採用担当者の男性

半導体需要が急拡大するなか、業界全体が人材の確保に苦慮している。ここ数年で従業員数が650人から1450人以上へと急拡大を遂げたアプライド マテリアルズ ジャパンは、採用プロセスを抜本的に見直し、データ分析に基づく採用戦略の最適化に取り組んできた。本稿は、Indeedが推進している、求人広告の効果を応募ではなく採用を軸に見ていこうという取り組み「SHIFT RIGHT」のシリーズ記事。今回は、高度な専門性が求められる半導体業界の採用改革について、人事部シニアマネジャーの原田栄作氏に聞いた。

インフラ化する半導体産業。高まる人材需要への対応が急務に

今や半導体は、ほぼすべての電化製品に使用され、社会インフラとして欠かせない存在となり、各国が半導体産業への投資と支援を積極的に展開しています。

当社はそんな半導体の製造装置を提供する企業として、装置の販売からメンテナンスまで一貫して手がけています。現在特に積極的に採用を行っているカスタマーエンジニアは、製造装置の安定した稼働に不可欠な、保守点検とトラブルシューティングを担当する重要な職種です。半導体産業が急成長し、半導体製造装置の出荷台数も飛躍的に増え続けるなかで、こうした専門人材の確保は目下の課題となっています。

応募者の経験とスキルの正確な理解のために、職務経歴書のあり方を見直す 

しかし、そもそも半導体業界の経験やスキルを持っている人材自体の絶対数が少なく、採用難易度も高いのが現状です。また、当社では、実機を用いた長期間の研修プログラムなど入社後の活躍をサポートする人材育成にもかなり投資しているのですが、外資系企業ということもあり、「高度な英語力が必要なのでは?」「自分にはハードルが高いのでは?」と不安を抱かれる方も中にはいらっしゃいます。

そのような背景もあり、さまざまな採用媒体に求人掲載を行ってきましたが、必要な人材の確保にずっと苦しんでいました。応募数自体は多くありましたが、たとえ応募数は確保できていても、結果的に採用につながらなければ目的が達成されたとは言えません。特に書類選考では、一般的な職務経歴書だけでは応募者の経験やスキルを正確に判断することが難しく、応募の質を担保できないまま、コストがかかる状況が続いていました。そんななか、他企業さんがIndeedで採用成果を上げているという評判を耳にしました。ちょうどそのタイミングでIndeedからも提案があり、職務経歴書の見直しも含む新たな採用戦略をスタートすることになったのです。

採用担当者の男性

応募から入社まで、一気通貫のデータ分析で採用の質を追求

まず、これまで課題となっていた職務経歴書に記載されている情報の少なさについては、Indeedの担当者と議論を重ねながら、当社指定の職務経歴書の提出を必須としました。職務経歴書のフォーマットについても、微調整を繰り返し、当社の選考に最適な独自フォーマットを作成していきました。記入の手間がかかることで、途中離脱者が増加するのではと危惧もしましたが、結果的に応募者の経験やスキルをより正確に把握できるようになり、有効応募率の改善や採用決定率の向上につながりました。

もちろん職務経歴書だけではなく、求人投稿の文言やフォーマットについても、離脱率や有効応募率など応募から選考までのあらゆるデータや検索キーワードを分析の上、最適化。Indeedの採用プラットフォームでは、求人掲載内容をスピーディかつ繰り返し変更できるため、採用精度を常に高く保つ工夫をすることができました。また、当社では全国各地のサービスセンターのマネジャーとも連携し、応募から内定までにかかる日数や、各選考にかかる日数の目標を数値化することで、精度だけではなくスピードも向上。結果、選考プロセス全体の効率化を実現できました。

書類選考通過率は8.28ポイント上昇、有効応募率は15ポイント向上、月間の有効応募数も86%以上アップするなど、大きな成果が数字として表れています。また、これまでなかなかできなかった半導体業界経験者の採用や、採用に苦戦していた地域の採用創出、「外資系企業」というイメージに不安を抱かれることもあった若手人材の確保にも成功しました。

Indeed利用後
書類選考通過率 8.28ポイント増
有効応募率 15ポイント増
有効応募数(月間) 86%増

現在でも、当社では、応募から採用までの一連の工程を一気通貫で分析、採用活動に素早く反映しています。採用活動の最終目標は応募数ではなく、採用数です。この考えが当社とIndeedで完全に一致していたからこそスムーズな連携ができ、ここまでの実績を上げることができたと考えています。

求める人材の獲得は一朝一夕ではできません。データ分析と改善を積み重ねることが、優秀な人材の確保には重要です。今後もIndeedとのパートナーシップを活かしながら、より効率的で質の高い採用を目指していきたいと考えています。


アプライド マテリアルズ ジャパン株式会社

東京都港区海岸3-20-20 ヨコソーレインボータワー

https://www.appliedmaterials.com/jp/ja.html

米シリコンバレーに本社を置く、創業57年の半導体・ディスプレイ製造装置メーカー。日本でも45周年を迎えた。卓越した技術力と幅広い製品ラインナップで世界中の半導体チップ・ディスプレイの製造に貢献。

※インタビュー内容は、2025年1月28日時点のもの