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求人を作成するIndeed の最新のグローバル人材レポートでは、事業運営においてアジャイルな働き方の重要性が高まる中、採用企業が職務やリスク、AIのあり方をどのように見直しているかが示されています。
重要なポイント
- この記事は、世界12市場を対象にIndeedが新たに行った組織のアジリティ調査についてまとめています。
- 組織のアジリティとは、雇用形態の柔軟性と多様性を確保することで、組織の労働力に対し適応力を高める戦略です。こうした柔軟な雇用形態は「アジャイル職」と呼ばれ、単発の仕事、契約社員、任期付きの職員、またはフラクショナルワーク(主に専門職で案件単位やパートタイムで業務を担当すること)、キャリア転換、リモートの「デジタルノマド」職、AI拡張型職種(AIがデータ分析やパターン認識などを担い、人間が意思決定を担う働き方)、ジョブローテーションなどが含まれます。
- Indeed のTalent Strategy AdvisorであるMatthew Burneyが、北米、欧州、APAC(アジア太平洋地域)の各地域における採用企業向けに、調査結果に基づいた実践的なポイントをご紹介します。
働き方は、刻々と変化しています。採用企業は、慢性的な人材不足、急速に進むAIの導入、変化する労働者のニーズといった課題に同時に直面しています。こうした状況を受けて、多くの企業が組織のアジリティに注目しています。これは、柔軟な勤務形態や非従来型の仕事、テクノロジーを活用した職種を取り入れることで、多様な働き方を実現し、適応力を高める戦略的なアプローチです。
「Indeed グローバル人材レポート:事業の成果につながる組織のアジリティとは」1は、12か国の採用企業および求職者1万件を対象とした2025年の調査に基づき、組織のアジリティにおける実際の導入状況や、導入が停滞している領域を明らかにしています。この調査結果が示す結論は明確です。組織のアジリティは成果をもたらしますが、それは短期的な対処ではなく、働き方の中核として位置づけられた場合に限られるということです。
ロンドンを拠点とする、Indeed のSenior Talent Strategy Advisor、Matthew Burneyが、本レポートの要点と地域ごとに求められる対応をご紹介します。
北米:組織のアジリティへの関心は高いものの、リスク回避傾向も強め
米国:採用企業と求職者は、組織のアジリティをリスクの高い選択と位置づけている
アジャイルな働き方の受け入れが特に遅れているわけではないものの、他の多くの調査対象の市場と比べると、米国の採用企業と求職者には慎重な姿勢やリスク回避志向がより強く見られます。米国の求職者の60%が、アジャイルな働き方をリスクの高いキャリア選択であると回答しており、この割合は英国やシンガポールと並んで世界で最も高い水準です。一方、採用企業の67%が、アジャイルな働き方への移行には組織にとって重大なリスクが伴うと回答しています。
カナダ:採用企業による組織のアジリティ導入率で世界をリード
カナダは現在、アジャイル職に就く人材の活用という点で世界をリードしており、採用企業の65%がこうした人材をすでに雇用していると回答しています。採用企業と求職者は、柔軟性を最大のメリットと捉えている点で一致しています(いずれも29%)。一方で、求職者は収入を増やせる可能性も重視しており、30%が最大の動機として給与の増加を挙げています。これは世界で最も高い割合です。
メキシコ:組織のアジリティに強い関心を示す一方、現状は導入段階にとどまる
メキシコの求職者と採用企業は、アジャイルな働き方を非常に重要視しているものの、その熱意に対して実際の導入は追い付いていません。いずれのグループもAIを前向きに捉えており、アジャイルな働き方におけるAI活用を拡大することで、組織のアジリティに伴う障壁を克服できる余地があります。メキシコは、組織のアジリティを重視する傾向が、調査対象国の中で最も強く表れています。キャリア目標や組織目標の達成において「非常に重要」または「極めて重要」であると答えた割合は、求職者では90%、採用企業では99%に上ります。
北米の人材リーダーが取るべき対応:組織のアジリティを中核的な運営モデルとして位置づける
要するに、北米全体では、アジリティは依然としてリスクのあるものとして語られていますが、実際には何もしないことの方が大きな脅威であることが少なくありません。採用企業と労働者の双方が柔軟性と適応力を求めている一方で、AIや変化をめぐる不確実性が多くの組織の足かせになっています。今後成功するリーダーとは、小規模な試験的導入にとどまるのをやめ、実際の業務の中核にアジャイル人材を取り入れる人たちです。
欧州:採用企業と労働者の認識のずれが、組織のアジリティを阻む要因に
フランス:求職者がアジャイルな働き方を選ぶ主な動機は「多様な職種」
フランスは、組織のアジリティの導入状況やAIの活用状況において世界平均とほぼ一致していますが、労働者がアジャイル職を選ぶ理由においては特徴が見られます。同国は、「アジャイル職がもたらす多様な選択肢の確保」を動機として挙げた求職者の割合が最も高い(25%)唯一の国です。採用企業も同様の見解を示しています。新しく多様な視点を得るためにアジャイル職に就く人材を活用していると回答した割合は24%で、世界平均(20%) を大きく上回っています。
ドイツ:人材不足対策は候補者不足がボトルネックに
ドイツの採用企業には、人材不足への対処を目的として組織のアジリティに注目する動きが見られます。しかし、採用企業はアジャイル職に適した条件を満たす候補者を見つけることに苦労している一方で、求職者も自分に適したアジャイルな働き方の求人を見つけるのが難しいと感じています。ドイツでは、人材不足の解消がアジャイル職に就く人材を採用する最大の動機となっており、その割合は37%と、世界平均(17%)の2倍以上に達しています。
イタリア:組織のアジリティの実現を阻む、AIへの懐疑的な見解
イタリアの求職者は、世界平均と比べてアジャイルな働き方の受け入れにより前向きです。一方で、労働者と採用企業の双方がAIに対して懐疑的な姿勢を示しており、これが組織のアジリティを効果的に取り入れる上で障壁となる可能性があります。採用企業のうち、AIが採用企業と求職者の双方にメリットをもたらすと考える割合は70%で、これは世界平均を5%下回っており、インド(89%)やメキシコ(87%)などのAIに前向きな国と比較するとはるかに低い数値です。求職者も慎重な姿勢を示しており、AIが採用企業と求職者の双方にメリットをもたらすと回答した割合はわずか45%でした。
オランダ:採用企業と労働者の意見の相違
オランダは、調査対象国の中でアジャイル職に就く人材が最も多い国です。しかし、データによるとアジャイルな働き方に対する考え方は一致しておらず、求職者と採用企業の間にズレが見られます。オランダの採用企業のほぼ4分の1(24%)が、アジャイルな働き方の導入における障壁として「文化的な抵抗」を挙げており、これは調査対象国の中で最も高い割合となっています。オランダの求職者と採用企業では、「アジャイルな働き方がキャリア成長の機会を生み出す」「組織のアジリティがウェルビーイングの向上につながる」と回答する割合が、世界平均と比べて大幅に低くなっています。
英国:組織のアジリティの成果を高めるAI活用の選択肢
英国の求職者や採用企業は、今回の調査対象国の中でアジャイルな働き方の導入率が最も低く、アジャイルな働き方を支援するためのAI活用率も最低水準でした。AIの活用を進めることで、双方が組織のアジリティにおいて、より大きな成果を上げられる可能性があります。自身をアジャイル職に就く人材と認識している英国の求職者の割合は11%(世界平均は21%)にとどまり、最も低い水準となっています。同様に、アジャイル職に就く人材を活用していると回答した採用企業は39%(市場全体の平均は53%)にとどまり、こちらも最も低い水準です。
欧州の人材リーダーが取るべき対応:長期的な人員計画に向けた組織のアジリティの設計
欧州全体として、組織のアジリティを阻む要因は関心の低さではなく、認識のずれにあります。採用企業は、短期的な人材不足を補うためにアジャイル職に就く人材を活用することが多い一方で、労働者は多様な選択肢やキャリアの成長、より良いウェルビーイングを求めています。今求められているのは、場当たり的な採用から脱却し、アジャイルな働き方を長期的な人員計画に組み込むことです。また、AIは人材不足を穴埋めするためではなく、人材採用における適合度や透明性を向上させるために活用することが重要です。
今求められているのは、場当たり的な採用から脱却し、アジャイルな働き方を長期的な人員計画に組み込むことです。また、AIは人材不足を穴埋めするためではなく、人材採用における適合度や透明性を向上するために活用することが重要です。
APAC:組織のアジリティが成長とイノベーションを促進
オーストラリア:組織のアジリティが採用企業のウェルビーイングとイノベーション向上の手段に
オーストラリアでは、アジャイルな働き方の導入率は世界平均と同水準であるものの、ウェルビーイングやインクルージョン、アジャイル職に就く人材のニーズを把握するためのAI活用の面では、他国をリードしています。同国の採用企業の81%が、アジャイルな働き方は従業員のウェルビーイングを向上させると回答しています。この割合は調査対象国の中で最も高く(インドと同率)、全市場平均(70%)を大幅に上回っています。求職者はやや慎重な姿勢を示しているものの、61%がアジャイル職は職場のウェルビーイングを向上させると回答しており、世界平均(55%)を上回っています。
インド:スピード感と上昇志向が支える成熟したアジャイル市場
インドの採用企業と求職者は、アジャイルな働き方が仕事に与える影響について前向きに捉えています。採用企業の大多数(96%)が、組織目標の達成において、組織のアジリティが「非常に」または「極めて」重要だと回答しています。また、87%の求職者も自身のキャリアにとって同程度に重要だと回答しています。今後1年間でアジャイル職に就く人材の活用拡大を見込んでいるインドの採用企業の割合は74%(世界平均は50%)で、調査対象国の中で最も高い水準となっています。
シンガポール:採用企業と従業員の認識の一致が、アジャイル人材戦略の成功の鍵
採用企業と求職者の双方が、組織のアジリティについて前向きな見方を示している一方で、現在のシンガポールにおけるアジャイルな働き方については、両者の認識に違いが見られます。両者の足並みがより一致すれば、それぞれがアジャイルな働き方に対する目標を達成しやすくなるでしょう。実際、柔軟な勤務スケジュールを導入している採用企業はわずか40%(世界平均は48%)にとどまっており、リモート勤務の選択肢を提供している割合も42%と、全市場平均(45%)を下回っています。また、採用企業の40%が社内でアジャイル職に就く人材を探しているのに対し、社内でアジャイルな働き方の機会を探している求職者は12%にすぎず、選択肢の中で最も優先度が低いものとなっています。
APACの人材リーダーが取るべき対応:組織のアジリティを持続可能なキャリアパスへ
APAC全体を見ると、組織のアジリティは大きく前進しています。柔軟性の確保にとどまらず、成長を見据えて設計されている点がその要因です。インドやオーストラリアなどの国々では、明確な運用モデルの確立と、意思決定の質を高めるAIの支援により、アジリティ、ウェルビーイング、イノベーションが共存し得ることが示されています。
では、どのような対応が必要でしょうか?次のステップは整合性です。採用企業のビジョンを労働者の現実に落とし込み、アジャイルな働き方を一時的な解決策ではなく、持続可能なキャリアパスとして確立することが求められます。
組織の適応力を高めるには、働き方の再定義がもはや不可欠
組織のアジリティは、もはや限定的な戦略ではありません。地域を問わず、柔軟性、AIの活用、新たな職種の設計が、適応力、生産性、ウェルビーイングの向上につながることはデータから明らかになっています。ただし、その効果は、採用企業が試験的な導入や場当たり的な対応から脱却し、本格的に取り組んだ場合に限られます。
リーダーにとって重要なのは、「働き方が変わるかどうか」ではなく、「その変化をどのように意図的に形づくるか」です。働き方そのものを再設計する企業こそが成功を収めます。つまり、ビジネス上のニーズと労働者の現実を調和させ、組織のアジリティを場当たり的な解決策や一時的な対応ではなく、持続可能な組織力として位置づけることが求められます。
1YouGovの協力による2025年の Indeed 調査。合計回答数N=求職者7,317件、採用企業2,966件。
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