Indeed が2022年10月中旬に米国ニューヨークで開催した「FutureWorks」のパネルディスカッションには、Indeed のChief Revenue Officerを務めるNolan Farrisと、InfosysのSVP兼Head of Talent AcquisitionのRajesh Ahuja氏、DISH NetworkのEVP兼Chief Human Resource OfficerのDavid Scott氏、SalesforceのGlobal Brand Marketing担当VPであるMolly Ford氏という4人の業界のエキスパートが登壇しました。


Farrisは冒頭で、「Indeed のミッションはWe help people get jobsです。私たちは求職者と採用をさらに近づけ、いつか求職者がボタンをクリックするだけで仕事に就けるようにするというビジョンを掲げています」と述べました。

このビジョンの実現には、顧客との将来を見据えた信頼できるパートナーシップ、雇用を推し進める最先端のテクノロジー、そして多様な求職者がキャリアアップできる透明性の高い採用プロセスが必要です。

Farrisは、「私が一番興味を持っているのは、採用工程における、コンテンツ、エンゲージメント、求人情報の質の3つの分野の改善させることです」と語り、パネリストらと採用に関して企業が抱える課題や、それらを解決するためにテクノロジーが果たせる役割について語りました。

Farrisとパネリストたちの議論のハイライトをお届けします。

Indeed でChief Revenue Officerを務めるNolan Farris
Indeed でChief Revenue Officerを務めるNolan Farris

より良いコンテンツが、より良い採用につながる

Farrisは「求職者たちは、求人情報で一番で知りたいのは給与だと強くうったえています」と語りました。Indeed の調査では、給与の記載がある求人は、ない求人と比べて求職者が応募する可能性が75%以上高いことが判明しています。給与は、間違いなく企業が求人情報に含めるべき最も重要な情報のひとつです。また、Indeedの調査によると、給与が公正に支払われているという評判がある企業には、そうでない場合と比べて75%以上の確率で求職者からの応募があることも分かっています。

企業が、内部から正確かつ総合的なデータを収集し、自社の公平な給与体系を確立することは、今後の採用に役立ちます。Ford氏は、Salesforceも2015年以降、公平な給与体系に向けて取り組んできたと聴衆に語りました。Ford氏は「私たちが自社の待遇に関する監査を実施したところ、格差があることに気づきました。私たちは、自社で使用している記録システムによって賃金格差を把握しています。新しい人材の採用を続けていく上で、そういった賃金格差を埋めていくことは、私たちに課せられた責任です」と述べました。

InfosysのAhuja氏は、「今こそ、賃金格差を解消する時です。雇用は信頼の上に成り立つものであり、給与の透明性は信頼の重要な柱です」と述べました。彼は給与についての話題はセンシティブであることも踏まえ、「内部の課題と法的な課題がありますが、組織が先頭に立って率いて行くべきでしょう」と話しました。

DISH NetworkのScott氏は「コロラド州を拠点とする採用企業として、格差の是正と向き合うべき時を迎えています」と話しました。コロラド州議会は同一労働同一賃金法を可決し、2021年1月1日に施行しました。同法により採用企業は、すべての求人案件に給与幅と福利厚生に関する情報を開示することが求められており、各地の市や州も追随しています。最近では、2022年11月1日にニューヨーク市が採用企業に対して「公表しているすべての求人、昇進、異動の機会に関して誠実な給与幅」を掲載することを義務付けました。

エンゲージメントの促進が採用活動を速める

Farrisは、「私たちは、Indeed のプラットフォーム上で求職者が採用企業と出会えるよう努めてきました」と述べ、「この業界では、求職者が採用されるまでのスピードという指標に改善が必要です。求職者がより早く就業できるようにするのは、私たちの非常に重大な責任です」と語りました。

コロナ禍の労働市場の変化に伴い、「条件に合う」候補者の見極め方も変化しています。InfosysのAhuja氏は、条件に合う応募者を見つけるために、同社ではテクノロジーを駆使したアプローチを採用したと語りました。「各企業が抱える採用活動における課題は様々です。それには、独自の解決法が必要です」とAhuja氏が言うように、Infosysではカスタマーサービスのチャットボットが採用活動の「かなり旧式なQ&A」チャットボットよりも飛躍的に進歩していることに気づき、テクノロジーを移行しました。これにより、将来の応募者に、よりエンゲージメンを促がすサービスを提供できています。

Ford氏は、「私たちの目標は、採用を成功させることです」と述べました。Ford氏は、Salesforceで採用工程の移り変わりを見てきた中で、候補者はただ選ばれたいだけではなく、自身が本当にここで働きたいかを見極めていると話します。 

「候補者が自分にとって何が大切かを示せているのは、誇るべきこと」だとFord氏は述べ、「コロナ禍で、求職者はただ仕事を探しているだけではなくなりました。意義が感じられる仕事、自分と同じ価値観を持つ会社を望んでいます」と語りました。Ford氏は採用において、候補者がSalesforceで働きたいと思う理由を知ることを信条にしています。それが候補者のエンゲージメントの向上につながり、多くの採用の成功へとつなげるのです。

ほんの些細な違いが、エンゲージメントを向上させる可能性もあります。Scott氏は「ある在宅サービス技術者の求人では、Indeed とそのデータが示した情報に基づいて求人票の2つの単語を変更しただけで、応募者が大幅に増加しました」と述べました。これにより、条件に合う候補者を見つけるのが格段に早くなりました。

条件に合う応募者はデータによって導かれる 

Indeed では、米国などの市場向けに、企業と求職者のマッチング技術や、求人への審査用の質問の改良を続けてきました。Farrisはこうした取り組みを通じて「条件に合う候補者を採用企業の受信トレイに導く方法」への理解が深まったと話します。2023年、Indeed は主要な市場全体で、求人広告の課金方法をクリック課金型(PPC)モデルから応募開始課金型(PPSA)や応募課金型(PPA)モデルに移行する予定です。2022年は、Indeed を利用する採用企業がこの新しい課金モデルを試せるよう、求人の必須条件となる審査用の質問の設定を呼びかけてきました。審査用の質問が設定されれば、顧客は、応募資格を満たさない応募者を72時間以内に不採用にし、代わりの応募者を要求できるようになります。

このように、データとテクノロジーを駆使することで、マージナライズド(社会的に疎外されてきた)コミュニティからの応募者への扉も広げられます。Ford氏は、Salesforceにとってインクルーシブな採用プロセスの導入は、近年でも重要な転換点だったと話します。「私たちは、女性が仕事に何を求めているかを探るため、Indeed のデータを注視しています。私たちが見逃しているキーワードは何か、女性に響かなかったのはどの求人かを探り、自社の求人情報に含めるべきバズワードを見極めようと、真剣に取り組んでいます」

データからは「柔軟性」と「ハイブリッドワーク」というワードが女性人気が高いことがわかった一方、女性に好まれないワードのひとつには、英語のスラングで特定の分野や活動に対するスキルが高い人を表す「ninja(忍者)」が上がりました。Ford氏は「私はninjaではありませんが、自分が成し遂げたことに対し嬉しく思います」と話しました。

Indeed は顧客の信頼のおけるパートナーとして、テクノロジーを駆使し、求職者のエンゲージメント促進や企業の採用成功につながる採用プロセスを構築しています。「私たちは成果報酬型の組織として、顧客により良いエクスペリエンスと成果を約束するために、日々、動いていくでしょう」とFarrisは締めくくりました。

この記事は米国版 Indeed LEADから翻訳・編集しました。


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