新入社員や部下が仕事でパフォーマンスを上げ、成長していくためには、上司・リーダーからの適切なフィードバック(評価を伝えること)が必要不可欠です。
しかし、適切なフィードバックをしているつもりでも、部下側は「ダメ出しされた」と解釈してしまうこともあるでしょう。
適切なフィードバックとは具体的にどのような要素を備えているのでしょうか。グローバル人材の開発・育成戦略に携わったのち、現在はプロノイア・グループの代表取締役を務めるピョートル・フェリクス・グジバチさんに伺いました。
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求人を作成する「フィードバック」と「ダメ出し」の違いは
「フィードバック」と「ダメ出し」の間に、決定的な違いはありません。なぜなら、フィードバックかダメ出しかを判断しているのは、言葉を発した側ではなく受け手側だからです。
ほとんどの上司は「ダメ出しをしてやろう」と思って意図的にダメ出しをしているわけではありません。むしろ、部下の成長を促すために行ったフィードバックが、部下当人には「ダメ出し」と解釈されてしまった、というケースがほとんどでしょう。
◆フィードバックがダメ出しに変換される理由
では、どのような場面において「フィードバック」が「ダメ出し」に変換されてしまうのでしょうか。
見聞きするケースとして多いのは、受け手側が「自分を否定された」「傷つけられた」と解釈してしまったときです。もともと自分に自信がない人、自己肯定感が低い人は、「こうしたほうがもっと良くなるのでは?」という上司からの提案に対して、やり方や内容などのイシューではなく、「自分自身が否定された」と感じてしまう傾向があるからです。
両者の間に信頼と尊敬が構築されていれば、このような誤解は避けられるでしょう。しかし、まだ関係性が出来上がっていない状態ではこうした不幸な行き違いが生じてしまうことも多々あります。
また、同じ発言内容であっても、「誰から言われたか」によって受け手の解釈は変わります。信頼していて尊敬できる人からの言葉であれば素直に受け止められるが、苦手で嫌いな相手が同じことを言えば反発してしまう。そうした心理も作用している点は否めません。
「ダメ出し」と思わせないための工夫
こうした受け手側の誤解を回避するためには、上司・マネジメントする側が丁寧なコミュニケーションを心がけていく必要があります。
自分の都合だけで「はい、じゃあこれは任せたね」と丸投げにして、結果が出た後で「あなたのやり方では失敗だったね。こことこれがダメだったね」と一方的に上からジャッジする。このようなやり方は適切なフィードバックとは到底言えません。「自分が否定された」「ダメ出しをされた」と思われても無理はないでしょう。
フィードバックをダメ出しと誤解させないために、マネジメントする側の人間は最低限、次の3つのことを心がけておきましょう。
- 相手のやり方の良いところを見つけ出して肯定する
- 上から目線で一方的に意見を押し付けない
- 相手が改善の提案を受け入れられるコンディションかを確認した上で提案する(相手の心身のコンディションが悪そうなとき、余裕がなさそうなタイミングは避ける)
フィードバックの目的は、相手の成長を促し、パフォーマンスを向上させることです。どうすれば相手により届く言葉になるのか考え工夫するのは、マネジメントする側の責務でもあるのです。
フィードバックと同じくらいフィードフォワードも重要
「フィードバック」は非常に大切なアクションですが、それと同じくらいに「フィードフォワード」の意識を持つことも実は重要です。
フィードバックは結果が出た後に、それを踏まえて改善点を提案するアクションです。対して、フィードフォワードは結果を予測して、事前にアクションを変えることを意味します。
◆フィードフォワードの一例
上司:「今度のプロジェクト、あなたはどんな風に準備をするつもりですか?」
部下:「このような方法で準備を進めています」
上司:「なるほど、いいアプローチですね。この視点もすごくいいと思う。ところで、ここを改善すればもっとよくなりそうだけど、どうかな?」
「やった後」ではなく、「やる前」に建設的なコミュニケーションを行うこと。これがフィードフォワードです。
「相手のやり方の良いところを見つけ出して肯定する」「上から目線で一方的に意見を押し付けない」のはフィードバック・フィードフォワードのいずれにも共通するスタンスです。
◆フィードフォワードのポイント
上から目線のジャッジに思わせないためには、「私はこう思うけどどうかな。一緒に考えていきましょう」「私たちのチームとしては、こうするといいんじゃないかな」というように、I(私)やWe(私たち)を主語にしたメッセージを送ることがポイントです。
そうすることで、「同じ目線に寄り添ってもらっている」という意識が伝わり、言葉の内容もより届きやすくなるはずです。
取り組んだ後の振り返り=フィードバックも大切ですが、併せてフィードフォワードも取り入れると、よりよいアクションへとつながっていくでしょう。
良質なフィードバック&フォワードで組織は成長する
日々の業務の中で「フィードバック」と「フィードフォワード」が上手く機能するようになれば、個々のメンバーのスキルはもちろん、チーム全体の柔軟性も高まり、パフォーマンスの質も必ず上昇するはずです。
適切なフィードバック&フォワードを送受信できるチームをつくるためには、日頃からメンバーの人となりをよく観察して、相手との間に信頼関係を築いておきましょう。
<取材先>
プロノイア・グループ株式会社代表取締役
ピョートル・フェリクス・グジバチさん
ポーランド生まれ。2000年に来日し、グローバルに展開する名門投資銀行、大手IT企業などの大企業で人材開発・育成やリーダーシップ開発の分野を中心に活躍。2015年に独立し現職。
TEXT:阿部花恵
EDITING:Indeed Japan + 南澤悠佳 + ノオト

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