中途採用の面接はできるだけ早く時間調整するのが基本
人事担当者と応募者のみの面接であれば、双方のスケジュールをふまえて日程を決めやすいものです。しかし、複数のメンバーや役員などが面接官となる場合は、調整が難航しやすくなります。社内で日程調整した後に候補日を提示する場合、応募者とスケジュールが合わなければ、またイチからすり合わせる必要が出てきます。できるならば、事前に応募者から候補日をいくつか提示してもらい、その日程に合わせた方がスムーズです。
面接日が決まらない間に、応募者が他社の内定をもらって選考辞退される可能性もあります。貴重な面接の機会を逃さないように、まずはできるだけ早く面接日を設定することが重要です。
働きながら転職活動をする応募者の場合
働きながら転職活動をしている応募者の場合、就業後や休日に面接を設定するケースが多いものです。ただし、応募者の就業後に合わせると、面接官の帰宅時間も必然的に遅くなり、残業や時間外労働を助長してしまうかもしれません。そのため、もしも時間の調整がしやすい応募者ならば、早い時間帯に面接を設定した方が無難だといえます。
最近ではフレックスタイム制を採用している企業が多いことから、9時~10時など朝の時間帯に面接を設定することも可能です。面接官の負担を減らすとともに、応募者にとっても、予期せぬ残業が発生して面接に遅刻してしまうリスクがなくなるので安心でしょう。面接時間を決める前に、応募者の就業時間を確認しておくとスムーズです。
退職後に転職活動をしている応募者の場合
すでに応募者が前の会社を退職しており、転職活動のみに専念している場合は比較的スケジュールが組みやすいです。基本的には、日中の時間帯に面接時間を確保することが理想です。就業後のオフィスで面接するよりも、応募者も会社の雰囲気を感じることができます。
また、すでに退職している応募者の場合は、特に面接日は早めに設定することがポイントです。働きながら転職活動をしている人に比べると、時間の余裕もあるため、同時に複数の企業の選考を受けていることが推察できるからです。選考期間があいている間に他社の選考フローが進んで、応募者の志望度が下がったり、選考辞退につながったりする可能性があります。
オンラインでの中途面接はアリ?
応募者が遠方に住んでいたり、仕事の都合で予定が立てづらかったりするなど、対面で面接を実施することが難しい場合もあります。そんなときにビデオチャットツールを使って、オンライン面接を行う企業も増えてきました。
オンライン面接は、対面よりも簡単に設定できるのが大きなメリットです。オフラインによる面接日程調整がつきにくい、あるいは面接前の情報交換としてカジュアル面談として活用したりするのが最適でしょう。社内事情やセキュリティ上の理由で導入が難しい会社もあるかもしれませんが、面接をできるだけ早く実施するためには有効な手段です。
中途採用の面接時間は、迅速に設定するのが肝心
働きながら転職活動をしていたり、並行して他社の選考も受けたりしている応募者は忙しいものです。日程調整のために何度もメールのやりとりをしたり、面接時間の連絡が遅れたりするのはできるだけ避けましょう。採用スケジュールが遅れてしまうだけでなく、応募者が企業に対してネガティブな印象を抱く恐れがあります。
面接時間の設定だけをとっても、採用活動の結果を左右することにつながります。双方が無理なく面接に挑めるように、できるだけスムーズに早めに設定することが肝心です。
<取材先>
アルドーニ株式会社 代表取締役 永見昌彦さん
外資系コンサルティングファームなどで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。2018年に法人化。現在、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務にたずさわっている。
TEXT:成瀬瑛理子
EDITING:Indeed Japan + ノオト