中途採用の募集を始める前に準備すること
募集前にどのような準備をしておくかによって、採用活動の結果は大きく左右されるでしょう。特に中途採用の場合はスピード感が必要です。選考をスムーズに進行させるためにも、採用募集を開始する前に以下の点を確認しておきましょう。
◆採用理由をもとに、求める人物像を明確にする
中途採用を行う背景には、人員不足や既存事業の拡大など、何かしらの理由があるはずです。その目的や採用するポジションから、求める人材のスキルや経歴、パーソナリティなどを絞り込んで採用基準を明確にしましょう。より具体的な採用基準を設けるためには、成果を上げている自社メンバーの特性を参考にするなど工夫が必要です。
◆採用基準を共有する
面接官や実際に働く部署の責任者、会社の上層部など、採用に関わる全メンバーで採用基準をすり合わせて共有しましょう。採用の判断が明確になり、入社後のミスマッチを防ぐ上でも有効です。
◆採用人数、期限、コストを決める
「いつまでに何人を採用する」「採用と入社後にかけるコストはいくら」という目標を先に挙げ、募集の開始時期や採用手法をプランニングしていきます。逆算することで、採用計画のミスや遅れの防止に効果的です。
◆応募者の入社意識を上げる環境を整える
応募者の入社意欲を上げ、働きやすい環境を整えておきましょう。会社全体で“仲間”を迎え入れるという共通意識を持つことが重要です。また、自社の魅力や強みをまとめ、それらをしっかり伝えられる面接官を選定することも重要です。
求人票に記載が必要な事項
求職者とのファーストコンタクトとなる求人票は、必要な情報を正確に伝えなければスルーされてしまいます。曖昧な表現は避け、入社後に働く姿をイメージできるような内容を意識しましょう。
◆事業内容と将来性
会社概要や募集する職種だけでなく、経営理念、他社との違いや今後の展望まで明記することをおすすめします。細かな事業内容と将来性が見込めるかどうかまで伝えることにより、会社に対するイメージが描きやすくなります。
◆募集背景と求める人物像
採用の目的とともに、入社後に求める役割がきちんと伝わるようにしましょう。どんな経緯で、どのような人材を求めているかを具体的に提示することで、応募者との認識のズレも防げます。
◆仕事内容や採用するポジション
たとえば、「営業職」でも、仕事内容は会社によって異なります。職種やポジションを示した上で、詳細な業務内容も載せると応募者の希望とのミスマッチを防げます。1日のスケジュール例などもわかりやすくておすすめです。
◆給料や年収、休暇制度、福利厚生
中途採用者が重視する条件でもあるため、できる限り具体的に提示したい要項です。基本給や年収、昇給例、手当やインセンティブをはじめ、年次有給休暇の日数や定休日、独自の制度なども記載しておくと、働き方をイメージしやすくなります。
◆採用要件と応募資格
事前準備で作成した採用基準をもとに、適切なスキルや経歴などを、「必須条件」と「歓迎条件」に分けて具体的に書きましょう。
◆キャリアパス
採用されたポジションから、将来的にどのようなステップアップを望めるのかを提示すると、応募者もキャリアイメージが湧きやすく、マッチングの度合いも高まります。
応募者を増やすために意識すべきポイント
中途採用の場合、求職者はこれまでに勤めてきた会社と比較しながら検討するものです。「転職を考えるきっかけとなった要素がクリアできるか」「転職後に得られるメリットは何か」など、中途ならではの視点を持って転職活動します。中途採用の応募者を増やすためには、次のポイントが抑えられているか確認してみましょう。
◆応募者が「自分事」と思える要素がある
「これまでの経験が活かせる」「今抱えている悩みや欲求に刺さる」「共感できる部分が多い」など、応募者が「自分事」だと感じる内容やフレーズがあると訴求力も高くなります。
思うように応募が集まらないときは、競合他社の求人票と比べてみるとヒントが得られるかもしれません。
◆適切な採用手法を選ぶ
応募数をやみくもに増やすだけの施策は、最終的に意味を成しません。採用につなげるために、求めている人材に届くアプローチを取ることが肝心です。ターゲット層に応じた採用手法を選択しましょう。求人媒体の特徴に合わせて、アピールする項目を変えるのも一つの手です。
採用募集前の下準備が成功につながる
中途採用では明確な採用基準を持ち、応募者に自社の魅力を正しく理解してもらうことが成功につながります。焦って採用したり、無理に基準を下げたりすると、ミスマッチや早期離職につながる可能性もあるため、しっかりと下準備をしてから募集を始めることが大切です。