アルムナイ採用とは? 元社員・退職者を再採用するメリットとデメリットまとめ


採用人事領域における「アルムナイ」とは、その企業を離職した元社員(退職者)を指します。従来では、離職した社員が同じ企業に復職するのは、女性の出産・育児からの復帰を除くと非常に珍しいケースでした。しかし最近では、元社員を「在職時の知見を持ちながら、退職後に新たな経験を重ねた貴重な人材」=アルムナイとして捉え、再び良い関係性を構築しようとする考え方があります。
 
アルムナイに注目することで、企業の採用人事にはどのような効果がもたらされるのでしょうか。アルムナイの定義やメリット、デメリットを整理します。

 
 

求人を掲載

お仕事をお探しの方は こちらから検索

アルムナイとは


アルムナイ(alumni)の語源は、「卒業生、同窓生、校友」を意味する英語「alumnus」の複数形です。企業にとっては、自社の退職者・元社員にあたる関係性の人材を指します。
 
これまでの日本社会では、一度退職した社員が同じ企業に戻ってくることはレアケースでした。しかし最近は、企業が元社員の能力を評価し、本人が希望すれば、再入社するケースが見られるようになりました。企業の中には、元社員を積極的に自社に迎え入れるために「アルムナイ制度」という名称で制度化する動きもあるようです。

 
 

◆アルムナイ制度の背景


これまで毎年の新卒採用で人材を確保してきた企業では、定年まで勤め上げる社員が多く、中途採用の知見はそれほど高くはありませんでした。ところが、転職が一般的な選択肢となりつつある昨今、若い世代を中心に退職者は少なくありません。そのため、雇用の流動化が進み、有望な中途社員をスムーズに採用したいという企業のニーズが生まれています。

 
 

◆ジョブリターン制度との違い


以前から、企業によっては「出戻り制度」「再雇用制度」「ジョブリターン制度」といった名称で元社員を再雇用する動きはありました。これらは一般的に、出産・育児や実家の手伝いなどやむを得ない事情で退職した人が復帰するための制度です。
 
アルムナイ制度が従来の制度と異なるのは、「自発的に退職を選択した人材」を対象とする点にあります。企業の事業内容や職場環境は、日々変化するものです。アルムナイの退職要因が現在解決されているのなら、再び自社とマッチするタイミングがあるかもしれません。

 
 

アルムナイ制度のメリット


アルムナイ制度を設けるメリットは、以下のとおりです。

 
 

◆自社をよく理解した人材を獲得できる


在籍経験のある人材ですから、初対面の応募者よりも基本的な企業理解が進んでいます。また、退職を経たことで「外からの目」を持って自社の強み・弱みを再認識することもあるでしょう。そうした新たな視点を業務に持ち込めば、自社の成長に貢献してくれることが期待できます。

 
 

◆採用や育成にかかるコストを抑えられる


広く応募者を集めて新たな人材を採用するには、それなりの時間とコストがかかります。キャリアや実績をしっかり吟味するなら、なおさら求人や選考過程に工夫を凝らす必要があるでしょう。しかしアルムナイであれば、直接声をかけたり会社説明会を省いたりするなど、これまでの関係性を生かした採用活動を展開できます。採用後の研修費用も抑えられるので、コスト削減にもなるでしょう。
 
さらに、たとえ本人の採用に至らなかったとしても、アルムナイと良好な関係を保っておくことで、以下のような効果が期待できます。

 
 

◆情報収集ができる


古巣の事業や理念をよく理解した上で、新天地で得た人脈や知見を提供してくれるかもしれません。自社にとっては頼もしい味方になるはずです。

 
 

◆顧客やパートナーになってもらう


業務提携や業務委託、パートナーシップの締結など、お互いにメリットのある新たな関係を結ぶこともあるでしょう。信頼できる仕事先になるほか、優良顧客になる可能性もあります。

 
 

アルムナイ制度のデメリット


アルムナイ制度を設けるデメリットを挙げてみましょう。

 
 

◆人事・賃金制度の再考が必要


勤続年数を基本給のベースに据える企業では、長年在籍する社員と比べてアルムナイ採用の社員を評定上どのように扱うかを検討する必要があります。ポジションや給料について、在籍経験を加味するのか、あくまで「中途入社の社員」として評価するのか、人事制度を見直してルールを整えなければいけません。

 
 

◆人事・賃金制度の再考が必要


アルムナイ採用で再入社した社員の給与は、以前の在籍経験をベースとするか、あくまで「中途入社の社員」として一から設定するかの選択肢が考えられます。年功序列的な賃金体系の企業の場合、給与とポジションについては本人と周囲の社員の双方に不満が生じないよう、特に慎重に検討する必要があります。アルムナイ人材の採用増を見込むのであれば、予め人事・賃金制度を見直してルールを整えた方がよいでしょう。

 
 

◆在籍社員の退職へのハードルを下げる可能性がある


アルムナイ制度を設置することで、「退職しても復職できる」という認識が社内に浸透します。それにより、在籍社員の退職に対するハードルが下がるかもしれません。ただし、退職や再入社についてどのような方針をもつのか、社内外にしっかり周知することができれば、自社のブランディングにつながります。

 
 

◆アルムナイが再び職場に馴染めるか


一度は職場を去った人材である以上、アルムナイの採用は慎重に行いましょう。何かしら事情や不満があって退職したのですから、その原因が未解決のままでは、双方にとって良い結果を生みません。また、アルムナイの魅力を周囲が理解し、互いに良い影響を与えられるかは、社内の受け入れ体制によって大きく左右されます。現場のスタッフやアルムナイ本人の意思を確認しながら人員配置を行い、適切なポジションを探しましょう。

 
 

アルムナイの存在が、新たな採用計画の鍵になる


退職した元社員を「アルムナイ」という新たな視点で捉えることで、採用の可能性が広がります。アルムナイとの関係性は、スムーズな人材確保だけではなく、コスト削減や情報収集など、さまざまな観点からもメリットがあります。アルムナイを再び自社に迎え入れる場合は、人事制度の見直しや職場の環境づくりに取り組み、アルムナイがスムーズに活躍できるようサポートしましょう。

 
 
 


監修:うたしろFP社労士事務所 歌代将也
TEXT:森夏紀
EDITING:Indeed Japan + ノオト

 
Indeedが人材募集を サポート スタートガイドのダウンロードはこちら 

準備はできましたか? 求人を掲載

*ここに掲載されている内容は、情報提供のみを目的としています。Indeed は就職斡旋業者でも法的アドバイスを提供する企業でもありません。Indeed は、求人内容に関する一切の責任を負わず、また、ここに掲載されている情報は求人広告のパフォーマンスを保証するものでもありません。