応募者の内定が決まったあとに必要な「労働条件通知書」の作り方


度重なる会社説明会や面接を通して、希望の人材を採用できた――。採用難といわれている昨今、長い採用活動を経て内定者に採用通知を送ることができれば、人事担当者はほっと一息つきたいところでしょう。しかしながら、採用通知を送ってから実際に働いてもらうまでに、人事担当者が済ませておかなければいけないタスクがあります。その一つが、「労働条件通知書」の作成です。
 
「労働条件通知書」とは、いったいどんなものなのでしょうか。法律の規定や作成方法についてまとめます。

 
 

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労働条件通知書とは


「労働条件通知書」とは、雇用者側から労働者に労働条件を通知する書類のことです。
 
労働基準法第15条第1項では、労働者を雇用するときに労働条件を明示することが義務づけられています。労働条件を明示せずに雇用した場合は違法となり、労働基準法第120条の規定により、30万円以下の罰金が科せられます。
 
給与など主要な労働条件については、すでに面接時に口頭で伝えているケースがほとんどでしょう。その場合も、就労前に「労働条件通知書」を作成して労働者に渡す必要があります。労働条件通知書を作成するべき理由は2つ。1つは、明示すべき労働条件の中に「書面での明示」が必須とされている項目があるから。もう1つは、就労前に労働条件通知書を渡すことで、就労後のトラブルを未然に防ぐためです。

 
 

労働条件通知書の「絶対的明示事項」と「相対的明示事項」


労働条件の中には、労働者に必ず明示しなくてはならない「絶対的明示事項」と、定めがある場合に明示しなくてはならない「相対的明示事項」があります。就労後のトラブル防止のために、労働条件通知書には、書面での明示が義務付けられている項目はもちろん、それ以外の項目についても記載することをおすすめします。

 
 

◆絶対的明示事項


(1)契約期間に関すること
(2)期間の定めがある契約を更新する場合の基準に関すること
(3)就業場所、従事する業務に関すること
(4)始業・終業時刻、休憩、休日などに関すること
(5)賃金の決定方法、支払時期などに関すること
(6)退職に関すること(解雇の事由を含む)
(7)昇給に関すること
 
※労働基準法施行規則第5条により(1)〜(6)は、書面での明示が義務付けられている。

 
 

◆相対的明示事項


(1)退職手当に関すること
(2)臨時的に支払われる賃金、賞与、最低賃金額などに関すること
(3)食費、作業用品、その他の負担に関すること
(4)安全衛生に関すること
(5)職業訓練に関すること
(6)災害補償、業務外の傷病扶助に関すること
(7)表彰、制裁に関すること
(8)休職に関すること
 
なお、絶対的明示事項と相対的明示事項のうち、就業規則で定めている項目は、具体的にどの部分が適用されるかを労働者に示したうえで就業規則を渡しておけば、該当項目の記載を省くことができます。
 
加えて、長らく「書面での明示=紙に印刷した書類での通知」に限られていましたが、2019年4月から労働者が希望した場合には電磁的方法での通知も可能になりました。理由は、雇用に関する各種書類のIT化が進んでいるからです。ここでいう「電磁的方法」とは、労働条件の書かれたファイルをメールや、LINEやSNSのメッセンジャー機能で添付して送信することなどを指します。

 
 

業種別フォーマットの探し方


労働条件通知書は、定められた項目が明示されていれば、自由な形式で作成できます。自分で作ることに不安がある場合は、厚生労働省または各地方労働局が配布しているフォーマットを使うとよいでしょう。
 
▼厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー」労働基準法関係主要様式

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/
 
▼東京労働局「様式集」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/hourei_youshikishu/youshikishu_zenkoku.html
 
 

労働条件通知書は、企業にも労働者にもメリットがある


労働条件通知書の作成は、法律で義務付けられているため、避けることはできません。労働者一人ひとりに書類を作成するのは大変かもしれませんが、事前に労働条件の合意を取っておくことで、労働者が安心して働ける職場づくりにつながったり、万が一トラブルになったときは解決の糸口になったりもします。本稿を参考に、労働条件通知書の作成に取り組んでみてください。

 
 
 

※記事内で取り上げた法令は2020年3月時点のものです。
 
監修:うたしろFP社労士事務所 社会保険労務士 歌代将也
TEXT:水上歩美
EDITING:Indeed Japan +ノオト

 
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