ハイブリッド勤務でインクルージョンとビロンギングを維持するには

By Indeed (米国)

近年、コロナ禍の影響もあり、オフィス勤務とリモートワークを合わせたハイブリッド勤務という働き方を取り入れる企業が、日本でも増えています。

しかし、従業員が離れた場所で働くようになった今、自社のインクルージョン施策や従業員が組織に居場所を感じられることを指すビロンギングの維持に悩む人事担当者も多いのではないでしょうか。今回は、 Indeedで DI&B(ダイバーシティ、インクルージョン & ビロンギング)チームのGlobal Headを務めるMisty Gaither がハイブリッドな職場でもそれらを維持するコツをお伝えします。


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ハイブリッド勤務がインクルージョンとビロンギングに与える影響とは?

ハイブリッド勤務は、柔軟または流動的な勤務形態とも呼ばれます。Indeed を含む多くの企業がこの勤務形態に移行するのに伴い、Indeed のGlobal Head of Diversity, Inclusion & Belonging(DI&B)として、私はこのハイブリッド勤務が職場に与える影響についてずっと考えてきました。

米国における最近の調査では、経営幹部の45%が2021年後半にはハイブリッド勤務を採用する予定であると回答しました。その理由には、優先順位の高い順に、従業員の心身の健康や生産性、より幅広い人材プールへのアクセス、人員計画とミッションの方向性の一致、そして、職場のダイバーシティ、公平性、インクルージョンが挙げられています。

一方で、ハイブリッド勤務は、企業のDI&B、ダイバーシティ、インクルージョン、ビロンギング(組織の中に自分の居場所があると感じられること)に関する取り組みに影響を及ぼす恐れがあります。コンサルティング会社のMcKinsey & Companyは、「柔軟な勤務形態を導入することですぐにインクルージョンの文化や従業員のエンゲージメントが向上することはなく、意識的に気を付けて対処しない限り、そうした目標の達成を阻害することがある」と警告しており、私もこの意見に同意しています。

今すぐにDI&B施策を始める

ハイブリッド勤務への移行は、複数の部署による連携と、変革を効果的に成功に導くための手法であるチェンジマネジメントが求められる重要な取り組みです。したがって、ハイブリッド勤務の導入時からDI&B施策を最優先することをお勧めします。すでに導入している場合は、できるだけ早急にDI&B施策の優先順位を上げましょう。 

DI&B施策の取り組みが遅れると、出社再開に伴って変化が求められる従業員の働き方にも遅れが生じます。 

従業員の属性を知る

ハイブリッド勤務では、企業はほとんどの従業員にフルタイムのオフィス勤務か、リモート勤務、または両方の組み合わせ(ハイブリッド勤務)かの選択肢を与えます。 

従業員が選んだ勤務形態と、従業員の属性を表すデータをよく観察してみましょう。データから発見したことは、新しい職場環境で最も効果のあるDI&B戦略を立てるのに役立ちます。

たとえば、3月に米国で実施された調査では、現在リモート勤務をしている黒人従業員の97%が、フルタイムのハイブリッド勤務、またはリモート勤務を希望していると回答しました。 

黒人の従業員の多くは、周りに合わせて話し方や態度、外見を調整して適応するコードスイッチングを行っています。しかし、自宅勤務をすることで日常的にコードスイッチングを行う必要がなくなります。また、マイクロアグレッションと呼ばれる、社会的に疎外されたグループのメンバーに対する捉えにくい敵対的な行動に直面することも減るるため、この調査結果には納得ができます。

母親や、家族の介護などを行う女性従業員も、リモート勤務や柔軟な働き方を希望する方が多いグループです。

米国における Indeed の調査では、フルタイムで働く女性の74%が、在宅勤務の方がパフォーマンスが上がると回答しています。全米産業審議会(Conference Board)による別の調査では、男性(33%)より女性(50%)の方が、出社再開について懸念を感じていることが明らかになっています。

このような調査結果を踏まえて、ハイブリッド勤務の仕組みを作る上では、リモート勤務やフルフレックスを選択している従業員の属性の構成を確認することが重要です。

* そうした従業員のうち、マイノリティグループに属する人の割合はどれくらいですか?

* また、その割合は、出社する従業員の人種やジェンダーなどの属性の内訳にどう影響しますか?たとえば70%の男性と、30%の女性のみが出社勤務を希望している場合、ハイブリッドモデルが、意図しない形で、職場におけるジェンダーの不均衡を生み出す可能性があります。

* そうしたデータから、職場内にのDI&Bを脅かす不均衡を解消していくために変えるべきことについては、次の3つを提案します。

  • 「近接性バイアス」に注意する

米国の調査によると、柔軟なリモート勤務のポリシーには、全体的な従業員の生産性を向上させるなどのメリットがあることが示されています。 

しかし、在宅勤務の従業員よりもオフィスに出社している従業員の方が、在宅の従業員よりも生産性や協調性、仕事への意欲が高いに違いない、という先入観による近接性バイアスが生じる恐れがあります。

近接性バイアスを持つ人にそれが間違いであると納得させるよりも、別の視点で考えるようにサポートする方が効果があります。たとえば、従業員の中には、通勤にかかる時間を仕事に充てたいという理由でリモート勤務を選ぶ人もいますよね。 

つまり、リモート勤務やフレックス勤務を選択する従業員には、「長い通勤時間」などリモートにすることで取り除かれるう障壁があることを理解してもらい、それ従業員のパフォーマンス向上にどうつながっているかに焦点を当て、伝えると良いでしょう。

  • 仕事のチャンスは透明性のある方法で伝える

オフィスで働くと、会議以外にも、何気ない対面でのやり取りがあります。 

給湯室や廊下、または勤務時間後のちょっとした飲み会でも、こうした会話が、新たなチャンスやコラボレーションに発展することがあります。一方で、出社勤務の従業員にとってはインクルージョンや帰属意識を実感するそれらの機会が、物理的にその場にいない従業員にとっては反対に疎外感をもたらします。

フレックス勤務やリモート勤務の従業員にとっては、出社していないことがデメリットとなりかねないため、企業のリーダーはこれを認識し、現在や将来にわたるすべての機会が幅広く周知され、すべての従業員に公正で公平な形で与えられるように計画する必要があります。 

  • チーム会議の開催方法を工夫する

社内で変更を検討すべきもう1つの要素は、チームの会議の開催方法です。 

優れたチームの会議は生産的で、チームメンバーがインクルージョンとビロンギングという自分の居場所を感じられるようなものです。しかし、チームメンバーの勤務形態が、オフィス勤務やリモート勤務、フレックス勤務に分かれている場合には工夫が必要です。 

会議室に存在しないチームメンバーに疎外感を与えないためには、どうすれば良いのでしょうか。

たとえば、全員が対面で出席できない限り、すべてのメンバーが対面で集まるチーム会議は実施しないと決めるのも1つの方法です。チーム会議を開催する必要がある場合には、それぞれがビデオ通話や電話を使い、自分がいる場所から会議に参加します。

この場合、同じオフィスの建物内に複数のメンバーがいても、1つの会議室に集まったりせず、オンラインで個別に会議に参加するのがポイントです。 

そうすることで、チームメンバーは自分がフレックスやリモートの勤務形態を選択したせいで疎外されている、または不利な立場にあると感じることが減るでしょう。

この戦略は一部のチームには効果的ですが、ごく少数のメンバーだけがリモート勤務やフレックス勤務を選んでいる大人数のチームなどではあまり効果がありません。まったく効果がないと感じるチームメンバーもいるかもしれません。いずれにしても、こうした会議の体制を変更する前には、マネージャーがチームからの意見を取り入れるのがよいでしょう。

不安を感じるのは自然なこと

仕事を取り巻く新しい環境で、私自身も皆さんと同じように、インクルーシブな職場づくりに求められる細かな配慮について学び、工夫しながら取り組んでいますが、完全に理解するのは難しいものです。 

また、不安になることもあります。

ただ、新しい職場をどのようにインクルーシブにすれば良いか不安に感じても、それは当たり前のことなのでご安心ください。不安を感じるのは、単にコロナ前の状態に戻そうとしているのではないことを意味します。組織内に前例が存在しないことや、少なくともこの規模では試したことのない、新しいことに挑戦するには不安が伴います。 

ハイブリッド勤務において、どのようなアプローチであれDI&Bに取り組むと決めた場合、最も重要な要素の1つは、興味を持つことです。従業員に、新しい環境で自分が受け入れられ、尊重され、成功を分かち合えると感じるために、何を必要としているかを尋ねてみましょう。


著作者プロフィール

Misty Gaither は、Indeed のDiversity, Inclusion and Belongingチームの、Direcitor 兼 Global headです。Indeed 以前は、Altria GroupとJPMorgan Chaseに勤め、事業開発や営業職を経験しました。その後、テクノロジー業界における人種的平等とインクルージョンに取り組む非営利のスタートアップ企業、Code2040でビジネス開発を担当し、Twilio の最初の DI&B ビジネスパートナーとなりました。Indeed では主にグローバル戦略の策定を担当し、「Inclusion and Belonging」という持続可能な文化に貢献するシステムやプロセスの設計に取り組んでいます。

この記事は米国版 Indeed LEADから翻訳・編集しました。

翻訳・編集:Indeed Japan 編集部



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