人材の採用選考にも、様々な手法が存在しています。では、自社が求める人材を採用するために、最も適した選考方法はどのように判断すればいいのでしょうか。大手企業の採用・人事責任者を経験してきた株式会社人材研究所・代表の曽和利光さんに、解説していただきました。
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求人を作成する採用選考にはどのような手法があるのか?
企業が行う採用選考は、大まかに以下の5パターンに分類できます。
- 書類選考(エントリーシート)
- 筆記試験(能力検査、性格適性検査)
- 面接
- グループディスカッション
- ワークサンプリング(インターンシップ)
これらはそれぞれ、評価ポイントが異なります。たとえば、書類選考(エントリーシート)では主に経歴や保有資格などを、筆記試験では学力などの基礎適応力や自社への適性を判断します。
面接はフリートーク型のものと構造化面接に分類され、フリートーク型の面接が一般的にイメージされる対話形式を指すのに対し、構造化面接とは、あらかじめ設定された質問項目と評価基準に沿って進められるものを意味します。
さらにグループディスカッションでは協調性やコミュニケーション能力を判断できますし、ワークサンプリング(インターンシップ)は業務への適性を測るために有効な手段となり得ます。ただし、それぞれに一長一短があることも知っておかなければなりません。
というのも、上に挙げた採用選考法の中で最も妥当性(※その選考での評価が、いかに入社後の仕事での評価に直結するかという指標)が低いのは、実はフリートーク型の面接であるという興味深い研究結果が出ているのです。面接は本来、相手の人となりを知るのに最適な手法であると捉えられがちですが、実はフリートークによる会話のみで、候補者のコミュニケーション能力を測ることは難しいといえるのです。
また、書類選考についても、書類作成能力が実務能力とどれだけ相関関係があるかは疑問です。それでも応募者が殺到する人気企業においては、人数をある程度絞り込む一次選考として、書類で判断せざるを得ないのが実情です。このあたりはメリット・デメリットを踏まえた上で、自社の事情に合わせた手法を選択するべきでしょう。
自社に適した採用選考法はどう判断すればいいのか
では、自社に適した人材を効率よく採用するための選考手法は、どのように判断すればいいのでしょうか。
これにはまず、自社が求める人材像を詳しく掘り下げておく必要があります。たとえば自社の風土や文化にマッチした人材を重視するのであれば、適性検査や面接官の心証は重要な判断材料になります。あるいは、エンジニアのように自立性の高い職種であれば、能力検査の結果を重視するべきでしょう。
また、「何事も最後までやり遂げられる根気強い人材がほしい」という企業の場合、これをフリートーク型面接のなかでストレートに尋ねても結果は信憑性の薄いものとなる可能性があり、適切な判断材料にはなりません。それよりも構造化面接で過去の実績を聞いたり、ワークサンプリングで仕事に対するスタンスを見極めるほうが、より正しい評価に繋がるはずです。
つまり大切なのは、自社が最も重視するポイントをあらかじめ定めておくことです。それに合わせて「適性検査+面接」、「筆記試験+グループディスカッション」といったように、複数の選考手法を組み合わせて判断するのがいいでしょう。
有意義な選考を行うための注意点
どのような手法を採るにしても、企業にとって採用選考とは、多くの候補者の中から理想に合った人材を発掘する作業であることに変わりはありません。一方で、候補者の側はより良い職場環境を求めているわけで、双方にとってのベストはミスマッチが起こらないことです。
そのためにも企業側は、あらかじめ採用基準を対外的につまびらかにしておくのがお勧めです。「こうした業務なので、こうしたスキルを持った人材を採用したい」、「こういう職場だから、こういう人柄の人が好ましい」など、できる限り具体的に明かしておけば、入社後のギャップを抑えることができるはずです。
選考基準を明かすことで、そこに無理に合わせようとした答えや対応を誘発してしまう懸念もあるでしょうが、そうした上辺の回答から、いかにその人物の本質を炙り出していくかが、面接官の腕の見せ所なのです。
<取材先>
人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光さん
京都大学卒業後、リクルートに入社。人事部のゼネラルマネージャーとして培ったスキル・ノウハウと、2万人の面接経験を融合しワンランク上の人材を採用する独自手法を確立。その後、大手生命保険会社などで一貫して人事領域で活躍し、2011年に株式会社人材研究所設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新聞社)などがある。
TEXT:友清 哲
EDITING:Indeed Japan + 波多野友子 + ノオト

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