あらゆるメディアを使ってアピールしても、求人へのアクセス数が伸びない。その横で、競合他社が優秀な人材を獲得していく――。そんなふうに感じた経験はありませんか。
特にスタートアップ企業や市場に参入して間もない企業では、ブランド認知度の低さが採用の障害になる可能性があります。
しかし、企業のミッションやビジョン、顧客の意見など、消費者へ向けたブランディングを活用すれば、自社の採用ブランドをすばやく強化し、求職者のエンゲージメントや応募数を向上させることが可能です。
ステップ1:消費者の声を役立てる
求職者の間ではブランド認知度が低い企業でも、既存の熱心なクライアントやユーザーは、あなたの企業について良く知っています。このため、消費者向けのブランディングは、採用ブランドを構築するための良いヒントになります。
まず、自社の特に優れている点を強みとして見つけ、それを指針に採用ブランドを具体化しましょう。その強みが企業が信頼される根拠となり、新しく従業員が入社したさいも、この指針への共感から力を発揮してくれることでしょう。
採用ブランドを具体化するさいには、顧客からの声も学びとして活かします。
- 消費者は企業や製品、サービスについてどう思っているのか。
- ブランドに対する肯定的な意見の背景には何があるのか。
- 顧客はなぜ、自社が顧客に約束するブランドの品質や価値(ブランドプロミス)に賛同し、リピーターになってくれたのか。
多くの場合、企業としては従業員に自社のミッションに共感し、自社製品を信頼してほしいと考えているでしょう。それはつまり、上記のような顧客の声から、他社にはない自社のユニークな点を知り、将来の従業員候補にうまくアピールしてほしいという事でもあるのです。
ステップ2:求職者が求めている条件を取り入れる
求職者のニーズが多様化するなか、各市場において優秀な人材が今、何を求めているのかを把握することも大切です。
たとえば、米国の求職者の半数以上が、「柔軟な勤務形態」を重要な福利厚生であると考えている一方で、28%はキャリアアップの機会を探しています。雇用したいターゲット層が求めている条件を明確にし、求人情報にそうした待遇や機会を盛り込むと良いでしょう。
求職者が求めている条件
採用ブランドを強化するには、下記のような求職者からのニーズが高い条件や、競合と差別化できる魅力的なベネフィットを自社が提供できているか、見直してみましょう。
- 33%が、「柔軟な勤務形態」が応募を決める条件の上位3つに入ると回答
- 39%が、より良い待遇や福利厚生を求めている
- 28%が、キャリアアップの機会を探している
出典:Indeed、Special Report: What Job Seekers Want Now、2021年5月。
ステップ3:従業員と求職者の両方に自社ブランドの良さを広める
顧客からの知見を役立て、従業員を第一に考えた待遇を強化したら、最後のステップは企業のメッセージを求職者に伝えることです。
競争が激化している採用市場では、企業の評判は重要です。今の時代、採用ブランドに重点を置き、特に、採用候補者と現職の従業員の両方が共感できるような、生き生きとした企業のストーリーを伝えていくことは、採用企業にとって欠かせません。
人材のニーズに応え、顧客と従業員にとって好ましい機会やエクスペリエンスを提供していれば、それが基盤となり、ブランドへの評価も高まります。それにより、安定した採用ブランドが築かれ、優秀な人材を惹きつけることにつながるでしょう。
評判の重要性
米国の求職者の69%は、企業の評判が内定を受諾するかどうかの決定に大きな影響を及ぼすと考えています。
出典: Indeed、The Key to Employer Branding: 4 tips for building a better talent brand、2020年。
上記3つのステップをすべて実施すると、まだ歴史の浅い企業や、特定の市場に新規参入した企業であっても、活気のある採用ブランドを構築するのに役立ちます。
最終的には、候補者のエンゲージメントと応募を促し、評判の高い老舗企業と肩を並べて競争できるようになるでしょう。
この記事は米国版 Indeed LEADから翻訳・編集しました。
翻訳・編集:Indeed Japan 編集部