2023年11月30日に開催された「Indeed FutureWorks Japan」。そのなかのコンテンツのひとつとして、「Indeed Hiring Awards 2023」が開催されました。
「Indeed Hiring Awards」は、2023年より新たに創設されたアワードとなり、採用戦略・採用施策・Indeed活用の観点から、採用に関する優れた企業の取り組みを表彰します。
初開催の今回は64社の企業様よりエントリーをいただき、厳正な審査の結果、4社の企業様がそれぞれ「グランプリ」「ストラテジック部門賞」「チャレンジ部門賞」「Indeedエクセレンス賞」を獲得されました。こちらの記事では、採用戦略において優れた取り組みを行われた企業に贈られる「ストラテジック部門賞」を受賞された「RIZAP株式会社」様の採用施策についてご紹介をさせていただきます。お答えいただいたのは、同社EXユニット採用担当の飯野里菜様です。
RIZAP株式会社 プロフィール
「結果にコミットする。®」をコンセプトに、2012年よりパーソナルトレーニングジム
「RIZAP(ライザップ)」を運営しています。また、2022年より、「日本中のあらゆる人の声に寄り添い、健康で活力に溢れた社会にコミットし続けることができるサービスをご提供し続ける」というミッションのもと、あらゆる人の日常生活の一部として、「簡単」、「便利」で、「楽しく続けられる」コンビニジムとして「chocoZAP」をスタート致しました
インタビュー内容のダイジェストを動画でもご紹介
月に数店舗の新規開店。「chocoZAP」事業の急成長に合わせた採用が必要に
──このたびは「ストラテジック部門賞」の受賞おめでとうございます。まずは受賞の感想から教えてください。
飯野 率直に、大変嬉しく思いました。Indeedが創設したこのような賞をいただけたことは大変光栄でして、私たちが頑張ってきた成果が一つの結果として現れ、報われた気持ちになりました。RIZAPの社内からも、「よくやったね!」というところで、たくさんのお声がけをいただきました。
──改めまして、おめでとうございました。新規事業の開始にあたり、どのような採用上の課題があったのでしょうか。
飯野 採用上の課題は2つございました。1つ目は、早急な人財の確保。2つ目がコストの最適化というところになります。
今回、弊社の「chocoZAP」事業を開始するに当たって、1000店舗を1年の間にローンチさせるという目標がありました。この高い目標の達成に向け、社内の人財リソースを活用しながら、新たな人財もスピーディーに獲得していく必要があったことが、目の前の課題です。
さらに、2つ目のコストの最適化については、「chocoZAP」が2,980円で24時間通い放題のサービスになっていることが大きく関係しています。バックオフィスなどのコストをなるべくかけずに、お客様にサービスとして還元していく必要があるというところで、採用コストについてもなるべく低減させていく必要があった、ということです。
──特に「サービス開発業務」と「店舗開店および運営」を担うスタッフの充足が必要であったと伺いましたが、これらはどういった仕事なのでしょう。
飯野 「サービス開発」の業務については、文字通り「chocoZAP」のサービスを開発していく仕事です。フィットネスはもちろんですが、セルフエステやセルフ脱毛、セルフホワイトニングなど多様なサービスを「chocoZAP」では提供しています。より良いものをお客様に提供するために欠かせない職種であるといえます。
また、「店舗開店および運営」業務については、フィットネスマシンの搬入や、マシンのメンテナンスを担当するスタッフです。毎日のように数店舗が新規オープンしている状況であるため、店舗の円滑な運営のため非常に重要な仕事となります。
──店舗展開のスピード感に合わせての採用の難度が高そうだと感じますね。
飯野 基本的にRIZAPの採用には2つのパターンがあります。1つは社内のリソースを活用するやり方です。例えばボディメイクトレーナーとして働いている方が本社へ異動して、サービス開発業務に携わるといったケースがあります。
もうひとつが、いわゆる一般的な採用サービスなどを使用し、たくさんの求職者に対してアプローチしていくというものです。こちらについては、やはり仕事内容や働き方が特殊なものであったからか、難度が高かったという所感があります。そのなかでもIndeedさんを始めとした採用パートナーの皆様にご協力いただいて、どうしたら求職者のニーズに応えられるかブラッシュアップを重ねてきました。
<RIZAP株式会社の取り組み>
200名のトレーナー採用に向けて、細かな改善を幾つも実施
──自社内の人材を登用していくスキームを開始したきっかけはなんでしょうか。
飯野 やはり、カルチャーのミスマッチを起こさないようにしたい、ということが大きかったように思います。今までのRIZAPや、他の既存事業がまず事業の軸としてある中で、新規事業である「chocoZAP」が新たに急成長を重ねていく中で、どうしてもこれまで培ってきた自社のカルチャーと食い違ってくる部分がありまして。RIZAP事業のこれまでの成長をきちんと「chocoZAP」へ接続していくには、今までRIZAPで活躍してきた社員が「chocoZAP」も成長させていく、RIZAPのカルチャーを活かしつつ共存していくことが重要だろうと。そこで、社内公募を行うことに至ったわけです。
──なるほど。RIZAPのカルチャーをきちんと知っている方に、新たな事業づくりを担っていただくということですね。
飯野 そうです。ただ、RIZAPのトレーナーから「chocoZAP」のサービス開発などの業務へ異動していただくと、やはり既存事業であるRIZAPのトレーナー層が手薄になってしまいます。
そこで、RIZAPのトレーナーを新たに200名ほど採用していくという採用方針を決定し、求職者へのアプローチを実施しました。弊社のトレーナーの選考基準にトレーニング経験は不要で、人に対して全力で寄り添える気持ち(弊社では「他喜力」と呼んでいます)や、コミュニケーション能力に重点を置いた選考を行っています。トレーナーというと特殊な仕事のように感じられるかもしれませんが、意外にもターゲット層は広めなんですね。とはいえ、200名採用していくのは相当高い目標であり、ここをクリアしていくために行ったのが、徹底的な可視化です。
──可視化とは、具体的にどのような取り組みでしょう。
飯野 採用情報の一括管理です。選考状況の歩留まりや、採用に関わるテスト結果の可視化などを行いました。同時に、求人原稿や採用サービスのABテストを実施し、それぞれの効果の違いなどについても可視化できるようにしました。可視化をすることによって、スピーディーな現状把握ができ、PDCAを高速化できました。また、Indeed Applyの活用や、選考の段階で面談を入れるなど細かな改善を行って、なるべく応募者に寄り添った選考のフローへ変更しました。特に、Indeed ApplyはIndeed経由で応募をいただいた際に、そのまま弊社の採用基幹システムであるHARMOSに直接応募ができるようなシステムで、これを活用することで、応募時点での歩留まりが大きく改善に繋がったと思います。こういった取り組みを通じて、低コスト、かつスピーディーに200名の採用を達成しようという目標にコミットしていったわけです。
細かな改善を繰り返して、採用コストは従来の3分の1にまで低減
──取り組みの結果、どのような変化が現れてきたでしょうか。
飯野 大きく変わった点としては、やはり採用コスト最適化の部分だと思います。相当な大量採用を行うにあたって、そのコストは通常膨大になるものかと思いますが、以前と比較して採用コストを1/3以下にまで改善することができました。それも、ABテストなど高速でPDCAを回して、細かな改善を行うことができた結果かなと思っています。
──コストなど定量的なものだけでなく、定性的な部分で何か変化はありましたか。
飯野 やはり採用が順調に進むようになり人員も増え、新しい方たちが入ってきてくださることで、社内の雰囲気もどんどん明るくなっているように思います。「chocoZAP」が盛り上がっていくにあたって、会社の雰囲気としても、これからどんどん頑張っていくぞというエネルギッシュな雰囲気が生まれてきていますね。
入社だけではなく、入社後の活躍にまで目を向けたIndeedからのサポート。
──御社の採用活動で、Indeedが果たした役割についてお伺いさせてください。
飯野 まず入社決定数というところでいうと、Indeedのお力添えが非常に大きいと思っています。入社していただくところだけではなく、入社された後にどれだけ活躍できるか?というところまで、Indeedのセールスご担当者がかなり気にかけてくださって。どうやって離職防止をしていくのかや、そのための選考基準をどう設定していくのかといったところまで、細かなサポートをいただけていると思います。
また、このようなアワードが開催されることにより、採用担当として一層モチベーションが上がります!本当にありがとうございます。
こういった点だけでも、かなりお力添えをいただけているかなと思いますが、今後も選考の可視化や採用スキームの作成などにご協力いただければと思っています。Indeedの「総訪問数No.1*」という強みを生かしつつ、一緒にこれからも採用活動を強化していただき、より良い人財の採用にご協力いただきたいと思っております。
実感として得た「現状を可視化する」ということの大切さ
──今後の採用における目標や展望があれば、教えてください。
飯野 今後についても、やはり求職者から求められているもの、事業から求められているもの、それらのニーズをきちんと汲み取っていくことを大切にしていきたいですね。その中で、採用というフェーズで私たちに求められているものは何なのかを考え抜き、求められている成果、結果に対してコミットし続けたいと考えています。
──最後に、今回の採用活動を通じての学びがあれば、教えてください。
飯野 やはり、採用の現状を把握していくこと、可視化していくことの重要性に気づけたというところが大きいと思っております。現状の数値分析をすることによって、現場の課題というものが見えてきます。それらを細かく解消しながら、「大量採用」であったり、「採用の歩留まり改善」といったゴールまで一直線で進んでいくことが大事かなと。現状の可視化を行っていくと課題点や改善点も多く見えてきて、もちろん大変な部分はあります。しかし、結局のところ、それが採用活動を成功させるための、一番の近道なのではないかと感じています。
──ありがとうございました。
*SimilarWeb, 総訪問数,2023年10月