様々な働き方をする社員の従業員エンゲージメントを高める方法


従業員の企業に対する貢献意欲や会社との相互理解・相思相愛の度合いを表す「従業員エンゲージメント」。様々な働き方をする社員の従業員エンゲージメントを高める方法を社リンクイベントプロデュース ファシリテーターの広江朋紀さんに聞きました。

 
 

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働き方と従業員エンゲージメントの関係


従業員エンゲージメントを高めるにあたって、まずは契約形態や働き方によって次の課題があることを認識する必要があります。

 
 

◆パート、アルバイトなどの非正規雇用(契約形態)


学業や本業との両立など個々の事情を抱えている場合もあり、企業との関わり方が正社員とは異なります。そのため、正社員と同じアプローチをしても従業員エンゲージメントの向上は期待できない可能性があります。
 
また、会社が従業員に仕事の全体像や前後の流れを説明しないまま業務の一部分を依頼するケースも多いため、自分の仕事がどう会社の役に立っているのか、顧客への貢献にどうつながっているのかが従業員に見えづらいこともあります。

 
 

◆リモートワーク(働き方)


通勤時間の削減や育児・介護に携わる従業員の雇用継続などのメリットがある反面、従業員同士の物理的・心理的な距離が生じるデメリットがあります。コミュニケーション不足やマネジメントの機能不全に陥った結果、従業員エンゲージメントの低下につながる可能性があります。

 
 

従業員エンゲージメントを高める前に企業がすべきこと


従業員エンゲージメントを高めるにあたり、まずは以下の2点を把握しましょう。

 

  • 従業員が自社に何を求めているか
  • 自社の従業員エンゲージメントが今どういう状態にあるのか


外部企業が作成する診断ツールなどを利用して、自社の従業員エンゲージメントを可視化する方法があります。診断ツールを導入するのが難しい場合は、下記の「従業員エンゲージメントに影響する要素」を参考に「自社が従業員にとって魅力的かどうか」を客観的に見ることが大切です。

 
 

◆従業員エンゲージメントに影響する要素

 

  • 目標
    理念、ビジョン、戦略、成長性、ブランド
  • 活動
    事業内容、仕事内容、商品サービス
  • 組織
    組織風土、人材、経営陣
  • 待遇
    給与、福利厚生、就労実態

 
 

従業員エンゲージメントの高め方


従業員エンゲージメントを高めるには、次の方法があります。

 
 

◆感情報酬を満たす


企業への貢献度合いや成果に応じて給与や待遇を見直すことは大切ですが、金銭報酬は無尽蔵に提供できるものではありません。
 
従業員エンゲージメントを高めるためには、金銭報酬に加えて感情報酬を満たし続けることが重要です。具体的な方法は、以下の通りです。

 

  • その人の仕事が組織にどう貢献しているのかを伝える(例:顧客の反応を伝える)
  • 感謝の気持ちを伝える(例:表彰式を設ける)
  • 仕事の頼み方を工夫する(例:業務を担当することで、その従業員がどのようなスキルを身につけられるのか、仕事の目的などを説明する)


特にパートやアルバイトの非正規雇用の従業員は全体の流れを把握できないまま業務の一部を担うケースも多いため、「自分の仕事が組織にどう役に立っているのか」を伝えることはとても重要です。

 
 

◆組織の理念やビジョンを共有する


イントラネットや社内報などを使って、従業員に「自分も会社の未来に関わっている」と感じてもらうことを目的に事業主が定期的に企業理念やビジョンを発信しましょう。
 
ただし、事業主と従業員には視座の違いがあります。

 

・事業主


全体を俯瞰し中長期的な見通しをするが、現場の具体的な活動を見ることはできない

 

・従業員


担当業務の課題や月次の自分の目標などを把握しているが、会社全体を俯瞰する視点は持たない
 
このように両者は見ている景色が異なります。事業主が発したメッセージを従業員に伝えるためには、以下のステップを踏みましょう。

 

  • 各部門のリーダーがそれぞれの業務に置き換えて現場に伝える
  • 従業員からの意見を聞き、双方がすり合わせを行う


現場のリーダからの翻訳とコミュニケーションを通じて、従業員が「組織が描くビジョンを実現するために、自分に何ができるか」を考えられるようになります。

 
 

◆「キックオフ」「ワークショップ」など非日常の「場」を活用する


企業にとって成長の節目となり、対面でもオンラインでも実施できるイベントを活用しましょう。イベントには、全社で開催する「社員総会」「表彰式」と部署・部門単位で実施できる「キックオフ(事業や行事を開始すること)」「ワークショップ」があります。
 
従業員にとって非日常を感じられる「場」を意図的に設計することで、従業員の仕事への意欲や誇り、仲間との親密度など、従業員エンゲージメントを高められます。
 
ここでは、リモートでもできるキックオフの一例を元に解説します。
 
1. オノマトペ チェックイン 「オノマトペで今の気持ちを表現」
リーダーの挨拶のあとに、全員がチャットで今の気持ちをオノマトペ(※1)で表現。従業員の緊張を緩和させ、参加意欲を高める効果があります。
例:わくわく、ざわざわ、どきどき など
 
※1 音や声、物事の状態や動きなどを音(おん)で象徴的に表した語
 
2. 顧客からの声を撮影した動画を流す
普段から親しくているクライアントに「自社の期待や感謝、要望」などの声を聞き、次の方法で事前に録画、またはデータを送ってもらいます。

  • Zoomなどのオンラインミーティングツールで録画する
  • スマートフォンで撮影してもらい、データを送ってもらう

動画を流すことで「仕事や自分たちの存在価値を見える化」し、直接顧客と接していない従業員にもつながりを意識してもらう目的があります。顧客からの声をもらうことは難しく感じるかもしれませんが、Zoomなどのオンラインミーティングツールの録画の許可をもらうことができれば、比較的実施しやすいでしょう。
 
3. 今期戦略方針の伝達
リーダーによる今期の展望、戦略、注力ポイントを明示します。
 
4. ブレイクアウトセッションで対話
Zoomには、全員が参加している「メインルーム」から参加者を参加者を少人数のグループわけられる「ブレイクアウトルーム」機能があります。それを使い、リーダーが発した内容や2で流した動画について、従業員が咀嚼するための時間を設けます。
 
5. 全体で対話
ブレイクアウトセッション終了後にメインルームに戻し、気づきや疑問があれば、全員で対話します。
 
6. チェックアウト(漢字一文字)
3でリーダーが明示したビジョンを自分ごと化するために、従業員が自身の今期の意気込みを「漢字一文字」で宣言します。チャットで長々と文章を投稿するよりも、漢字一文字の方がシンプルで記憶に刻まれやすい効果があります。
 
ここで肝心なのが、以下の2つです。

  • 最初と最後に「チェックイン(時間を決めて隣の人と話をしたり、テーマを設定してコメントをしたりすること)」と「チェックアウト(参加者全員が今日の議題に関する自分なりのまとめや感想、意気込みを話すこと)」を設け、参加者に主体性を持たせること
  • 個々の認識のずれを防ぐために、イベントの合間に対話の時間を複数回設けること


キックオフに限らず、イベントを実施する際には、次のことに注意しましょう。
 
・心理的安全性が高まる場を開く
イベントを行う前には「嘘をつかない」「批判しない」など、グランドルールを設けることで心理的安全性を担保でき、対話の質が高まります。
 
・場当たり的に行わない
企業活動に計画的に組み込むことで、イベントの効果を持続させ、従業員エンゲージメントの高い状態を保つことができます。
 
オンラインの場合は以下の特性も活用でき、工夫次第で対面よりも内容の濃いイベントを実施できます。

  • 全国各地にいる従業員とつながることができる
  • チャットを活用して、参加者が気づきや感想を伝えられる
  • 瞬時に情報の送信ができる
  • 投票、開示をリアルタイムで行える

 
 

◆従業員一人ひとりの業務を「見える化」する


従業員が業務に過度にエネルギーを注ぐあまり、疲弊して抑うつ状態に陥り、仕事への興味や関心が低下することがあります。
 
それを防ぐには、従業員一人ひとりの業務を棚卸して見える化することが欠かせません。その人にとって適正な仕事量を保つだけでなく、チームで仕事を整理でき、仲間との信頼関係を築くことにもつながります。
 
一例として、チームの仕事を棚卸しするには「ERRC」のフレームワークを活用できます。

 

・ERRCの4つの頭文字

 

  • 取り除けること(Eliminate)
  • 完全に取り除くことはできないけど、減らせること(Reduce)
  • 今後増やしたいこと(Raise)
  • 今はないけど、新しくつくりたいこと(Create)

 

・「ERRC」のステップ

 

  1. 紙に線を引き、「Eliminate」「Reduce」「Raise」「Create」の4つに区切る
  2. 付箋に「ERRC」に当てはまる内容を書き、それぞれ紙の該当箇所に貼る
  3. 付箋に書かれた内容についてチームのそれぞれが意見を出し合い、合意形成をしながら業務をコントロールできる状態にする


リモートワーク環境でも付箋を貼るツールを活用すれば実施可能です。これらを定期的に行うことでチームの仕事を整理でき、一人が業務を抱え込むことを避けられます。
 
従業員エンゲージメントが向上しても、一過性のものでは意味がありません。イベントの効果を持続するための工夫をするなど、会社と従業員の双方にとっていい状態を保つことが大切です。
 
参考:『エンゲージメントを高める場のつくりかた』(同文舘出版)

 
 
 

<取材先>
株式会社リンクイベントプロデュース ファシリテーター 広江朋紀さん
 
TEXT:畑菜穂子
EDITING:Indeed Japan + 南澤悠佳 + ノオト


 
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