研究に基づく知見を採用活動に生かす「採用学」とは何か?

採用の抽象的なイメージ


自社にふさわしい優れた人材を効率的に採用するにはどうすればいいか。また逆に、優れた人材から選ばれる企業であるためには何が必要か。そうした採用に関する知見を科学的に解く「採用学」が注目を集めています。
 
では、採用の現場に採用学の知見を取り入れる上での注意点は何でしょうか? 採用学研究所の所長、伊達洋駆さんに解説していただきました。

 
 

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「採用学」とは何か?


採用活動とは、企業が応募者の中から人材を選ぶ機会であるのと同時に、応募者が就職先としての企業を選ぶ側面を持っています。そうした採用活動を学術的に研究するのが採用学です。
 
採用学は大きく2つの領域に分類できます。1つは、優れた人材を精度高く選考するにはどうすればいいかを探究する、セレクション研究。もう1つは、応募者から選ばれるにはどうすればいいかを探究する、リクルートメント研究です。
 
たとえばセレクション研究の対象に「面接」があります。面接で高い評価を得る傾向があるのは、明るく社交的な人物であることを科学的に突き止めたり、雑談ベースのカジュアル面接よりも、あらかじめ質問項目や評価項目を設定した「構造化面接」のほうが評価の精度が高いことが明らかになったりしています。
 
一方のリクルートメント研究では、応募者との関係の醸成に重点が置かれています。たとえば、応募者が企業の風土や環境に対して共感をおぼえることで、求人への関心が高まることが検証されています。
 
つまり、採用というものを曖昧な勘や印象だけに頼らず、学術的に紐解いて体系化することで、より効果的な採用活動を手助けするのが採用学の目的なのです。

 
 

「採用学」の歴史


採用学の歴史は意外と古く、とくにセレクション研究に関しては20世紀を通して研究が蓄積されています。その発端となったのは軍隊のセレクションです。主に心理学のアプローチに基づいて検討が積み重ねられてきました。
 
その後、多くの民間企業が活動するようになると、採用学の理論も適用範囲を広げていきます。日本の経営学においても、2010年代以降、採用に関する研究は増えています。そうした中で採用学研究所は、2013年に最初のイベントを実施しました。

 
 

「採用学」を採用の現場に取り入れる際の注意点


採用学の知識は少しずつ採用担当者の間で普及しています。昨今のような売り手市場では、とりわけリクルートメント研究が重視され、その知見にヒントを求める企業は少なくありません。
 
ただし、採用学を取り入れる際には、あくまでこれが一般論の傾向の一つであることを忘れてはなりません。面接の精度を上げる手法にしても、より多くの応募者を集める手法にしても、採用学が示すエビデンスは多くのサンプルから導き出されたものであることは事実ですが、それが個々の企業に必ず当てはまるわけではないのです。採用学を上手に活用するには、学術的な知見をあくまで素材として、自社の状況や条件に合わせてアレンジしていく視点が必要でしょう。
 
その点にさえ気をつければ、採用学を学ぶことは採用プロセスの改善につながり、入社後の人材の定着率や活躍にもつながるはずです。ぜひ今後の採用活動の参考にしてみてください。

 
 
 

<取材先>
採用学研究所 所長 伊達洋駆さん
株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役。神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。同研究科在籍中、ビジネスリサーチラボを創業。以降、企業をクライアントに、組織サーベイや人事データ分析などのサービスを提供している。著書に『人材マネジメント用語図鑑』(共著;ソシム)、『オンライン採用』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
 
TEXT:友清哲
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト


 
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