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求人を作成するデータに基づいた手法でキャリアパスを設計し、コア戦略としてのフラクショナルワークを試験導入することで、アジャイル職の従業員から信頼を獲得しましょう
重要なポイント
- Indeed が実施した組織のアジリティに関する調査によると、採用企業の67%がアジャイル職の採用拡大を見込む一方、求職者の55%はアジャイルな働き方にリスクを感じており、捉え方の相違が明らかになりました。
- 組織が人材の流動性を評価し、多様なキャリアパスを標準化するにあたっては、文化的・制度的なギャップが存在します。社内でアジャイル人材を探していると回答した採用企業が40%に上る一方、社内でのアジャイルな働き方への転換を求める従業員はわずか15%にとどまっています。
- この記事では、アジリティを長期的な事業運営戦略に転換する方法として、明確なキャリアパスの設計、外部採用の検討を始める前の社内人材の確認、アジャイルな働き方の反復的な試験導入について解説します。
人材リーダーを悩ませている問題があります。それは、採用企業の3分の2以上がアジャイル職の採用を拡大する予定と回答している一方で、対象となる労働者の大多数はアジャイルな働き方をキャリア上のリスクと捉えていることです。Indeed が実施した組織のアジリティに関する最新調査によると、採用企業が構築している組織モデルは、求職者の賛同を得られていない可能性があります。
私は、採用企業と従業員の両方の立場を経験しています。2022年に、経営していたソートリーダーシップエージェンシーであるLongitude ResearchがFinancial Timesに買収されたことを機に、私はフルタイムの経営職を離れ、フラクショナルスペシャリスト(企業でパートタイムの専門職として働く人材)に転身しました。私はこの経験を通して、従業員の信頼が損なわれる原因と、なぜその問題を解決する責任が採用企業側にあるのかを明確に理解することができました。
今後10年間で生じる多くの労働市場の課題に対応するには、アジャイルな組織の構築はほぼ避けられない流れにあります。しかし最終的には、導入が失敗する原因は採用企業が生み出した問題にあり、その解決も採用企業にしかできません。ここでは、その信頼のギャップを埋める方法をご紹介します。

従業員がアジャイルモデルを信頼しないのには、それなりの理由がある
従業員の多くは、アジャイルな働き方を採用企業側の都合と感じてきました。従業員は、自身のキャリア設計や収入の不確実性を負担する一方で、採用企業側にはコスト削減に加え、人員を迅速に拡大・縮小できるというメリットがあります。
アジャイルな働き方とフラクショナルワークの定義
- アジャイルな働き方:単発(ギグワーク)や契約ベースの雇用、期間や役割を限定した専門職ポジション、キャリアチェンジ、リモートワークによる「デジタルノマド」職、AIを活用したポジション、ジョブローテーションなど、柔軟な雇用形態の組み合わせを拡大すること
- フラクショナルリーダーシップ:企業内に組み込まれた形で継続的に提供される、パートタイムの経営層レベルの支援
Indeed の調査1によると、採用企業の70%が、従来とは異なる雇用モデルによって従業員全体のウェルビーイングが向上すると回答しています。また、求職者の55%がアジャイルな役割を担うことで成長できたと感じています。ただし、これが実現するのは、双方があらかじめ条件を明確に定義している場合に限られます。そうでなければ、アジャイルな働き方は常時対応と同義になり、ウェルビーイング向上の効果も得られなくなってしまいます。
真にアジャイルな組織を構築するには、まず従業員と採用企業の間の不均衡を認識し、構造的な変革に取り組むことが重要です。つまり、従業員に具体的なメリットをもたらすインセンティブ制度を設けることが重要です。例えば、以下のような施策が挙げられます。
- マイルストーンの達成に応じたボーナスの支給
- 成果を上げた専門職への目に見える形での評価・表彰
- キャリアパスとの明確な連動
優秀なアジャイル人材を惹きつけ、定着を促進するには、外部の専門家を長期的なパートナーとして処遇し、役割の明確化、相互尊重、率直な意思の疎通を心がけましょう。私は、ここで「服務期間」という考え方が役立つと考えます。 専門家が、明確な条件のもとで定められたミッションを達成して価値を提供した後、次の機会へと移っていく、というものです。
事例:フラクショナル財務ディレクターを採用してリーダーシップ体制の不足を解消する
コンサルタントとフラクショナルリーダーには違いがあります。コンサルタントは、定められたプロジェクトを遂行します。フラクショナルリーダーは、組織内の人員が不足している分野において、パートタイムで継続的に専門性を提供します。
私が共同設立者とともにLongitudeの成長に携わっていた頃、毎月、財務のリーダーシップが必要になることがありましたが、フルタイムで採用するほどではありませんでした。そこで、フラクショナル財務ディレクターを招き、長期にわたって継続して知見を提供してもらいました。
この2つの雇用モデルからどちらを選ぶべきかを判断する実践的な基準は、「一度解決すればよい問題か、それとも継続的に知見が必要になるのか?」という点です。いずれにせよ、期待値の違いを明確にし、それを関係者に共有することが重要です。
組織にすでに存在するアジャイル人材の発掘
Indeed のレポートで明らかになった、望ましくない事実の一つは、社内のアジリティ職に対する採用企業側と従業員側の認識のずれです。採用企業の40%が、アジャイルな人材を探す際には社内を検討すると回答している一方、社内でアジャイルな機会を探していると答えた従業員はわずか15%にとどまっています。この認識のずれは深刻な問題を示しており、私の経験上、これは組織自身が生み出している問題です。
大規模な組織では、従業員のスキルは人事システムで管理されることが多いですが、そのデータはすぐに古くなりがちです。従業員が自身のスキルを幅広く記録するよう促されることはなく、また、マネジャーも十分に把握できていないことが少なくありません。従業員のスキルを組織全体で把握し、可視化することは確かに容易ではありません。しかし、より根本的な問題は企業文化にあります。現在の職務以外に関心を示すと、今の仕事への意欲が低いと捉えられる可能性があり、従業員は社内で新たな機会を活用することをためらってしまいます。
Financial Timesによる買収プロセスの期間中、私のチームは、直属のチームからメンバーが移動することになったとしても、社内異動を積極的に賞賛することを実践していました。私たちは、人材の流動性を積極的に評価すべき価値あるものとして捉えていました。こうした文化的要素は、他のあらゆる公式のポリシーよりも大きな意味を持っていました。
事例:チーム内の隠れたスキルを発見する
あるとき、私がアンケートをタガログ語に翻訳する必要があった際、外部の人材を採用することを考えました。ところが、チームメンバーの一人が大学でタガログ語を学んでいたことを何気なく話してくれました。必要なスキルはすでに社内に存在していたにもかかわらず、ただ確認しようとしていなかったのです。
この事例からの学び:「希少」とされるスキルでも、その多くは、社内の人材がすでに保有していることがあります。しかし、体系的な方法で明確に確認しない限り、見えないままになりがちです。チームメンバーが「現在の役割の枠を越えて挑戦したい」と安心して手を挙げられるような環境を育むことが重要です。
Indeed の「組織のアジリティレポート」からの主要データ
- 採用企業の67%が、今後アジャイル職の採用拡大を見込んでいる。
- 求職者の55%が、アジャイルな働き方はリスクの高いキャリアの選択と捉えている。
- 採用企業の40%が社内でアジャイルな人材を探している一方、社内でのアジャイルな働き方への転換を求める従業員はわずか15%にとどまっている。
真にアジャイルな組織の構築:人材リーダーのための実践的なロードマップ
多くの組織は、採用凍結、予算削減、突発的なスキル不足といった課題への後追いの対応策として、アジャイルな組織構築モデルを導入しています。しかし、単なる危機管理策として捉えるのではなく、次の4つのステップを活用してアジャイルな役割を戦略的に設計していきましょう。
ステップ1:再設計する前に、まずはキャリアパスを可視化する
まず、従業員のモチベーションを引き出すものは何か、従業員が目指すものは何かを把握しましょう。安定性やキャリアの着実な成長を求める従業員もいれば、多様な経験や自由度の高い働き方に魅力を感じる従業員もいます。
組織内のさまざまなキャリアパスの実態を明確にし、それぞれのメリット・デメリットを率直に伝えましょう。その上で、十分な情報をもとに従業員が選択できる環境を整えましょう。これらのルートを明確に描くことで、多くの組織が軽視しがちな心理的安全性が生まれます。
ステップ2:あらゆる人材確保の判断に、一つの問いを取り入れる
求人票を作成する前に、「このスキルは、本当に常時必要なのか?」を問いかけましょう。
常に必要であれば、正社員として採用します。そのスキルが、特定の業務フェーズや期間の定まったプロジェクト、あるいは断続的に発生するニーズに紐づいている場合は、柔軟な雇用モデルの方が、十分に活用されないフルタイム採用よりも高い成果を生み出す可能性があります。
ステップ3:外部に目を向ける前に、まず社内を見る
Indeed が実施した組織のアジリティに関する調査によると、採用企業が外部のアジャイル人材を活用する主な理由の一つとして、専門スキルの必要性が挙げられており、約4分の1の採用企業がそのように回答しています。しかし、正社員かアジャイル職かを問わず、求人を掲載する前に、まず組織内にどのような人材がいるのかを確認しましょう。
社内人材を発掘・育成することは、信頼と人材の流動性を重視する企業文化の表れであり、長期的な人材の定着につながります。
ステップ4:大規模導入の前に試験導入を実施する
アジャイルな組織を構築する戦略は、反復的に実施することで最大の効果を発揮します。アジャイル方式を取り入れることで稼働率の低いフルタイム職を代替できそうな、チームや部署を一つ特定しましょう。そして、達成したい成果を明確にした上で効果を慎重に測定して、成功した取り組みは拡大し、そうでない部分は改善しながら進めていきます。
アジャイルな組織構築の戦略を先送りすることのリスク
今、アジャイルな働き方への移行に取り組み、採用企業と従業員の双方にとってメリットのある仕組みを本気で構築しようとしている組織は、必要に迫られて動き出す組織よりも、はるかに有利な立場に立つことができます。私自身、自らの意志でキャリアチェンジを決断したことで、その後の歩み方が大きく変わりました。組織運営においても、同様のことが言えるでしょう。
組織のアジリティ - 採用企業フィールドワーク実施期間:2025年7月18日〜2025年8月11日
組織のアジリティ - 求職者フィールドワーク実施期間:2025年7月18日〜8月5日
この情報は、Indeed が本サイトの利用者に参考情報として提供しているものです。Indeed は、貴社の採用担当者や法務アドバイザーではなく、求人内容について責任を負うものではありません。また、本サイトに掲載されている情報は、成果を保証するものではありません。
筆者紹介
James Watson
Exhibit B Partners共同設立者
James Watson氏は、B2B企業にフラクショナルソートリーダーシップの専門知識とサービスを提供する、Exhibit B Partnersの共同設立者です。
Exhibit B Partnersの設立以前には、FT Longitudeを共同設立してCOOを務め、同社を1000万ポンドを超える規模のソートリーダーシップビジネスへと成長させました。FT Longitudeは世界各国の100社以上のクライアントにサービスを提供し、FT1000、Inc. 5000、Leap 100のランキングにも選出されています。同氏は過去20年間、Financial Times、The Economist Group、Longitude Research(現FT Longitude)などで、B2B分野における著名なソートリーダーシップビジネスの構築に携わってきました。
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