求職者が転職先に求めているもの
勤務先で希望の職種に就けなかったり、新たにやりたい仕事が見つかったりするなど、転職を決意する理由や目的は人によって様々です。求職者は求人をチェックする際に、その目的がクリアになるかどうかを重視します。たとえば、転職後は安定した働き方を求めているなら、ワークライフバランスのとれた仕事であるかどうかを見極めています。もしも収入アップを望んでいるならば、報酬は外せない要素でしょう。
人によって転職先に求めるものは異なりますが、「この会社で働いていけるイメージを抱くかどうか」という視点をもって求人情報を見ています。求職者が入社後のビジョンを描きやすいような求人を作成するようにしましょう。
中途の求人情報を具体的に書くコツ
入社後のイメージがしやすい求人とは、募集要項を具体的に書くことが基本です。公開しても困らない範囲で詳しく記載するようにしましょう。以下の4つは漠然としているケースも多いため、とくに注意が必要です。
◆職種・ポジション
単に営業職とするのではなく、「○○業界・営業マネージャー」など担当領域やポジションまで明記すると求職者もイメージしやすくなります。
◆求める経験・スキル
そのポジションではどのような能力・経験が求められるのか記載しましょう。「営業経験○年以上」「○○資格保有者」といった数字や資格など、わかりやすい指標を用いるのも一つの手です。
◆仕事内容
仕事内容を詳しく書こうとすると専門的になりすぎたり、社内用語を多用したりすることで社外に通じにくい場合があります。わかりにくい表現が含まれていないか必ずチェックしましょう。また、同じポジションの社員にインタビューしたり、1日の仕事の流れをまとめたりすると、仕事内容がより伝わりやすくなります。
◆責任範囲
入社した場合、どのような責任範囲が及ぶのか明確にすることをおすすめします。たとえばセールスマネージャーを募集する場合、「国内・○○エリアの管轄」など具体的にどれぐらいの規模の管轄を任せられるのか添えると良いでしょう。
そのほか、会社の雰囲気や文化といった言語化しにくい内容は、SNSで発信したり、カジュアル面談を通して実際に感じ取ってもらったりするなど求人以外でのアピールが有効です。
中途の求人を行う際は、社内で連携しながら進めよう
具体的でわかりやすい求人情報は、会社にとって適した人材の応募につながるだけでなく、入社後のミスマッチを起こさないためにも重要です。できるだけ詳しく記載するためには、採用したい人物像やポジションのことを人事担当者がしっかりと知っておく必要があります。配属される部署のメンバーと連携をとりながら情報をキャッチしましょう。
求職者の視点だけでなく、現場の視点も意識しながら求人情報を作成してみましょう。
<取材先>
アルドーニ株式会社・代表取締役 永見昌彦さん
外資系コンサルティングファームなどで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。2018年に法人化。現在、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務にたずさわっている。
TEXT:成瀬瑛理子
EDITING:Indeed Japan + ノオト