面接がうまくいかない一番の原因は? 採用力を上げられる面接とは

面接しているイメージ


自社に合う人材を面接で選び、入社して長く働いてもらうには、どのような面接を行えばいいのでしょうか。面接がうまくいかない理由、面接官が知っておきたい「いい面接」を行うためのポイントについて、組織人事コンサルティングを手がける株式会社新経営サービスの大園羅文さんに伺いました。

 
 

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面接がうまくいかない原因は? どういう面接が「失敗」なのか


面接における失敗は、「見極め不足」「動機付け不足」の2種類に定義付けられます。
 
「見極め不足」とは、応募者の本質をきちんと判断しきれなかった状態を言います。その結果、引き起こされるのは採用のミスマッチです。新入社員に対して「期待していたほどではなかった」「社風と合わなかった」と感じてしまうといった例が挙げられます。
 
一方、「動機付け不足」とは、応募者側に「この会社で働きたい」と思わせられるほどの情報を会社側が与えられなかったという状態です。その場合、引き起こされるのは、会社が採用したいと思った候補者からの内定辞退です。
 
いずれの失敗も、原因は同じです。

 

  • 面接官の事前準備不足
  • 面接官への共有不足
  • 面接官の力量不足


これらの根本にあるのは、面接官への教育不足です。30分、1時間といった限られた面接時間で、自社に合う人材かどうかを見極め、かつ動機付けを行うのは容易ではありません。採用に力を入れたいのであれば、まずは面接官の育成に注力すべきなのです。

 
 

うまくいったと感じる「いい面接」とは


内定辞退や採用のミスマッチが起こる「うまくいかない面接」を裏返したものが「いい面接」です。自社が求める人材かどうかを適切に見極められ、かつ動機形成により採用に繋げられる面接こそ、「いい面接」だといえるでしょう。
 
多くの企業にとって、人材採用の目的は単なる人員補充ではなく、会社で利益を生み出してくれる人材を求めているのではないでしょうか。
 
そういった目的を考えると、いい面接とは「自社が求める人材をきちんと見極め、入社に繋げる」ことだと考えます。

 
 

「面接がうまくいかない」を脱するために面接官が知っておくべきこと、できることとは


面接のレベルを上げるには、会社として面接官の育成に取り組むことが大前提となります。その上で、面接官が知っておくべきことを見ていきましょう。

 
 

◆面接の基本手順を理解する


まずは面接の進め方を理解しましょう。
 
<基本的な進め方>

  1. 「求職者の情報収集」 面接前に行う
  2. 「アイスブレイク」 面接中の場作りを行う
  3. 「ヒアリング」 求職者が求めていることを聞く
  4. 「対話」 それに対し自社が提供できるものを伝える


適切な手順で進めたうえで、面接で得られた情報を基に、総合的に合否判定を下すことも大切です。この一連の流れとポイントを面接官が押さえておけば、少なくとも面接官の個人差により面接の質が大きく異なるといった事態は起こりにくくなるでしょう。

 
 

◆自社の求める人材像および合否基準を策定する


面接の流れを押さえられたら、自社の求める人材像と合否基準を、面接官同士で具体化していきましょう。会社が欲しい人材を採用するには求める人材像の共有が必須ですが、抽象的な共有の仕方では、面接官の解釈が分かれてしまいます。
 
たとえば、会社がほしい人材が「ガッツがある人」だとして、それは体育会系のような人を指すのか、自分の仕事を確実にやり切れる人を指すのか、人によって解釈が異なります。採用のミスマッチを防ぐためにも、具体的なイメージまで面接官が把握しておくことが大切です。
 
イメージを具体化させ、合否基準を策定したあとは、面接でどのような質問をし、どのような情報があれば合否を判断できるのかについても考えてみましょう。ここでも面接官同士で話し合い、認識をすり合わせておけるとなおよいです。

 
 

◆面接フローごとに役割分担を行い、各面接フローの目的を明確化する


前に述べたように、限られた時間で人材を見極め、動機付けまで行うのは容易ではありません。そのため、1次面接、2次面接、最終面接と各面接の目的を明確化し、面接官の役割を分担させましょう。
 
中小企業では1回しか面接を行わないケースも見られますが、人員補充ではなく、即戦力や幹部候補など会社の未来を担う人材を採用したいのであれば、少なくとも2回は面接を行うことをおすすめします。
 
面接が2回あれば、1回目で人材の見極めを行い、2回目で入社への動機付けに力を入れるといった具合に役割を分けられます。役割分担の内容は事前に共有し、1次面接を終えたあとは2次面接の担当者に情報を引き継ぐなど、連携することで戦略的な面接が行えるようになるでしょう。

 
 

採用力を上げるには面接官の育成が重要


見極めの重要性は、多くの企業、面接担当者が理解できているでしょう。しかし、応募者に対し、入社への動機付けを行うことの重要性には気づけていないという会社は実は少なくありません。就職氷河期世代など、求人に対して求職者が多かった時代に就職・転職を経験した世代では、面接=会社が求職者を選ぶものといった印象が強く、その印象を今でも抱いている会社や面接官も少なくないためです。
 
しかし、労働人口が減っていく現代において、面接は求職者が会社を選ぶ場であるともいえます。面接の場において、会社と求職者は対等な立場なのです。
 
面接の印象が入社意思を左右するケースはとても多く、人材採用において面接官は大きな役割を担っています。面接官個人の力量に任せるのではなく、全社的に面接官の育成に力を入れることが大切だといえるのです。

 
 
 

<取材先>
株式会社新経営サービス 経営支援部 コンサルタント大園羅文さん
現在は、中小企業を対象とした人材採用支援、若手人材の定着・即戦力化支援、人事制度の構築・運用支援に従事。特に、「人材採用力の強化」を得意テーマとしており、『採用活動に時間やコスト・労力を割けない』等の中小企業独自の課題に寄り添った支援を通じて、顧客とともに“勝つべくして勝つ”採用活動を展開。
 
TEXT:卯岡若菜
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト


 
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