面接後に辞退される原因は?
求職者から選考辞退や内定辞退をされた場合、新卒採用/中途採用ともに、3つの原因が考えられます。
◆情報提供(動機付け)不足
学生は「やりたい仕事ができない」「社風が合わない」と判断したときに、中途採用の場合は「その会社で働く自信がなくなった」と感じたときに、辞退という選択をするケースが挙げられます。これは面接を通じて、求職者が知りたい情報を提供できていないことが原因だと考えられるでしょう。主に、入社に際して心配していることをヒアリングして、事前に不安を解消できていないために起きると考えられます。
採用活動の成功は、恋愛に例えると「相思相愛」になることを指します。求職者の見極めも大切ですが、自社について知ってもらう努力も必要なのです。
◆面接での対応
面接官が意識していなくても、つい上から目線を感じさせる態度をとってしまったり、素っ気ないと感じさせてしまったりすることで、辞退に繋がることがあります。特に、他社が面接でポジティブな印象を与えている中で、自社の面接官が求職者にネガティブと感じさせるような態度をとってしまうと、比較によってよりマイナスの印象を残してしまうのです。
◆ネット上の情報
ネット上には、求職者向けの口コミサービスをはじめとした様々な情報が溢れています。どれだけ面接で好印象を与えたとしても、求職者が口コミ情報から意図せぬ不安を感じてしまえば、辞退に繋がることも考えられます。仮に現在、ネット上にネガティブな情報が多く書かれている場合は、早急に何かしらの対策を考える必要があるでしょう。
面接現場以外でも実施可能なコミュニケーション
面接という限られた時間以外でも、求職者の求めるコミュニケーションをとることで、入社への動機付けにつなげたり、不安を解消したりできることもあります。主なコミュニケーション方法としては、次の4つがあげられます。
- メール、ショートメッセージ、LINEなどの文字コミュニケーションツール
- 電話
- 面談(オンライン/対面)
- 採用サイト、口コミサイトなどのオンラインコミュニケーションツール
1や2は、文字や口頭で個別に状況を伺うコミュニケーションの方法です。
3つめの「面談」は、選考には関係なく交流する場を設けるコミュニケーションです。それまでの面接で感じた印象や、不安に感じたことをざっくばらんに話してもらうことを目的とします。レストランで食事会をするなど、オフィス以外の場所を設定することで、よりフランクな雰囲気を作り出すこともできるでしょう。
情報提供不足やネット上の評判が辞退の大きな理由に繋がっている場合は、4つめの「採用サイト、口コミサイト」でのコミュニケーションが大切になります。現場のイメージが掴みづらいと感じさせている場合、社風や職場環境、現場社員の声を積極的にネットに上げることで、面接では足りない情報を補う手助けになります。
選考中にコミュニケーションをとる際の注意点
注意点としては、大きく2つあります。
◆選考後、間隔を開けずにフォローを行う
面接後に時間が空いてからの連絡では、他社との面接が間に挟まることなどにより、入社に対するモチベーションが下がってしまう可能性があります。「鉄は熱いうちに打て」というように、面接で入社への気持ちが高まっているうちにコミュニケーションをとったほうが効果的でしょう。
また学生の場合は、定期的に面談や座談会を設け接点を作り続けることで、内定ブルー(本当にこの選択でよかったのか不安に感じて落ち込む状態)の防止にも繋がります。
◆相手の状況を踏まえて、柔軟に対応する
特に在職中の求職者は、仕事をしながらの転職活動になるため、企業から連絡をとり過ぎると対応しきれなくなる可能性があります。フォローの頻度や内容、時期については、相手と相談しながら柔軟に行うようにしましょう。
どのコミュニケーションも、あくまで「手段」であり「目的」ではありません。何のためにコミュニケーションをとるのか、目的を明確化させてから行うようにしましょう。
<取材先>
株式会社新経営サービス 経営支援部 コンサルタント大園羅文さん
現在は、中小企業を対象とした人材採用支援、若手人材の定着・即戦力化支援、人事制度の構築・運用支援に従事。特に、「人材採用力の強化」を得意テーマとしており、『採用活動に時間やコスト・労力を割けない』等の中小企業独自の課題に寄り添った支援を通じて、顧客とともに“勝つべくして勝つ”採用活動を展開。
TEXT:ミノシマタカコ
EDITING:Indeed Japan + 波多野友子 + ノオト