Indeed の7人のエコノミストが語る世界の採用動向とは?

By Indeed

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Indeed の7人のエコノミストが語る世界の採用動向とは?

国際的な人口移動の傾向からAIの影響まで、2024年に知っておくべきことをご紹介します。

キーポイント

  • 世界の労働市場は依然として厳しい状況ですが、新型コロナウイルス収束後の非常に活発な採用活動が落ち着くのに伴い、状況は緩和し始めています。 
  • オーストラリアとカナダへの移民の流入増から、ドイツの労働人口維持の難しさまで、各国の経済は今後も人口動態の推移に影響を受け続けます。
  • 求職者にとって賃金は重要ですが、柔軟性や企業文化、スキルアップ、給与の透明性などを求める声も高まっています。
  • 世界各国でAIによるディスラプション(新しいテクノロジーによる既存産業の破壊)の兆候が表れており、人事担当者は新たな課題に直面すると同時に、予想外の新しい機会が労働市場にもたらされています。

この記事は、英語で書かれた記事を日本語に翻訳したものです。オリジナル版のリンクやデータについては、翻訳上の編集などを行っておりません。

2023年は、世界の労働市場に変化が起きた年でした。ハイブリッド勤務やリモート勤務が新しい日常となり、職場では生成AIが台頭し、私たちは人間の労働が果たす真の役割とは何かを考え直すことを強いられました。 

Indeed の経済研究部門である Indeed Hiring Labは、求人掲載や履歴書、ユーザー行動など、Indeed のサイト全体で数百万のデータを分析し、世界の労働市場のトレンドを調査しています。Hiring Labのエコノミストは世界中の採用トレンドや給与情報、人気のスキル、注目されている採用企業の福利厚生など、世界の労働市場の状況に関する分析を行い、報告しています。 

私たちはHiring Labの7人のエコノミストに話を聞き、2024年に採用企業と求職者が想定すべきことについて、各地域の状況を明らかにしました。 

米国:採用企業は人材について視野を広げる必要がある

Nick Bunker、Economic Research Director for North America、アメリカの労働市場担当

状況:昨年、エコノミストの多くが、米国の景気後退はいつ起きるかは分からないとしても、起きるのは確実だと考えていました。しかし、実際には景気は後退しませんでした。GDPは年率で5%以上アップし、失業率は4%未満で、歴史的に見ても低い水準です。Indeed の測定では求人掲載数が低下していますが、それでもコロナ禍前の水準より26%増となっています。これは、実に堅調な労働市場だと言えます。

業種を問わず、AIが仕事に及ぼす影響について判断するのはまだ早すぎるかもしれませんが、Indeed の調査によると、生成AIの影響を最も受けやすい仕事はソフトウェア開発であることが示されています。これまで長い間、「時代に取り残されることを心配するなら、コーディングを学びスキルアップをすべきだ」と言われてきました。今や、ChatGPTが代わりにコードを書いてくれるため、コードが書けなくても問題ありません。つまり、AIによるコーディングが可能になった今、ソフトウェア開発の仕事はリスクにさらされています。

注目ポイント:米国の労働市場は2023年よりも制約が少なくなっていますが、競争は非常に激しいままです。こうした状況で採用企業は、採用を検討する人材の幅を広げる必要があります。たとえば、2023年の素晴らしい実例の1つは、障害のある人たちの労働参加率がこれまでにない伸びを見せたことです。これはリモート勤務のおかげであり、配慮を必要とする従業員が働きやすくなったことが一因です。ここには採用企業にとって明らかな教訓があります。仕事をこなすことができるのに、候補者に含まれていない人材がいるということです。 

イギリス:AI関連のディスラプションに対して従業員の準備を整える

Jack Kennedy、Indeed Hiring Lab Senior Economist、イギリス・アイルランドの労働市場担当

状況:イギリスでは、AI関連のディスラプションが始まっていますが、組織の多くはAIをどのように事業運営に導入し、統合するのが最適かを未だに模索しているところです。2024年以降、AIの影響はさらに大きくなることが予想されます。カスタマーサポートなど一部の職種で採用を止め、そうした仕事をAIツールに置き換える計画を立てている企業もあると聞いています。同時に、生成AIツールの作成に関連する職種の求人掲載数が爆発的に伸びています。現時点で、労働市場全体に占める割合は非常に少なく、Indeed 上の全求人投稿の0.1%未満ですが、2023年の始めにはこの数値は実質ゼロでした。生成AIに関わる職種が求人全体の大きな割合を占めるようになるまでに、それほど時間はかからないでしょう。

注目すべきポイント:イギリスで主力業務の運営にますますAIが統合されていくのに伴い、ディスラプションは顕著になる傾向にありますが、これはまた多くの機会にもつながります。AIツール作成に関わる求人が増えることに加えて、このテクノロジーの可能性を活用する、まったく新しいタイプの職種も生み出されるでしょう。労働市場の極めて急速かつ多大な変化の時期に向けて、労働者は適切な準備を整える必要があります。特にデジタル分野で企業が提供する人材の定着とスキルアップの機会は、移行期にうまく対応できるよう従業員を支援するための鍵となります。

ドイツ:AIが人手不足を解消する可能性

Dr. Annina Hering、Indeed Hiring Lab Senior Economist、ドイツの労働市場担当

状況:2023年を通してドイツの経済情勢は非常に厳しく、2024年の経済予測ではGDPの成長率が低くなることが予想されています。経済は先行き不透明であり、人口動態の変化の結果として何年もの間、人手不足が続いてきました。ベビーブーム世代は労働市場を離れ、欠員を補充するのに十分な数の若い世代の人々が市場に参入していません。また、定年退職の年齢より前に労働市場を離れるという傾向も見られます。

それに加えて、労働人口を一定に維持するのが困難です。移民は1つの解決策ですが、ドイツが年間40万人の純移動(移入民数と移出民数の差)に到達するためには、毎年150万人の移動が必要です。他国からの労働者を獲得することが鍵ですが、特に言語の障壁があるため、採用企業にとっては大きな課題となります。これは今後5年にわたって、引き続き問題となる可能性が高いと言えます。

注目すべきポイント:AIは、ドイツの技能労働者不足に対して実施可能な解決策を提供できるかもしれません。生成AIが一部の職種やタスクを拡張または自動化できる場合、企業はより少ない従業員でより多くを達成できます。ドイツで募集中の求人数を考えると、AIは現地の労働市場を変革するような影響を与えることも可能でしょう。

オーストラリア:人材獲得のためにハイブリッド勤務の柔軟性を維持する

Callam Pickering、Indeed Hiring Lab Senior Economist、オーストラリアの労働市場担当

状況:オーストラリアでは、AIの影響は比較的小規模です。実際、AI分野の労働者需要は縮小しており、全求人に対してAIに言及する求人掲載はピークの3.7%から、約2.3%に落ち込んでいます。これは、過去1年間にわたり、オーストラリアにおいてはテクノロジーが堅調な分野ではなかった事実を反映しています。しかし今後数年で、AIは成長分野になることが予想されます。

テクノロジー分野が伸び悩んでいるものの、オーストラリア全体の労働市場は非常に競争が激しくなっています。2023年末までに、Indeed の求人掲載数はコロナ禍前の水準より84%アップし、米国(約26%)やイギリス(約8%)の伸びを大幅に超えました。それと同時に、オーストラリアの15歳以上の人口は前年比で3%増となり、少なくとも過去45年間で最大の増加率で、米国、イギリス、カナダを大幅に超えています。これは、コロナ禍後にオーストラリアに戻った人々を反映していることが一因ですが、採用活動を極めて困難にしている、広範囲のスキル不足に対処するために移民の数を増やすという意思決定の影響もあるでしょう。 

注目すべきポイント:生産年齢の移民の流入にもかかわらず、オーストラリアの労働市場は過去半世紀と同様に厳しいものになっています。採用企業はそのことを念頭に人材を獲得し、維持する必要があります。かなりの数の企業がリモート勤務を廃止しましたが、企業側が対応したくないためとはいえ、これは間違いです。週に4日または5日のオフィス勤務を義務付ける企業は、人材をめぐる競争が激しい市場で、明らかに不利な立場になる可能性があります。 

フランス:AIが生産性の問題を解決する可能性

Alexandre Judes、Indeed Hiring Lab Economist、フランスの労働市場担当

状況:コロナ禍後のフランスでは、120万件の求人が創出されました。2019年末に比べ、現在はフランスの民間企業での求人が6%増加しています。しかし、全体的な生産量の増加は、1.7%のみでした。これは、先進国中で最も大きな労働生産量の低下にあたります。この低下の一因は、新たに創出された求人の約3分の1が、アプレンティスシップ(フランスの企業における見習い訓練制度)の受講者を対象としたものであることです。この制度を利用する労働者が、平均的な労働者の生産性水準に到達するまでには、ある程度の訓練期間が必要となります。

今年は、フランスの労働市場にとって転換点となる可能性が高いでしょう。政府は、特に就業を促進するための改革を実施することで、継続的な失業率の低下を目指しています。企業は生産性の回復を求めています。求人の応募者は引き続き、コロナ禍後の時代は明らかに自分たちにとって有利な状況に変化したと確信し、自分たちが持つ交渉力を注視し続けるでしょう。 

これにより、モビリティ(リモート勤務と住宅入居の機会を提供する)とトレーニング(見習い制度を提供し、年齢の高い労働者を再教育する)など、構造的な課題に真剣に注意を払う必要性が生じています。デジタル化も重要な要素です。調査対象のすべての国の中で、フランスはAIやAIスキルに言及する求人投稿が一番少ない国です。AIは実際に失われた生産性の一部を取り戻す方法にもなるため、これは残念なことだと言えます。 

(編集者の注記:Indeed のAIに関するグローバル調査によると、フランスの回答者は職場のAI利用に関する不安が最も大きく、人事・採用担当者の25%と求職者の30%が、AIに対して懸念を感じていると回答しています。)

注目すべきポイント:フランスの生産性低下は、企業の利益に影響を与え、賃金を上げて人材を獲得するのが難しくなります。企業は利益を回復させなければならないため、採用活動をあまり行わなくなり、一部の仕事や職種をカットすることになるでしょう。また、企業は、AIや新たな管理手法が生産性の向上にどう役立つかを検討する必要もあります。

日本:求職者は具体的な情報を求めている

Yusuke Aoki、Indeed Hiring Lab Economist、日本の労働市場担当

状況:過去10年間にわたり、日本は深刻な人手不足であり、依然として企業が雇用のニーズを満たすのは非常に困難です。昨年、海外に渡る労働者数が増加しましたが、これは日本では賃金が十分に上がらないことが一因です。しかし、もっと重要なのは、円安が続いているためです。一時的なことかもしれませんが、今日、日本の労働市場からこれまで以上に海外への人材流出が増えており、この動向は2024年も継続するでしょう。他国からの労働者の獲得が鍵ですが、言語の障壁や地理的な要因などの通常の課題に加えて、日本に対する関心が高まっていないという問題もあります。これは、企業にとってより大きな課題だと言えます。

他の地域とは異なるのが、日本には企業ベースの採用システムがあるという点です。つまり、求職者は職種よりも企業で応募先を選び、企業は従業員の配置を人員のニーズに基づいて行います。しかし現在、若い世代は自分自身のキャリアパスを選択することを望み、グローバルな人材採用システムと方向性が一致する構造的な変化が起きています。一部の企業では、職種ごとの仕事内容に基づくジョブ型採用に移行する動きもあり、私たちは日本での Indeed のサービスを充実させることで、採用企業がスキルの要件を共有しやすくなるようにしています。

AIに関しては、日本では米国よりも仕事のディスラプションは少ないと考えられますが、その理由は業界の構成によるものです。日本は製造業、小売業、医療サービスで世界最大のシェアを占めていますが、それらすべては対面によるつながりと人間の判断を必要とするものであり、AIによって置き換わる可能性は低いと言えるでしょう。 

注目すべきポイント:ジョブ型雇用に移行する日本企業が増えるのに伴い、求人内容に給与の透明性などの具体的な情報を含めることで、人材獲得競争に有利になる可能性があります。その職種で採用されることで、どのくらい給与が上がるかを求職者に伝えることは、特に若い世代の労働者にとっては非常に重要です。 

カナダ:移民の急増

Brendon Bernard、Indeed Hiring Lab Senior Economist、カナダの労働市場担当

状況:カナダの労働市場に関する大きな話題は人口の増加であり、ここ何十年で最速のペースで人口が増加しています。これは、他国からの移民の流入によるものであることが、Indeed 上でも明らかです。2019年の第3四半期に、Indeed 上でカナダの求人掲載をクリックした求職者のうち約6%が、国外の求職者でした。そして2023年の第3四半期には、この割合が14%に急増しました。人口の増加は、非永住の就労や学生ビザでカナダに来る人々によるもので、一部の企業は人材を補充できた可能性があります。しかし、労働者需要の低下と、政策の変更により、2024年には労働供給が拡大するペースが落ちるかもしれません。 

カナダの企業は、米国の企業に比べ、最新のテクノロジーである生成AIの導入が遅れています。中期的には米国と同程度となり、企業間での競争も激化すると思われます。AIを効果的に取り入れる企業が競争を制することになるでしょう。

注目すべきポイント:カナダの採用企業は、ある職種をより良い条件にするために、あらゆる要素を意識する必要があります。給与や福利厚生だけでなく、他にも大切な要素がたくさんあります。たとえば安定性や柔軟な勤務時間、キャリアアップの機会、企業文化などは、採用プロセスでも日常業務においても最優先に考えることが求められます。 

すべての労働市場について最も重要なポイント:型にはまらない考え方をする

2024年に人材をうまく獲得して維持するには、適応力と発想力が欠かせません。採用活動が容易になっても、求職者の希望条件を軽視しないことが大切です。求職者が何を求めているかを理解することが鍵となるため、既存の従業員や求職者の意見に耳を傾け、従業員による報酬以外のニーズにどう応えていくのか、幅広く検討することをお勧めします。また、AIがあらゆる面で採用企業のビジネスに影響を及ぼしつつあることを理解する一方で、こうした流れがどのような変化に結び付くのかは正確には分かっていません。AIに関するトレンドとテクノロジーの発展を常に把握することで、競争相手の一歩先を行くことが可能になります。

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