入社の手続きチェックシート
正社員が入社するときには、主に以下のような手続きを行います。スムーズに手続きができるよう、チェックしておきましょう。
◆「雇用契約書」/「労働条件通知書」の提示
雇用契約書または労働条件通知書を提示します。どちらの場合も、入社前に会社から社員に対して内容について説明します。雇用契約書の場合は、入社時に署名捺印のうえ、提出してもらう流れが一般的です。
◆基本情報の受け取り(住所・電話番号・給与の振込口座など)
住所や電話番号、給与の振込口座など、社員の基本情報を収集しておきます。
◆マイナンバーの確認
社会保険や年末調整の手続きなどに必要なマイナンバーを確認します。一般的にはマイナンバーカードや通知カード、マイナンバーが記載された住民票などを社員に提出してもらい確認します。
◆「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」の提出
健康保険と厚生年金の被保険者資格取得届を作成して、年金事務所(郵送の場合は事務センター)に提出します。健康保険証が届いたら、社員に渡します。
◆「雇用保険被保険者資格取得届」の提出
雇用保険の資格取得届を作成して、ハローワークに提出します。
◆<中途採用の場合>雇用保険被保険者番号の確認
前職ですでに雇用保険の番号が発行されているので、雇用保険の被保険者証を社員から提出してもらい、確認します。
◆<中途採用の場合>前職の源泉徴収票の確認
以前勤めていた会社から発行された「源泉徴収票」を社員から提出してもらい、内容を確認したうえで、年末調整を行います。
◆<中途採用の場合>前職での住民税の「給与所得者異動届出書」の確認
転職年度に社員が住民税の特別徴収(給与からの天引き)を希望する場合は、自治体へ手続きを行います。
退職の手続きチェックシート
正社員が退職するときには、主に以下のような手続きが必要になります。退職前にスムーズに手続きできるよう、チェックしておきましょう。
◆「退職願」/「退職届」の受け取り
自己都合で退職する場合は、退職日を明記した退職願または退職届を退職者に作成してもらい受け取ります。
◆健康保険証の回収
退職日以降に、退職者の健康保険証を回収します。被扶養者がいた場合は、被扶養者の健康保険証も忘れずに回収しましょう。
◆「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」の提出
「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を作成し、年金事務所(郵送の場合は事務センター)に提出します。その際、回収した保険証も提出します。
◆「雇用保険被保険者資格喪失届」の提出/「離職証明書」の交付
雇用保険の脱退手続きをするために、「雇用保険被保険者資格喪失届」を作成してハローワークに提出します。退職者が希望する場合は、ハローワークから「離職証明書(離職票)」も発行してもらい、退職者に交付します。ただし、59歳以上の退職者の場合は、交付が義務となるため、希望の有無にかかわらず交付してください。
◆退職金の手続き
退職金がある場合は、控除額や所得税・住民税額などを計算して、退職者の口座へ手取り額を振り込みます。
◆住民税の手続き
住民税の給与天引きを行っている場合には、自治体に退職したことを知らせる手続きを行います。
◆加入しているサービスの解約の誘導
会社のグループ保険や持株会、企業型DCなどに加入している場合は、それぞれの窓口で必要に応じた手続きを行うよう促します。
入退職の手続きのポイント
採用することが決まってから入社するまでの期間、または、辞めることが決まってから退職するまでの期間に、本人と直接会って話をする機会は、意外と限られています。特に退職時には、様々な手続きが必要になります。あらかじめ、本人と話をする日時をスケジューリングし、いつまでにどんな書類を出してもらうかなど、本人に明確に伝えて約束をしておくことが大切です。
退職日前でも、本人が有給休暇の消化に入ってしまって出社せず、連絡が取りにくくなってしまうこともよくあります。退職後に手続きが残ってしまわないよう、計画的に行うようにしましょう。
<取材先>
うたしろFP社労士事務所 社会保険労務士 歌代将也さん
TEXT:武田明子
EDITING:Indeed Japan +ミノシマタカコ + ノオト