 
中途採用やアルバイト・パート向けのWebの求人広告であれば、採用キャッチコピーを変更して試しやすくなっています。明らかに求めている人材と異なる応募者が多い場合などは、別のキャッチコピーでトライしてみましょう。

 
 
 

<取材先>
株式会社クイック
コピーライター 中森規仁さん
事業推進部 次長 松沼英郎さん
 
TEXT:武田明子
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト

 
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