試用期間中に解雇できる?辞めたいと言われたら? 採用人事の基礎知識


採用後に試用期間を設けるのが一般的ですが、もし自社と合わないと感じた場合に採用を取りやめることはできるのでしょうか。試用期間の定義や人事労務上の対応、期間中にしておくと良いことを紹介し、試用期間後も従業員に活躍してもらうためのヒントを、うたしろFP社労士事務所の社会保険労務士、歌代将也さんに伺いました。

 
 

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試用期間を設ける理由


試用期間とは、企業が人材を採用する際、勤務態度や能力、スキルなど、従業員としての適性を評価判断するために用いられるものです。
 
企業は人材を確保するため、面接や適性検査などを通して採用を行いますが、短時間で従業員の適性を正確に見極めるのはなかなか難しいもの。そのため、採用後の一定期間を試用期間として設定することがあります。
 
試用期間は法律上「解約権留保付雇用契約」という契約にあたり「労働契約としては成立しているが、解約権はある」という性質をもちます。
 
また採用された側にとっても、自分が職場で能力を発揮できるか、社風が合っているかなどを判断する期間であるともいえます。
 
試用期間は、長期雇用を前提としての雇用契約となり、労働基準法などで期間について明確な定めはありませんが、1カ月から6カ月が多く、最長でも1年程度が一般的です。

 
 

試用期間の解雇の是非、給与設定

 
 

◆試用期間=解雇しやすいわけではない


試用期間というと、「本採用後よりも簡単に解雇ができる」というイメージを持ちがちですが、長期雇用を前提とした労働契約が締結されている状態のため、企業側は正当な理由がない限り、簡単に従業員を解雇できるわけではありません。
 
この場合、解雇の正当な理由として挙げられるのは、勤務態度の悪さ、出勤不良、経歴詐称などです。
 
単に「能力が足りない」という理由で安易に解雇すると、後々不当解雇として問題になる可能性があります。
 
「自社の求めるスキルと著しくギャップがある」という場合は、試用期間に従業員に対して適切な指導をする、適性を見るために別部署やほかの業務を任せるなど、その従業員が企業で活躍できるように企業側が働きかける必要があります。
 
それでもなお適性に問題があれば本人と面談を行い、今後の意向を話し合っていくことが大切です。
 
また、解雇通知に関しても、通常の解雇と同じく30日前に予告する、もしくは解雇予告手当として30日分以上の平均賃金を支払うことが義務付けられています。

 
 

◆給与設定は最低賃金を下回らない範囲で行う


試用期間中の給料は、都道府県別に決められている最低賃金を下回らない範囲であれば、本採用後より低い条件を企業が設定することもできます。
 
トラブルを避けるには、あらかじめ求人票などに試用期間中の給与について明記しておくことが望ましいです。
 
また、一部の短時間労働者を除き、企業側は、試用期間の開始時から各種社会保険(雇用・健康・労災・厚生年金)に加入させる義務があるので注意しましょう。

 
 

試用期間中に「辞めたい」と言われたら


本採用時でも同様ですが、「辞めたい」という従業員を企業側が無理に引き止めることはできません。企業は、後のトラブルを避けるためにも、従業員が「自己都合の退職であること」「明確な退職の意思があること」を明確にしておきましょう。
 
ただし、従業員が退職の意思を示していても、企業側が辞めてほしくないと感じた場合、会社に残って欲しい旨を伝えることは可能です。
 
その場合は、業務の内容や職場の環境についてヒアリングを行い、職場になじめるように働きかけたり、場合によっては担当業務や部署を変えたりなど、従業員が退職したい理由や不安に思っていることを一緒に解消していく必要があります。

 
 

試用期間中の3つのチェックポイント


1. 勤務態度や勤怠状況をみる
試用期間の従業員に対するチェックポイントとして勤務態度や勤怠状況があります。反抗的な言動が多い、無断欠勤や遅刻が多い、就業中に業務以外のことをしているなど、トラブルを起こしていないかをチェックします。
 
2. 会社との適性をみる
試用期間は、業務内容や、職場の雰囲気や相性などを互いに判断する期間として活用しましょう。
 
企業も従業員もお互いに「合わない」と感じながら雇用関係を続けていると、従業員も活躍できずストレスを抱え続けることがあります。試用期間のあいだに、具体的な業務内容の指導や面談を行いながら、従業員が活躍できるように導いていきましょう。
 
3. 従業員の本音を人事担当者が聞く
試用期間中の従業員がうまく職場や業務になじめていない場合、直属の上司ではなく人事担当者から話を聞くほうが、従業員にとっては本音を言いやすい場合もあります。
 
周りの従業員の話も聞き情報収集をしながら、細やかなコミュニケーションを心がけましょう。

 
 
 

※記事内で取り上げた法令は2020年11月時点のものです。
 
<取材先>
監修:うたしろFP社労士事務所 社会保険労務士 歌代将也
 
TEXT:宮永加奈子
EDITING:Indeed Japan + 南澤悠佳 + ノオト

 
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