採用手法の種類
採用手法は、主に「マス型」と「個別型」の2つに大別されます。マス型は「マス=集団」向け、個別型は文字通り候補者個々に向けた採用手法です。
それぞれに該当する採用手法は、以下の通りです。
◆マス型
- Webサイト・Webサービス(就職サイト、転職サイト、Web求人広告など)
- 人材紹介サービス
- 各種イベント(就職フェア、合同説明会など)
◆個別型
- ダイレクトリクルーティング
- リファラル採用
その他、最近ではベンチャー企業を中心にSNSを使った採用も増えてきています。会社側が発信をし、求職者からのコンタクトを待ったりダイレクトリクルーティングにつなげたりする手法です。
これらの手法のうち、いくつかを組み合わせて採用活動を行います。
新卒採用手法のトレンド
最近の新卒採用では、従来のWebサイトに加え、新卒紹介サービスの利用が多く見られます。新卒紹介サービスとは、企業からの依頼を受けた大手人材紹介会社が、説明会に学生を集客するものです。企業側からターゲット層となる学生像を伝えられた人材紹介会社側は、保有するデータから該当者を絞り込み、説明会への参加を促す通知を送ります。
また、大学でセミナーを開催する企業が出てきたのも最近のトレンドの一つです。
これらは主に大企業が行う採用手法となり、大企業と並行して応募される中小企業では、ダイレクトリクルーティングの比重が増してきています。大企業のような大量採用をしないため、求めるスキルを持った人を絞り込み、企業側からアクションを取るのです。
また、新卒採用の傾向として、採用活動の長期化が見られるようになりました。国から採用スケジュールの指針が出され、“選考”活動の解禁時期が4年生の6月、“広報”活動は3年生の3月からとなっていますが、実際にはその前から不特定多数を対象としてインターンシップやセミナーを広報活動として行う動きが見られ、結果として採用活動が長期化しているのです。
労働人口の減少から、売り手市場が今後も続いていきます。特に中小企業では、個別に絞り込みアプローチをかけて採用していくダイレクトリクルーティングへのシフトが今後も進んでいくでしょう。
中途採用手法のトレンド
中途採用では、転職サイトやWebの求人広告、人材紹介会社がこれまでの採用手法の2本柱でした。ダイレクトリクルーティングやリファラル採用といった個別型の採用手法が増えてきているのが最近の傾向です。
この流れは中小企業も変わりません。個別型が増えてきている背景には、これまで柱となってきたマス型の採用では大企業に人材を取られてしまうという事情があります。採用コストには限りがあるため、個別型で直接候補者とコミュニケーションを図り、確実に採用につなげていきたいという思いがあるのです。
採用手法を選ぶときのポイント
採用手法を選ぶ際には、母集団の量や質、かけられるコスト、求めるスピード感の3点について整理しましょう。母集団の数を優先させるのであればマス型の手法が適していますし、量より質なのであればダイレクトリクルーティングが適切です。
ダイレクトリクルーティングやリファラル採用は比較的時間を要する手法となるため、早く採用する必要がある場合はエージェントに依頼した方が良いでしょう。各ポイントと採用手法の強み弱みをマトリクスにし、採用担当者がどれだけの手間をかけられるのかも整理します。そこから最適な手法を見出しましょう。
また、ただ情報を掲載するだけではなく、自社の魅力を求職者に伝えられる機会を持てる採用手法を選ぶことも大切です。求職者視点で見ると、中小企業は大企業ほどの競争力を持たないため、より積極性が求められます。エージェントに任せる場合においても、丸投げするのではなく、自社から何らかの情報発信を続けていきましょう。
なお、どの採用手法においても、検証を続けていくことが大切なポイントです。1回試すごとに結果を見直し、次の採用活動に活かしていきましょう。
<取材先>
クレド・ライフクリエイション株式会社 深堀一雄さん
TEXT:卯岡若菜
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト
