面接で聞くべきポイントは?
面接では、限られた時間で企業とマッチした人材を見極めなければなりません。まずは応募者にどんな能力があって、どのような働きをしてくれるのか探るためにも、業務に関する知識や資格、場合によっては語学力などを測るスキル面での質問は必須となるでしょう。ここから担当業務を遂行できる力があるかを知ることができます。
また、その応募者が持っている考え方や価値観が自社の経営理念や社風、職場にどの程度適合するかを判断する質問も用意しておくべきです。退職理由の一つに「価値観や志向性の違い」が挙げられることからも、この部分のマッチングが入社後の活躍を左右します。
そして、「スキルや能力」「価値観や志向性」の裏付けとなる過去の経験も聞いておきたいポイントです。具体的な成果の出し方や仕事のスピード、組織づくりや運営の方法、リーダーシップの取り方などが見えてきます。応募者の個人的な考え方ではなく、過去の事実を紐解いていくことで、適性がよりクリアに判断できるようになるでしょう。
応募者を見極めるための最適な質問例
では、具体的にどのように質問するのが効果的か、面接で重要視されがちなポイントごとに例を挙げてみましょう。
◆募集職種に生かせる能力があるか知りたいとき
例)「この仕事で求められる最も重要な資質は何だと思いますか」
→この答えを手がかりに、さらに深掘りすることができます。たとえば「問題解決能力」と答えたなら、なぜそう考えるのか、またその能力を発揮して苦境を乗り越えたエピソードなどに話を展開させることができます。
◆コミュニケーション能力が知りたいとき
例)「職場で他の人と意見が対立したときのエピソードを教えてください」
→人は同じ行動を繰り返す可能性があります。実際の経験を話してもらうことで、入社後も円滑なコミュニケーションを取れる人物であるかどうかが判断できます。
◆問題に直面した際の対応力が知りたいとき
例)「新しい業務に対応した出来事を教えてください」
→新規事業を行ったことや予想外の仕事が発生したエピソードなど、人によって回答は様々でしょう。具体例を挙げてもらうことで対処の的確さや計画性の有無、チーム内での働き方など、応募者の持つ特性が見えてきます。
◆プロジェクトの遂行力が知りたいとき
例)「これまで関わった最大のプロジェクトについて話してください」
→こちらも具体例を話してもらうことで、応募者自身がどのような立場でプロジェクトに携わり、成功に貢献してきたかを知ることができます。同時に、コミュニケーション能力やリサーチ力、調整能力などについても明らかになるでしょう。
応募者が適任か判断するため、「何を話しているか(反対に、何を話していないか)」に集中することがポイントです。また、一つの質問で終わらせずに重ねて質問を投げかけることが情報を引き出す上でも大切でしょう。
面接官は会社の“顔”であることを忘れずに
面接は実際に顔を合わせ、活躍してくれる人材を見極める場です。それだけではなく、優秀な人材を他社に取られないためにも「この会社に入社したい」と思わせる“セールスパーソン”的な役目も担います。相手が話しやすい雰囲気を作り、会社に対して好印象を持ってもらうことも重要です。面接担当者こそ、自社に対する熱意を持って誠実な態度で臨むよう心がけましょう。