採用担当者の女性3人

企画・開発から製造、販売まで一貫して行う総合アパレルメーカー、株式会社オンワード樫山。同社は近年、全国7エリアで行われていた採用活動を本社一括管理へと移行し、データを活用した採用プロセス改革に取り組んでいる。本稿は、Indeedが推進している、求人広告の効果を応募ではなく採用を軸に見ていこうという取り組み「SHIFT RIGHT」のシリーズ記事。今回は、同社の販売人財部門のキーパーソンに、採用改革の具体的な取り組みと成果について話を聞いた。

  • 株式会社オンワード樫山 販売人財Div. 販売人財第一Sec. 課長代理 佐久間久子氏
  • 株式会社オンワード樫山 販売人財Div. 販売人財第二Sec. 課長代理 北里麻里絵氏
  • 株式会社オンワード樫山 販売人財Div. 販売人財第一Sec. 採用担当 小野美華氏

ECと実店舗のシナジー強化で次世代の販売体制を構築

佐久間 当社はオンワードグループの中核事業会社として、紳士服、婦人服、子供服などを手掛ける総合アパレルメーカーです。「ヒトと地球(ホシ)に潤いと彩りを」というミッションステートメントのもと、お客様の生活づくりに貢献をしていく「生活文化創造企業」として経営を推進しています。長年培ってきた企画・開発力と技術力を活かし、百貨店・ショッピングセンターなどの商業施設から、直営路面店、自社ECサイト、他社ECモールまで、幅広い販売チャネルでブランド展開を行っています。

北里 お客様の購買体験の向上に努めるべく、近年特に注力しているのが実店舗とECの連携強化です。公式通販サイト「オンワード・クローゼット」では、オンライン上でチェックした商品を取り寄せ、店舗で試着できるサービス「クリック&トライ」を展開。実際に着用することでサイズの不安が解消されるなど、お客様からも好評をいただいており、ECのリピート利用も増えています。

小野 このように、オフライン・オンライン両軸でお客様との継続的な関係構築に取り組むうえで、店舗での接客など、お客様とのコミュニケーションを担う販売人財の確保は非常に重要です。加えて、コロナ禍から回復期への移行に伴う採用ニーズの高まりや、EC活用店舗(OMO)の増加も背景にあり、アルバイト需要は拡大中。我々も、ショッピングセンターなどの店舗の効率アップを見据えて、アルバイト・パートの採用には特に力を入れています。

株式会社オンワード樫山 販売人財Div. 販売人財第一Sec. 課長代理 佐久間久子氏
株式会社オンワード樫山 販売人財Div. 販売人財第一Sec. 課長代理 佐久間久子氏

採用プロセスの改善を見据え、各エリアの採用活動を1つに

佐久間 当初の主な採用課題は、採用効果の測定や採用プロセスの改善のしにくさでした。各エリアがそれぞれ異なる求人媒体と契約して採用を行っており、全国7エリアで採用方法が統一されていなかったことが主な要因です。

そのような状況を脱するため、2023年にはエリアごとの個別採用から本社で一括管理を行う体制へと移行しました。

北里 また、自社の採用ページがあまり整備されておらず、十分に活用されていないという点も課題に感じていたので、2021年から採用ページの強化に着手し、中途採用向けのコンテンツを充実させるなど、情報発信力の向上に取り組みました。その過程で、自社の採用ページの露出拡大サービスをご紹介いただいたことがきっかけで、Indeedとの協働をスタートすることになったのです。

株式会社オンワード樫山 販売人財Div. 販売人財第二Sec. 課長代理 北里麻里絵氏
株式会社オンワード樫山 販売人財Div. 販売人財第二Sec. 課長代理 北里麻里絵氏

応募から採用へ。データを軸にした採用戦略で成果を最大化

佐久間 Indeedの優れたデータ分析ツールや迅速なサポート体制は、採用の本社一括管理を推進するうえでも非常に心強いと感じています。

特に大きな転換点となったのは、採用データの可視化と分析の仕組みづくりです。Indeedの分析フォーマットを用いて、各エリアの予算や応募数、採用数などの情報を一元管理することができるようになりました。

その結果、エリア単位・職種単位での採用状況も詳細に把握できるようになり、「採用単価」での効果比較が可能となりました。このように、採用の質を重視した効果測定が実現したことで、予算の分配もより効率的になったと実感しています。

小野 また、データ分析を進めるなかで、地域ごとの採用状況の差も明確になってきました。東名阪エリアは比較的応募が集まりやすい一方、地方エリアでは募集に時間を要する傾向にあります。この課題に対しては、採用効果の低いエリアにより多くの予算を配分するなど、地域特性に応じた柔軟な対応を行っています。

株式会社オンワード樫山 販売人財Div. 販売人財第一Sec. 採用担当 小野美華氏

北里 データの可視化・分析を通じて、採用に対する意識そのものも大きく変わったと思います。もともと本社では採用数を重視する考えを持っていましたが、その意識が各エリアまで十分に浸透していませんでした。現在は、全国7エリアやIndeedと定例ミーティングを実施しナレッジ共有を行うことで、より採用の量や質にフォーカスする機会が増えました。こういった取り組みが、応募から採用への意識改革につながったと感じています。

小野 さらに、応募者への対応を効率化するため、面接対応者アンケートの実施や、求職者評価シートの導入、面接対応マニュアルの整備など、採用プロセスの標準化にも取り組んでいます。

その結果、本社での採用管理体制に移行してから約1年で、応募総数が前年比約209%増加し、採用数は前年比約111%増加と飛躍的な成果を上げています。

Indeed利用開始後
応募総数 209%増加
採用数 111%増加

佐久間 今後は、採用プロセスの継続的な改善と採用後の定着率向上にも注力していくほか、本社とエリアの意思統一のために社内勉強会の実施や採用コラムの配信などを行っていく予定です。

また、フルタイム以外の多様な働き方のニーズにも柔軟に対応し、「お客様の生活づくり」のお手伝いをする仲間を今後も増やしていきたいと願っています。


株式会社オンワード樫山

東京都中央区日本橋3丁目10番5号 オンワードパークビルディング

https://www.onward.co.jp

紳士服、婦人服、子供服などの企画、製造、販売

「ファッション」を生活文化として生活のあらゆる場面に提案し、新しい価値の創造と、人々の豊かな生活づくりへの貢献を目指している。

※インタビュー内容は、2025年1月30日時点のもの