アルバイト求職者は空いた時間を効率よくお金に変えたい
――まずはアルバイト全般について聞かせてください。アルバイトを探すのはどんな方が多いでしょうか?
学生や主婦/主夫が多いです。理由として、学生は部活や学業、主婦/主夫の方は家事や育児の空いた時間を無駄にしたくないという気持ちがあるでしょう。ですので、効率よく仕事をして稼げることが重要視されています。ですので、学生は長期期間中に勤務時間を増やしたり、テスト期間中は減らしたりシフトを柔軟に対応してもらえるかを気にしていることもあります。また、あらかじめ曜日や時間が固定されていることを好む方もいらっしゃいます。
――学生や主婦/主夫の生活リズムを考えて求人情報を作るといいですね。
そうですね。求人情報には「1日○時間/週■日からOK」と勤務日数・時間の最低ラインを記載したり、早朝・日中・夕方・夜間など時間帯を分けてシフトパターンを示したりするのもよいです。また、空いた時間をいかに効率よくお金に変えられるかという点では「時給」と「勤務地」も見られています。時給が高く、かつ自宅の近くもしくは通学の途中に職場があれば空いた時間を存分に活用できますよね。
――「時給」と「勤務地」を重視するのですね。正社員ですと職種や仕事内容を重視しがちですが、アルバイトの場合は空いた時間に効率よく稼ぎたいですよね。
はい、その点において「未経験OK」も引きがあります。未経験OKであれば、気軽に始められ、仕事自体難しくないことが多いためです。また、学生歓迎のアルバイトでは「友達同士の応募OK」とすると、一度に複数人採用できてよいかもしれません。知らない人と働くより、友達と働いた方が楽しいですからね。
ライバルが多い飲食店は時給以外の“働くメリット”を入れる
――飲食店は多く求人が掲載されていますが、見られている条件はありますか?
飲食店のアルバイトを探す方はシフト、時給、勤務地の条件をクリアしたら、「まかない」や「交通費支給」の有無などでいくつかの店舗を比較します。ホールの場合、仕事内容はそれほど変わらないので、より多くのメリットがある方を選びます。ライバルとなりうる他店舗と比較して、自分の店舗で働くことのメリットや差別化ポイントを伝えられるようにするとよいです。
――「まかない」や「交通費支給」などのメリットで比較する方も多いんですね。キッチンはどうですか?店舗によって仕事内容が違いそうですが。
キッチンを検討している方ははどのくらい調理ができないといけないかを気にします。「調理補助(包丁は使いません)」「洗い物のみ」「要調理師免許」など、必要とされる調理のレベルがわかるようにしましょう。キッチンを志望される方の中には調理師をめざしていたり、アルバイトを通して資格を取りたいと考えていたりする方もいらっしゃいます。店舗としてアルバイトの方に調理師免許の取得を支援しているようでしたら、「調理師免許取得の支援制度あり」と記載するのもおすすめです。
――「調理師免許の取得支援」は他店舗との差別化を図ることができる条件ですね。ほかに飲食店でライバル店舗と差別化を図るにはどのような情報を出すといいでしょう?
イメージ写真も大事な要素です。アルバイトの求職者は楽しい職場で働きたいと思っている方が多いです。何人かのスタッフが笑顔で写っている写真を掲載して、ぜひ明るい職場の雰囲気を写真で伝えてください。また、採用したい人物像に近いスタッフを選ぶと、その人物像に近い方の応募が見込めます。
また、提供している料理や店舗の外観・内装の写真も大事です。アルバイトをすれば写真の料理をまかないで食べられるかもしれないと期待を持ってもらえます。おしゃれなお店で働きたいという希望を持つ方も多いので、外観や内装にこだわりがあればぜひ写真を載せましょう。Indeed(インディード)は写真が5枚まで掲載できるので、店舗に来たことがない方にも魅力が伝わるように活用することをお勧めします。
◆飲食店ホールで検索されているその他キーワード
- 日払い
- オープニングスタッフ
- カフェ
◆飲食店キッチンで検索されているその他キーワード
- シニア
- パート
- 調理
スキルや経歴を活かしたい求職者が多い、ホテル・観光業界
――旅館・ホテル業界についてはどうでしょうか。訪日外国人の影響で、英語が話せる人材の需要が増えていますよね?
はい、英語だけでなく中国語が話せる人材は全国各地で必要とされています。首都圏ではベトナム語が使える人材の需要も増えています。求人情報には「英語が話せる方」「語学力を活かせる」という条件を入れるだけでなく、英語を併記するとよいです。そうすると英語を話せる方の目に留まりやすくなるでしょう。また、アルバイトの求職者全般に言えることですが、自分の経歴が少しでも活かせ、かつ時給がよい仕事を選びますので、語学以外の経歴も歓迎条件に入れるといいです。
――「語学」以外で旅館・ホテル業界で活かせる経歴というと?
ホテル、観光、ホスピタリティ分野を学んでいる、もしくは学んだ経験を歓迎条件に入れるといいです。この分野を学べる専門学校は全国にあり、卒業後の進路を見据えてアルバイトで経験を積みたい方も多くいます。ですので「学生OK」、「ホテル、観光、ホスピタリティを学んでいる方歓迎」と記載するのもよいでしょう。また、ホテル・観光業界に限らず接客業の経験は活かせるので、こちらも記載しましょう。
――「接客業経験者」を歓迎条件に入れると、応募が増えそうですね。
はい、応募を検討する方が「自分のスキルや経験が活かせる」と思ってもらえる求人情報を作成することが応募数を増やせるかどうかのポイントです。ただ、アルバイトを含め、この業界を志望する方が気になるのはシフトです。夜勤や早朝勤務の有無、具体的なシフト例を求人情報に記載し、早朝や深夜勤務の手当てがつく場合は、きちんと記載しましょう。
――シフトパターンを明示し、手当てがある場合は記載するといいのですね。ホテル・旅館業界ならではの給与以外の「メリット」はありますか?
「社割制度」の有無は意外と見られています。主婦の方はご家族と一緒に、学生は友達や彼氏・彼女と旅行をする際に割引価格で宿泊できるとうれしいという声があるようです。
◆旅館・ホテルで検索されているその他キーワード
- シニア
- 中高年
- 住み込み
- 短期
いかがでしたか?
今回は、アルバイト全般と特に人手不足が深刻な飲食店と旅館・ホテル業界で求職者に見られている条件をお届けしました。
後編は【介護職/トラックドライバー編】です!
(※1)帝国データバンク 人手不足に関する企業の動向調査(2019年10月)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p191105.pdf
