「オンライン」でのチームビルディング 効果的な研修や注意すべきことは?

手を重ねているイメージ

コロナ禍をきっかけに、オンライン化が急速に進む中で、チームビルディングを行う際に注意すべきことがあります。オンラインでのチームビルディング特有の課題を、大手企業の採用・人事責任者を経験してきた、株式会社人材研究所・代表の曽和利光さんに伺いました。

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チームビルディング=「集団」から「チーム」へ

 

◆チームビルディングとは

「集団」を「チーム」へと変えていくことをチームビルディングと言います。ここでの「チーム」の定義は、メンバーがお互いに役割分担を持ち、1つの目標に向かって、みんなで力を合わせながら進んでいく組織のことです。
 
新人が入社して配属されたからといって、自然とそこに「チーム」が誕生することはありません。あくまで、その空間に人が集まっているというだけでは、多数の人間がただ存在するというだけの「集団」でしかないのです。
 
「チーム」を築こうとした場合、意識的にメンバー間で理解を深め、組織の方向性と自身の価値観をフィットさせていく必要があります。そのためには、メンバー同士で、性格、能力、価値観を理解し、それぞれに対して興味、関心を持つことで相互理解を生むことが重要となります。
 
この相互理解こそがチームビルディングにとっての根本です。「このメンバーで物事をすすめていきたい」という気持ちが生まれ、さらにはお互いを助け合う精神が育まれることで、組織のパフォーマンスを向上させることにつながるのです。

 

オンラインでのチームビルディング研修で重要なのは言語化すること

 

◆コミュニケーションにおける非言語情報の重要性

人間は、お互いを理解する際に多くの非言語的なものに頼っています。
 
情報は言語で伝えますが、感情の部分は相手の表情を敏感に読み取ったりすることで理解をするため、オンラインだとあうんの呼吸や以心伝心が機能しづらくなります。そのため、オンラインのチームビルディングでは、丁寧に時間をかけて非言語情報をしっかりと言語化していく必要があるのです。
 
言語化が求められるオンラインでのチームビルディングの研修で、導入をおすすめしたいのが「濃い自己紹介」です。
 
オフラインでの研修の場合、自己紹介では、せいぜい「自分のことを3分で説明する」という簡単なものが主流でした。しかし、オンラインのコミュニケーションで3分では、本当にわずかな情報しか伝えることができません。非言語で伝わらない情報を補うためにも、「自分の人生を1時間で紹介する」など、時間をかけて「濃い自己紹介」にする必要があります。
 
時間が長いように思われるかもしれませんが、オンラインでは、普段は言語化していないものも意識的に言語化して伝える必要があるので、このくらいの時間や濃さが必要となります。また、相手の自己紹介をじっくりと聞くということは、他者への理解、つまりチームビルディングの根本である相互理解を深めることに繋がります。

 

オンラインでオフラインの手法をそのまま再現するのはNG

オンラインでのチームビルディングで一番注意すべきことは、オフラインで普段行っているチームビルディングの手法を、そのままオンラインで再現しようとしないことです。オンラインとオフラインでは前提の条件が違うので、「集団」から「チーム」を築くことができず、生産性を著しく減少させることに繋がるでしょう。


<取材先>
人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光さん
京都大学卒業後、リクルートに入社。人事部のゼネラルマネージャーとして培ったスキル・ノウハウと、2万人の面接経験を融合しワンランク上の人材を採用する独自手法を確立。その後、大手生命保険会社などで一貫して人事領域で活躍し、2011年に株式会社人材研究所設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新聞社)などがある。
 
TEXT:大久保太郎
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ+ ノオト

 
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