女性が活躍する職場とは? ダイバーシティ推進のポイント

女性が活躍する職場のイメージ

採用活動や人事制度において、女性の活躍をはじめとしたダイバーシティが求められています。「女性が活躍できる職場」とは、どのような環境なのでしょうか。ダイバーシティの実現を目指し、企業コンサルティングを行うWisH株式会社の清水美ゆきさんにお話を伺いました。

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女性活躍推進法とは

性別・人種など属性の違いを超えた多様な人材を採用する「ダイバーシティ採用」を行う企業が増えてきました。ダイバーシティ採用が進められる中で、「女性の活躍推進」を実施するケースも多く見受けられます。
 
2016年に制定された「女性活躍推進法」では、雇用主に女性の働きやすい環境づくりの推進を求めています。2019年の改定時には、「常時雇用する社員が301人以上の事業主」から「常時雇用する社員が101人以上の事業主」へと法律の対象者が拡大されています(※社員数が規定以下の事業主は努力義務)。
 
具体的に課せられる義務は「行動計画の策定・届出」と「情報の公開」。公開された情報は厚生労働省の「女性活躍推進企業データベース」に掲載されます。これにより、取り組みを行っていない企業が一目瞭然です。
 
遵守しないことに対する罰則規定はないものの、女性活躍推進に前向きな姿勢を見せないことは、ダイバーシティが求められる現代において、企業イメージを損ねる結果にもなりかねません。

 
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女性が活躍できる職場とは

女性が活躍できる職場は、女性が発言しやすい環境であることが大前提です。そのために企業側ができることは、まず女性社員の人数を増やすことでしょう。
 
たとえば、管理職会議のときに女性が1人しかいない環境では、空気を読む日本企業の社員の特性もあり、どうしても意見が言いにくくなってしまいます。私の経験則では、女性の割合が約3割まで増えれば発言しやすくなり、対話や意見交換も活発になると考えられます。
 
また、男性ばかりの組織よりもさまざまな角度や視点から意見やアイデアが生まれやすくなります。そういった意味でも、企業側にとってメリットです。さらに、女性の働き方のバリエーションが増えるので、より働きやすい環境になるといえるでしょう。

女性が活躍するために企業が取り組むべきこと

女性が活躍できる環境づくりのためには、女性社員数の増加が先決だとお伝えしました。とはいえ、自社に必要なスキルを身につけていない人材を「女性だから」という理由だけで採用するのは得策ではありません。
 
企業が採用において取り入れやすい施策としては、履歴書や応募フォームに性別記入欄を設けないことが挙げられるでしょう。性別で判断せず、能力の高い人材をフラットに採用できます。
 
ちなみに性別記入欄を省くことは、LGBTQ+の方に配慮したダイバーシティ採用の役割も果たしています。

取り組む際の留意点

女性活躍推進に取り組む際には、女性社員の意識向上を目指した人材教育も同時に進めることが大切です。
 
育児休暇制度や時短勤務制度といった仕組みだけでは、活用する女性社員の労働意欲が減退したり、制度に甘んじたりする方もいるかもしれません。制度を利用していない社員との間に溝が生まれるだけでなく、意欲のある女性社員までもが非難の対象となってしまい、うまく機能しなくなるケースが多いようです。
 
制度を設けたうえで、女性社員のモチベーションを保つためには、本人のキャリア意識を醸成するようなセミナーや研修を実施したり、上司の育成力を磨いたりすることが重要です。また、社内全体に向けて、偏見をなくすようなダイバーシティへの教育も必要でしょう。

 
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ダイバーシティ採用では「制度の整備」と「教育」が大切

既存のダイバーシティ採用では、制度の整備に重きを置かれがちでした。制度によって環境を整えることは重要ですが、うまく機能しなければ意味がありません。
 
女性の活躍推進をはじめとしたダイバーシティ採用においては、採用をされる側とともに、企業側の意識改革が求められます。制度の整備とともに、企業内の講座・セミナーなど、ダイバーシティを学ぶ教育の機会を増やしていきましょう。女性のみならず、全社員が働きやすい環境とは何かを考え続けることが大切です。


※記事内で取り上げた法令は2020年9月時点のものです。
 
<取材先>
WisH株式会社
代表取締役社長 清水 美ゆきさん
税理士法人、人材コンサルティング会社を経て、リ・カレント株式会社に入社。人材組織開発プロデュース部マネジャーとして営業職に携わる。女性活躍推進に関する相談を数多く受けてきた経験を活かし、その課題に取り組む専門の部署WisH事業部を立ち上げる。その後、事業部を独立させ、2013年9月リ・カレントの関連会社としてWisH株式会社を設立。代表取締役に就任。また、社外においても、自分らしく輝く女性を育成するためのセミナー等を開催。心(思考)・食・身体の3つのアプローチから、悩める女性を「輝き女性に変える」オリジナルプログラムを展開し、約2年で1000名以上が受講。全国各地でのセミナーや講演を行っている。
 
TEXT:佐々木ののか
EDITING:Indeed Japan + 成瀬瑛理子 + ノオト

 
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