中途採用の入社時期、内定者から「遅らせてほしい」と言われたら?


前職の引き継ぎや業務の関係で、中途採用の内定者から「入社時期を遅らせてほしい」と言われる場合があります。とはいえ、入社を遅らせた分の業務を調整する必要があり、対応に頭を悩ませる人事担当者も少なくないかもしれません。一体、どのような対応をとるのが良いのでしょうか。
 
リクルートをはじめとした大手企業の採用・人事責任者を経験してきた株式会社人材研究所・代表の曽和利光さんに伺いました。

 
 

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中途採用者の入社時期が遅れる理由


中途採用の場合、働きながら転職活動を行う応募者も少なくありません。内定が出た後に勤務先へ退職する旨を伝えたものの、引き継ぎや担当しているプロジェクトなどによって退職が長引くケースも十分想定されます。抱えている業務が多かったり、なかなか代わりのきかない存在であったりと、優秀な人材ほど入社時期が遅れる可能性も高くなるといえるかもしれません。
また、まれに「入社前に海外へ行きたい」といった個人的な理由から入社時期を交渉する内定者もいます。
 
いずれにせよ、中途採用では内定者の入社時期が遅れる可能性があると想定しておくべきです。内定者からの申し出に対してどこまで応じるかは状況にもよりますが、良い人材ならば待てるなら待ってでも採用した方が良いでしょう。

 
 

入社時期が遅れる場合、内定取り消しはできる?


ただし、前任者の補充として新たな人材を至急採用したい場合、入社時期が遅れてしまうと業務に支障をきたしてしまいます。
 
入社時期の延期によって採用自体を取りやめたい場合、内定を取り消すことも可能です。ただし、募集要項に「○月○日入社」と入社希望の時期をきちんと明記していること、そして選考の段階でも改めて入社日について確認をとったうえで内定を出しているかどうかが重要です。
 
一般的に内定は「始期付解約権留保付労働契約」とみなされます。内定を出したことによって労働契約が成立したことになるため、簡単に内定を取り下げることはできません。ただし、きちんと入社時期を約束していた状態であれば可能となります。

 
 

入社時期を遅らせないためには?


しっかりと入社時期を伝えていれば法的に取り消しは可能であるものの、代わりの人材を新たに選定する必要が出てくるほか、場合によっては内定者が企業側を訴えるリスクも発生します。そのため、できれば期日通りに入社してもらうのが一番でしょう。
 
そもそも内定者が入社時期を延期せざるをえない場合、人事側に問題があるケースもあります。

 
 

◆内定を出すタイミングが遅い


転職先が決まったからといって、現在の勤務先をすぐに退職できるわけではありません。
 
基本的には、入社日の1~2カ月前に内定を出すのが良いとされています。内定を出すのが遅くなってしまうと、その分、内定者が退職するまでの日数が少なくなり、結果として想定していた入社時期を遅らせなくてはいけないことになります。
 
そのためには、採用計画の時点で無理のないスケジュールにすることが第一です。余裕をもって採用活動を開始できるように設定しましょう。

 
 

◆内定前にきちんと確認する


本来、内定後に「入社時期を遅らせてほしい」と言われてしまうのでは、「遅い」と言わざるをえません。人事は、きちんと入社日を確認したうえで内定を出すことがとにかく肝心です。入社時期をずらせない場合は、「○月○日に入社できるのであれば、内定を出す」といった形で内定前に伝えておくべきでしょう。
 
もちろん、それでも入社時期の遅れは完全には避けられないものです。その場合には、社内のメンバーを一時的に異動させて内部調達を行うほか、派遣やアウトソーシングといった外部調達する手段もあります。
 
また中途採用の場合、入社日の遅れは前職との問題がほとんどです。そのため、4カ月前ほどから大幅に余裕をもって募集を開始したり、すでに前職を退職してフリーの状態である人材を狙ったりするのも一案です。

 
 

中途採用の入社時期は、スケジュールと内定者への確認が重要


前職での業務がままならないうちに、無理に退職して入社させることは、会社にとってもマイナスになります。内定者と前職の関係が悪くなるため、もしも業務で近しいつながりがあればビジネス上で損になりえます。
 
人事側では入社時期を遅らせないためには採用計画を見直し、内定者がスケジュール通りに入社できるように働きかけましょう。

 
 
 

<取材先>
人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光さん
京都大学卒業後、リクルートに入社。人事部のゼネラルマネージャーとして培ったスキル・ノウハウと、2万人の面接経験を融合しワンランク上の人材を採用する独自手法を確立。その後、生命保険会社、総合不動産会社で一貫して人事領域で活躍し、2011年に株式会社人材研究所設立。著書に『人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則』(ソシム)などがある。
 
TEXT:成瀬瑛理子
EDITING:Indeed Japan + ノオト

 
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