ポテンシャル採用とは? 選考で見るべきポイントは?

ポテンシャル採用のイメージ

応募者の“のびしろ”を判断して採用するポテンシャル採用という方法があります。その概要や対象者、選考で見るべきポイント、実施する際の注意点について人事・採用情報に詳しい、組織人事コンサルティングを手がける株式会社新経営サービスの大園羅文さんに伺いました。

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ポテンシャル採用とは

ポテンシャル採用とは、求職者の潜在能力を評価基準とする採用方法のことを言います。中途採用で、最近使われることが多くなった手法です。
 
従来の中途採用では、即戦力となるスキルや経験・実績などを重視する「キャリア採用」が一般的でした。一方ポテンシャル採用では、応募者の潜在的な資質や持っている能力、さらに人間性や価値観なども含めて、「将来自社で活躍してくれそうだ」という“のびしろ”に重きを置いて採用します。経験や専門知識の有無を問わない採用のため、入社後に能力開発をするということが前提となります。
 
ポテンシャル採用が注目されている背景には、即戦力になる人材が採用市場に出にくく、採用しづらいという背景があります。特に中小企業や人材不足が深刻なITやエンジニア系などの業種で活用されています。

 

ポテンシャル採用の対象は?

ポテンシャル採用の対象として、第二新卒、20代の転職者など、社会人歴が浅く転職経験の少ない層をターゲットとするケースが多い傾向にあります。入社後に能力を身につけて活躍してもらうことを前提としているため、年齢の高い人を採ると活躍できる期間がその分短くなってしまうためです。
 
ただし、30代でもポテンシャルが高く、人柄や価値観が企業に合っていれば、未経験枠で採用に至るケースもあります。

 

選考の際に企業が見るべきポイントは?

ポテンシャル採用を行う際は、応募者の以下のようなポイントを確認しましょう。

 

◆入社後のキャリアビジョン

職種としては未経験の採用だからこそ、その職種でどういうキャリアを歩みたいかを語れるような応募者でないと、採用後のミスマッチが起こりやすくなります。
 
応募者の入社後の目標や具体的なキャリアビジョンが、自社に合っているかを確認しておくことが大切です。何年後にどのようなスキルを身につけ、どのような役割・役職でありたいか、最終的にはどういうキャリアを歩んでいきたいかなど、近い未来や遠い未来における目標をヒアリングしておきましょう。

 

◆業務への興味と仕事への成長意欲

新卒で入った社員に比べると、どうしても同じ年齢での経験値やスキルは遅れをとっています。1日でも早くそこに追いつきたいという成長意欲や危機感を持っている応募者かどうかも判断材料の1つです。
 
志望動機のほかに業務への興味や知識をどの程度持っているか、仕事への熱意や成長意欲がどれくらいあるかなど、前職や学生時代の経験とともに確認しておきましょう。

 

◆自社の価値観・社風などとのマッチング

自社の価値観や社風とのマッチングもチェックポイントの1つです。応募者の志向性や性格と自社の活躍人材に共通する特性はあるか、自社の価値観や社風に合っているかなどを見極めましょう。

 

◆社会人基礎力(中途採用の場合)

ビジネスマナーや話し方、立ち居振る舞い、仕事の基礎・基本など、社会人として求められるポータブルスキルがどの程度備わっているかは、職種に関わらずチェックしておきたい点です。入社後の育成が不可欠なポテンシャル採用では、これらのスキルの習得が入社後に大きく影響を及ぼします。仕事に取り組む姿勢とともに、入社後ののびしろや成長スピードを推し量ることができます。

ポテンシャル採用を行う際の注意点

ポテンシャル採用を行う際には、以下の点に配慮して進めましょう。

 

◆自社が求めるポテンシャルを具体化・言語化する

ポテンシャルという言葉は、いろいろな意味が含まれた便利な表現ですが、ポテンシャル採用をする際は、「自社が求めるポテンシャルとは何か」を具体的にして言語化しておく必要があります。それが定義できていない場合は、面接官が「なんとなく良さそう」という曖昧な基準で判断することとなり、結果的に採用ミスマッチにつながります。
「どういうスキルやマインドを持つ人材を獲得するのか」を定義し、できる限り定量的に測定ができるような準備をしておくことが大切です。適性検査を使うのも有効な手段の1つでしょう。

 

◆戦力になるまで時間がかかることを見越して採用を行う

入社後は戦力になるまで時間がかかるポテンシャル採用であることを、面接官や社員が理解し、共通認識を持っておくことが大事です。同時に入社後により早く活躍してもらえるよう、ポテンシャル採用での育成計画や教育体制も整えておきましょう。
 
また、採用をかける際に、ポテンシャル採用であることを採用広告などに打ち出すことで、チャレンジしたいと考えている応募者にリーチすることができます。経験者はもちろん、未経験者でもチャレンジしたい人は応募してほしいことを伝えましょう。


<取材先>
株式会社新経営サービス 経営支援部 コンサルタント大園羅文さん
現在は、中小企業を対象とした人材採用支援、若手人材の定着・即戦力化支援、人事制度の構築・運用支援に従事。特に、「人材採用力の強化」を得意テーマとしており、『採用活動に時間やコスト・労力を割けない』等の中小企業独自の課題に寄り添った支援を通じて、顧客とともに“勝つべくして勝つ”採用活動を展開しております。
 
TEXT:武田明子
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト


 
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