カジュアル面談のメリットと注意点

面接をする男性のイメージ

応募者との親睦を深めるために、面接のステップへ進む前に行なわれるカジュアル面談。では、カジュアル面談を行なう企業側の目的は何か。そして、どのようなメリットがあるのか。採用面接コンサルティングを手掛けるクレド・ライフクリエイション株式会社の深堀一雄さんに解説していただきました。

求人を掲載

カジュアル面談とは

カジュアル面談とは、企業と応募者が互いをよく理解するための面談方法です。企業により「オフィス見学会」や「オープンオフィス」など呼称は様々ですが、フランクにありのままの姿を見せ合い、入社後のミスマッチを防ぐことを目的としています。
 
その形式もまた企業によって異なりますが、多くの場合は自社に応募者を招き、個別に会社説明やオフィス内の見学ツアー、意見交換会などを実施しています。また、リモートワークが浸透している近年では、これらのイベントをオンラインで行なう企業も増えています。

面接との違いは?

企業にとっては、求職者の志向性をあらかじめ把握し、その後の採用に生かすこともカジュアル面談の大きな目的のひとつです。自社の強みや特徴を闇雲にアピールするよりも、相手が次の職場に何を求めているのかを具体的に知っておくことで、効果的な採用活動に繋げる狙いがあります。
 
なお、求職者が職場に求める要素は、大まかに「報酬(待遇)」「仕事内容」「会社の将来性」「キャリア形成」「社内環境」「会社の安定性」の6つに分類されます。カジュアル面談を通して、相手がとくに何を重視しているのかを探っていきましょう。
 
ただし、カジュアル面談はあくまで面接とは別物です。リラックスして互いの理解を深めることが目的なので、面接でするような採用の合否を判断するための質問は控えなければなりません。たとえばひとつのコツとしては、現職(あるいは前職)の良い点をヒアリングしながら、「では逆に不満な点は?」と自然に話題を繋げることで、相手のニーズをさりげなく引き出せるでしょう。その不満点こそが、次の職場に求めるものに直結しています。

カジュアル面談を実施する際の準備

実際にカジュアル面談を導入する際には、以下のポイントに注意して準備を進めましょう。

◆アジェンダを決めておく

リラックスして話し合う場であるとはいえ、無制限に雑談を続けるのでは意味がありません。1時間なら1時間と終了時刻を決めておき、その時間内に話す内容を事前にリストアップしておくべきでしょう。

◆面談者を人選する

人事部員が面談を担当すると、つい採用に寄った質問をしてしまいがちです。そのため、面談者は人事部以外の、なるべく業務内容を理解している人材が適切です。一定の裁量を持つ課長職やチーフ格に就く、自社でのやり甲斐を伝えられる明るい人材であれば理想的でしょう。

◆質問内容を精査する

お互いがありのままの状態で語り合うためには、あくまで面接ではない空気を維持することが大切です。そのため、質問内容が事務的にならないようにあらかじめ精査し、面談者と共有しておきましょう。

◆求める人材像を伝える

面談の最後に自社が求める人材像を明確に伝えておくことも重要です。仮にそれが、相手が次の職場に求めるものと乖離し、採用に繋がらなかったとしても、それは結果的に離職リスクを抑えることに繋がります。

カジュアル面談を行なうメリットとデメリット

双方が理解を深めるカジュアル面談には、基本的にデメリットはありません。採用に要するプロセスが増え、その分のコストがかかるのは事実ですが、入社後のギャップから早々に退職してしまうケースを抑えられると考えれば、むしろ必要なコストと言えるでしょう。
 
カジュアル面談をコミュニケーションの機会として活用することは、求める人材を効率的に確保することに繋がるのです。


<取材先>
クレド・ライフクリエイション株式会社 代表 深堀一雄さん
北海道札幌市出身。大学卒業後、百貨店外商部勤務を経て外資系生命保険会社にコンサルタントとして入社し、人材開発に関わる多くのプロジェクトに携わる。2018年にクレド・ライフクリエイション株式会社を設立。「ひと」の潜在能力開発とパフォーマンス(成果につながる行動)発揮を専門領域とする。
 
TEXT:友清 哲
EDITING:Indeed Japan + ノオト

 
“マンガで解説 

求人を掲載
準備はできましたか?求人を掲載

*ここに掲載されている内容は、情報提供のみを目的としています。Indeed は就職斡旋業者でも法的アドバイスを提供する企業でもありません。Indeed は、求人内容に関する一切の責任を負わず、また、ここに掲載されている情報は求人広告のパフォーマンスを保証するものでもありません。