理想的な採用に繋がる面接シートの活用法

面接シートのイメージ


採用面接を受けに来た求職者に記入してもらう面接シート。どのように作成し、使用すると効果的なのでしょうか。作成のポイントや活用の仕方について、大手企業の人事領域で活躍されてきた株式会社人材研究所・代表の曽和利光さんに解説していただきました。

 
 

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面接シートを用いるメリット


一般的に面接の際には、履歴書や職務経歴書を持参するよう求職者に指示することが多いでしょう。ときに、事前にエントリーシート等長文の自己紹介文を用意してもらうケースも少なくないはずです。しかし、対象が新卒ではなく転職者である場合、事前に多くの書類を準備させることは、企業が考える以上に離脱される原因となっているのが事実です。インターネットで採用情報を見つけ、興味を引かれても、「履歴書・職務経歴書を添付」という文言を見た瞬間、面倒になりエントリーを辞めてしまうケースが意外と多いのです。
 
そこで便利なのが、面接シートです。たとえばある企業には、転職者を募集しているもののなかなかエントリーが増えないという課題がありました。そこで面接の条件としていた「履歴書・職務経歴書を持参」を「手ぶらでOK」に変更し、その代わりに面接に来た際にシートへ記入してもらうようにしたところ、応募者が3~4倍ほどに増えたという事例があります。
 
ただし、写真については持参してもらうようにしてもそれほど応募のハードルを上げることにはなりません。もちろん持参不要にするのに越したことはありませんが、特にエントリー者数が多い場合、写真がなければ求職者の顔を覚えておくのが難しくなるため、持参をお願いするほうが安心です。

 
 

面接シート作成のポイント


面接に来た時にその場で書いてもらうものですから、記入に時間を取られないよう項目を多くしすぎないことが重要です。10~15分で記入できる、A4両面1枚までのボリュームを目安としましょう。
 
掲載すべき項目は、まず求職者の氏名・住所・連絡先・学歴・職歴といった基本情報が挙げられます。職歴は職務経歴書のように詳しく書いてもらう必要はなく、社名と勤務期間があれば十分です。記入欄は1社目、2社目……のように区切り、どこに何を書くのかわかりやすくしておきましょう。
 
次に、「志望動機」「働く上で重視すること」「会社に質問したいこと」など、面接の中で触れたい事柄の項目を設けます。このとき、求職者の負担を減らすため、自由記述ではなく選択式にするのがおすすめです。オーソドックスな選択肢を複数用意しておけば、詳しいことは面接の際に尋ねればよいからです。
 
求職者自身の資質や適性を知るための項目も、選択式にすることをおすすめします。例えば「チームで行う仕事が好き・一人で黙々と取り組む仕事が好き」といった対照的な2つのうち1つを選んでもらうという方法です。ここで気をつけたいのは、「集中力がある・集中力がない」のように誘導的な質問にしないようにすることです。「一つのことに集中するのが好き・新しいことに次々取り組むのが好き」のように、反対でありながらどちらも良い性質であるものにしましょう。
 
最後に自由記入欄を一つ設け、求職者に質問や自己PRなどを気軽に書いてもらえるよう促すと、面接時に会話の糸口となります。

 
 

シートを活用した面接の仕方


上記で説明したように面接シートを作り込んでいれば、面接の場では回答に対して「具体的には」「たとえば」「なぜ」と尋ねていくだけで、十分な情報が引き出せるはずです。ポイントは、シートに記入された回答を裏付ける“ファクト”を聞き出すことです。「好奇心が旺盛である」と回答した人に「好奇心が旺盛とのことですが、たとえばどんなことをしていますか?」と聞くと、好奇心がどのくらい旺盛なのか知れる上、その人の経験について話を聞くこともできます。面接シートと口頭での回答のギャップによって、控えめなのか、話を盛りがちな性質なのかといった人となりも見えてくるでしょう。
 
また、面接官が複数いる場合には、面接シートの中で重要視したい項目について特に深掘りするよう共有しておくと、面接の標準化が図れます。

 
 
 

<取材先>
人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光さん
京都大学卒業後、リクルートに入社。人事部のゼネラルマネージャーとして培ったスキル・ノウハウと、2万人の面接経験を融合しワンランク上の人材を採用する独自手法を確立。その後、大手生命保険会社などで一貫して人事領域で活躍し、2011年に株式会社人材研究所設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新聞社)などがある。
 
TEXT:北村朱里
EDITING:Indeed Japan + 波多野友子+ ノオト


 
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