どの適性検査を実施したらいい? 選び方と導入のポイント

自社に合ったより良い人材を見極める手段として、「適性検査」を取り入れる企業は増えています。しかし、適性検査の種類は多く、どれを採用すればいいのかわからないという企業は少なくありません。
 
採用コンサルティングや就職・転職の支援などを行う有限会社キャリアドメイン代表取締役の谷所健一郎さんに、適性検査の種類や導入する際のポイントを伺いました。

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適性検査とは?

適性検査とは、「企業や仕事に対する適性を見極める検査」であり、応募者の性質や能力などを知るために実施する筆記試験のひとつです。履歴書や短い面接時間だけでは見えにくい部分も感知でき、合否の判断材料になります。
 
企業によって適性検査を行う目的は様々であり、適性検査の種類によって得られるデータも異なりますが、一般的に次のような情報によって、自社と応募者の相性を見極めることができます。

(1)ストレス耐性のチェック

昨今、ストレスに対する耐性を重視する企業は少なくありません。面接だけで見抜くことが容易ではないので、入社後の休職や早期離職を避けるためにも採用時の適性検査は効果的といえます。

(2)行動特性のチェック

行動特性とは、チャレンジ志向、持続力、コミュニケーション、責任感などの資質のことです。履歴書や職務経歴書に書かれている自己PRや志望動機などと照らし合わせることで、信ぴょう性の有無もチェックできます。

(3)適職のチェック

(1)や(2)などの結果によって、新卒採用なら配属を決定するための、中途採用なら自社が希望する能力を有しているかどうかを判断するための参考になります。

(4)面接で質問すべき内容の抽出

一次選考として、面接前に筆記試験を行う企業は少なくありません。事前に適性検査を行うことで、適切な質問項目をリストアップすることができます。
 
たとえば、適性検査でストレス耐性に多少の問題を感じた場合、面接時に「ストレスを溜めやすいほうですか?」「ストレス解消のための手段はありますか?」などの関連質問をすることで、より高い精度で応募者の資質を見極めることができます。

適性検査の種類と特徴

適性検査には「ストレス耐性」「コミュニケーション力」などの性格テストや、「学力」「語学力」などの能力テストなど、さまざまな種類があります。また、受験方法や費用なども異なります。企業によって適切な適性検査は変わりますが、導入企業が多く、業種や職種を問わず使いやすい3つの適性検査を紹介します。

◆SPI

SPIは1973年に日本で初めて開発された適性検査です。現在、もっとも多くの企業で採用されています。
 
内容:「基礎能力検査」と「性格検査」の2種類から評価。
特徴:基礎能力検査は「言語分野」と「非言語分野」の2領域から測定。高卒、大卒(新卒)、中途採用によって出題内容が異なる。

◆Compass

1,000社を超える人事担当者の意見を元に企画・開発された適性検査です。コミュニケーション力やストレス耐性など、現代の社会状況を反映した検査内容で、必要な情報を自社で自由に作成・管理できます。
 
内容:「行動予測」「対人関係」「ストレスチェック」などの側面から評価。
特徴:検査に基づく面接で質問すべき内容も盛り込まれている。新卒、中途採用に関係なく同じものが使える。英語、中国語にも対応。

◆CUBIC

計測できる範囲が広い適性検査です。採用時のみならず、人材育成として社員に向けたストレス分析やモチベーション測定、環境適合測定など、得られる情報が多岐に及んでいます。
 
内容:「性格」「意欲」「社会性」「価値観」などの側面から評価。
特徴:ストレス耐性に特化した診断結果では、「対人ストレス」「目標ストレス」「繁忙ストレス」「高速ストレス」「総合ストレス」と、受験者がどのようなストレスに弱いかを指数化できる。

適性検査を導入する上でのポイント

適性検査は企業と応募者とのミスマッチを防ぐ意味で、ぜひ取り入れてほしいツールです。自社に見合った適性検査を導入し、その後の効果を上げるためにも、以下のポイントに注意してください。

(1)目的に合った適切な適性検査を選ぶ

何よりも重要なことは、応募者の何が知りたいのかという目的をしっかりと見定めてから、それに見合った種類を選ぶことです。闇雲に検査を導入しても、適切なマッチングは実現できません。

(2)適性検査の費用や実施するタイミングも大切

継続して実施していくためには、かかる費用も重要なポイントになります。最初にソフトを購入して使用するものや、受験者の人数でかかる費用が変わるものなど様々な適性検査があるので、自社の使用頻度と経費を考慮した上で決める必要があります。
 
ソフトを購入するタイプの適性検査は、多少の初期費用がかかっても人数に制限がありません。しかし、受験者の人数で費用が変わる場合、ある程度人数を絞ってからでないと莫大な費用がかかってしまうこともあります。どの段階で適性検査を行うかも導入する上で大切なポイントです。

(3)合否を判断するためのツールのひとつ

適性検査を導入した際、その結果だけを鵜呑みにしないように気をつけましょう。適性検査はあくまでも合否を判断するため手段のひとつと考えてください。
 
履歴書に書かれた学歴や、面接時の第一印象に左右されず、それらからは判断できない性格や能力を見極めたり、面接官の印象や履歴書の内容と、適性検査から得られた情報とのギャップを検証したりするなど、総合的に判断することが大切です。

(4)自社のコンピテンシーモデルを分析

適性検査を実施したら、その情報を蓄積し、分析しましょう。そうすることで、自社がどのような人材を採用する傾向にあるのか、また採用した結果、期待通りの活躍をしてくれているのかなどを知ることができ、自社のコンピテンシーモデル(優れた業績を出す人の思考や行動特性のパターン)になります。つまりは、マッチングの成功率アップにつながるのです。


<取材先>
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 谷所健一郎さん
 
TEXT:塚本佳子
EDITING:Indeed Japan + 南澤悠佳 + ノオト

 
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