中途採用現場における「雇用形態」
まずは中途採用を始める前に、中途採用市場の現状を把握しておく必要があるでしょう。
日本では、長く終身雇用をベースに一社で勤め上げるというのが一種の働き方のモデルとされ、求職者が就職の際に正社員という雇用形態を重視する傾向が強くありました。それは中途採用においても同様です。
しかし、働き方改革や女性の社会進出、求職者の価値観の変化などにより、週5日フルタイムという働き方が必ずしも希望されるわけではない状況になりつつあります。そのため企業は「求職者は正社員を望んでいるはずだから正社員での募集にしよう」と安易に雇用形態を固定してしまうと、優秀な人材を採り損ねてしまうかもしれません。
例えば、保育士の資格を持っている方が保育士の仕事がしたいと思っていても、家庭の都合などで週5日フルタイムの勤務が難しい方の場合、シフトの融通が利くコンビニやスーパーのアルバイトを選ばざるを得ないこともあります。現場としても保育士として働いてくれる人材を求めているにもかかわらず、雇用形態がネックとなり優秀な人材を獲得できていない、というミスマッチが発生しているのです。
まずは企業として中途採用をするうえで、本当にその仕事は正社員という雇用形態の募集でいいのか、見直してみることも大切です。雇用形態の考え方にとらわれず、お任せしたい業務に最適なスキルや経験を重視した採用スタンスで、優秀な人材を獲得するケースもあります。
中途採用でIndeedを活用するメリット
一般的な求人媒体と違い、求職者が気になるキーワードを入力するだけで的確な求人情報を表示する求人検索エンジンのIndeed。
求人サイトや企業の採用情報ページから集めてきた何百万もの求人が検索できるため、求職者はさまざまな求人サイトにアクセスすることなく、Indeed内で求人情報を検索することが可能です。そのため、求職者が応募したいと思える仕事を見つけやすいという特徴があります。
雇用形態も横断して職種で検索できるという点もIndeedのメリットの一つです。一般的な求人媒体では、そもそも正社員募集やアルバイト・パート、派遣社員など、掲載されている求人の雇用形態毎にサービスが分かれていることが多く、求職者は同じ仕事を探すにも複数のサービスを使わざるを得ないというケースがありました。
しかし求人検索エンジンであるIndeedは、キーワードでヒットした求人を全て表示するような仕組みになっています。自身の経験やスキルを活かせる場を、雇用形態に縛られず探すことができるのです。そのため企業側にとっても、スキルや資格を重視した採用活動を行う際には、Indeedを活用することは有効と言えるでしょう。
また、掲載後も求人情報の修正ができるのもIndeedの強みです。求人情報の閲覧数やクリック数をチェックしながら、求人情報に盛り込む内容を変え、よりターゲットを絞った採用活動を行うことも可能です。
Indeedに求人情報を掲載する際のポイント
経験者として高いスキルを持つ人材は、業務内容や環境に対して自分なりのイメージやスタイルを持ち、関心事もより具体的なものになります。そのため、経験者採用を目的とする場合、求人情報の書き方にも工夫が必要です。企業情報など基礎的なものに加え、より具体的に業務内容や仕事の流れが把握できる情報も掲載しましょう。
それでは実際に、企業が経験者を採用するために行った取り組みを紹介していきます。
◆ターゲットを絞り求人情報の内容を具体化する
求人情報の掲載をスタートしてみると、閲覧はされているが応募につながりづらいというケースもあるかと思います。特に経験者の獲得には、ターゲットを絞り求人情報の内容を見直すことが必要な場合もあります。
例えば、ある配送業者ではこんなケースがあったそうです。
トラックドライバーの採用にあたり、求人情報に会社概要や募集背景、職場の人数、業務内容などの基本的な情報に加え、外国籍の方や未経験の方も歓迎という情報を記載しました。誰もが分かる内容にすることで間口を広く設定し、多くの応募が来るようにという狙いでしたが、結果としてあまり人は集まりませんでした。
そこで経験者にターゲットを絞り、配送業者として当たり前の情報はなるべくシンプルにし、より具体的な仕事の流れを盛り込むようにしました。一日の仕事の流れから、配送する商品の紹介、配送ルートなどを詳細に記載したところ、応募が急増したそうです。このようにある程度ターゲットを絞った内容とすることで、応募数がアップするというケースも多くあります。
ただし、最初からターゲットをピンポイントで設定してしまうと、当たりが外れてしまうこともあるため、最初はある程度間口を広げた内容で掲載をスタートするのがおすすめです。応募の状況を見ながら、求人情報を適宜書き換えていくと良いでしょう。
◆求人情報内にQ&Aを盛り込む
上記のように、求人情報をターゲットに合わせた内容にしていくことも場合によっては必要です。
とはいえ、あまり専門的な内容を、基本的な情報と並べて記載をしてしまうと、雑多な印象の求人情報となってしまいます。
そういった印象を与えないためにも、経験者が気にしそうな、具体的な業務についての説明にはQ&Aの形で掲載する、という方法も一手でしょう。
例えば「Q.業務日報にはどのような項目がありますか?」「Q.繁忙期はいつ頃ですか?」「Q.ユニフォームの色の指定はありますか」「Q.配送に使用するトラックの車種はなんですか」など想定したターゲットに合わせて複数掲載すると良いでしょう。嘘をつかず、求職者の目線に立って具体的な情報を過不足なく盛り込むことがポイントです。実際にこのQ&Aを求人情報内に掲載したことで応募者が増加し、優秀な人材の獲得につながったというケースもあります。
その他に中途採用で意識すべきこと
中途採用のフローにおいて意識するべきことは、リアクションのスピード感。応募があったら極力早めに返事をすることが大切です。これは自動システムによる返信ではなく、担当者からの連絡であることがポイントです。全社一丸となって行う新卒採用では迅速な対応を行っている会社も多いですが、中途採用の場合は人事担当者と現場担当者が異なり対応に時間がかかってしまうことなどから、応募者への連絡が遅れてしまうケースがあります。しかし、応募者はすぐに連絡がないと、別の求人に応募してしまう可能性があるため、優秀な人材を採り逃してしまうことにもなりかねません。
求職者から応募などの連絡があったら極力24時間以内、可能であれば3時間以内に折り返しの連絡をしましょう。求職者の熱が冷めないうちにアプローチをかけることで、誠実な姿勢が伝わり採用率アップにつながります。