スキルベース戦略で将来を見据えて人材を確保する

By Indeed

労働力の変化と縮小に伴い、企業は優秀な人材の維持と育成に注力する必要があります。スキルアップやリスキリングを通じて優秀な従業員をサポートするための、体制をご紹介します。

キーポイント 

  • 従業員の能力開発に関するニーズに応えることは、ビジネスの成果を高めながら、優秀な人材を育成し、維持することにつながります。
  • 学費補助制度や実地学習の機会を設けることで、従業員のスキルアップとリスキリングの障壁をすばやく取り除くことができます。 
  • キャリアに関する対話を始めることで、企業の規模を問わず、企業は従業員の成長に応じたキャリアパスを見極めることができます。

仕事を取り巻く環境が急速に変化する現代では、競争力を保ち、長期的な成功を収めるために、従業員のスキルアップとリスキリングを継続的に進めることが不可欠です。

Indeed Hiring Labのデータによると、定年退職者が増加し、新しく働き始める人が減少するにつれ、労働参加率は低下すると予測されています。それにもかかわらず、労働力の需要は依然として高く、企業は差し迫った人材不足への対応を求められています。 

さらに拍車をかけるように、AIによってスキル要件も急速に変化し、多くの労働者が適応せざるを得ない状況にあります。世界経済フォーラムの最新の「Future of Jobs Report」(仕事の未来レポート)によると、企業は今後5年間で労働者の44%のスキルが影響を受け、2027年までに10人中6人の従業員に何らかの研修を実施する必要があると考えてられています。しかし現在、必要な研修を受けられる労働者は全体の半数に過ぎません。

従業員のスキルアップとリスキリング(従業員が現在持っている知識の強化と、新たなスキルの習得を支援する)は、優れたビジネス戦略であるだけでなく、従業員の活躍にもつながります。 

私は Indeed のESG(地球環境、社会、ガバナンス)Landscape & RegulationsチームのSenior Managerとして、より良い仕事への障壁を取り除く方法についていつも考えを巡らせています。特に大切なのは、世界中の労働者の経済的流動性を高めることだと考えています。簡単に言えば、人々が現在の状況に縛られることなく、社会経済的な地位を向上させる機会を得られるようにするということです。実際、労働者の経済的流動性を確保する主な方法であるスキルアップとリスキリングは、従業員と企業の両方にメリットがあります。

将来の成功に向けて、チームのスキルを伸ばすための5つの戦略をご紹介します。

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従業員のスキルアップとリスキリングを促すための5つの方法

1. 社内のスキルギャップを特定する

まずは、変化を続ける環境の中で企業として成長するために必要な、コアスキルを見極める必要があります。 

特定のスキルの重要性が高まっていることを認識している企業であっても、多くの場合、企業のスキルアップやリスキリングの戦略には、最も需要の高いスキルが十分に反映されていません。このスキルギャップを埋めるために、会社にとって将来不可欠となる人材を先を見越して評価することが大切です。たとえば、テクノロジー業界ではAIや機械学習のスキルが重視され、医療・ヘルスケア業界ではデータ分析や遠隔医療の専門知識が求められており、そのようなスキルは既存の職務や将来の職務に結び付けられる可能性があります。この戦略によって、従業員は、現在のニーズや将来の課題に対応できるスキルを習得できます。

最も重要なスキルが分からない場合は、連携が不可欠です。業界団体や地域の企業と連携することで、成功に欠かせない新たなスキルに関する知見を得ることができるでしょう。企業は、こうした協力関係を通じて、市場の動向をより深く理解し、その情報をもとに自社の人材戦略を調整できます。

2. 実際の仕事の中で学習できる機会を作る

実地学習の機会を提供することは、従業員のスキルアップとリスキリングを進める上で非常に効果的であり、コスト効率にも優れた戦略です。普段の職務の枠を超えたプロジェクトに従業員を割り当てることで、会社の目標を推進しながら、新たなスキルを従業員に習得してもらうことができます。

たとえばPepsiCoは、従業員が重要分野のストレッチアサインメント(現時点の能力では達成が困難と思われる仕事)となるプロジェクトに応募できるプラットフォームを構築しました。このような「実践による学び」の機会を提供することで、優先度の高いビジネス分野に追加の人員を配置できるようになり、従業員は価値のあるスキルを習得できます。また、PepsiCoは、この制度を通じて、部門に関係なく人材の配置を転換し、将来の労働力をさらにスムーズに確保できています。 

PepsiCoは独自のプラットフォームを共同開発しましたが、規模に関係なく、どのような企業でも、特別な準備をせずとも同様のアプローチを実現できます。たとえば、チームが求めているサポートを簡潔な説明資料にまとめ、企業全体の従業員が(現在の業務量や職務範囲に加えて)一定の時間を割いてその業務のサポートを申し出ることができる仕組みを作るなどです。 

3. 従業員一人ひとりに合わせた明確なキャリアアッププランを設定する

従業員は新しいスキルを習得できなかったり、成長の機会が得られないと離職を選ぶことがよくありますが、この問題は回避できます。キャリアに関する対話を定期的に行うことで、従業員の目標を把握し、社内で成長するための明確なキャリアアッププランを示すことができます。

組織に昇進やキャリアアップの仕組みがない場合は、部署異動や、従業員自身が新たな職務を提案できるようにするなど、従来とは異なる選択肢を検討するのも良いでしょう。一人ひとりに合ったキャリアアッププランを示すことで、従業員はモチベーションを保つことができ、会社に長期的に貢献してくれるはずです。

まず、考えられるキャリアパスについて話し合い、従業員が次に目指す職務を明確にし、その目標を達成するためのプランを立てられるようサポートします。このような対話をすることで、信頼関係を築き、会社への忠誠心を高めるとともに、従業員の強みをビジネス目標と一致させることができます。

4. スキルアップとリスキリングの経済的な障壁を取り除く 

研修を受けたり、修士号や博士号を取得したりする機会は、従業員がスキルを磨き、経済的流動性を得ることを可能にする上で重要な役割を果たす可能性があります。通常、企業による授業料還付制度は、採用後12か月が経過してから提供されますが、このために特に低賃金労働者や現場従業員にとって、参加へのハードルが高くなっています。 

1年の壁があることで、スキル習得の機会が数か月分失われることになります。さらに、このような授業料還付制度では、従業員が学費を前払いする必要があるため、特に給与で基本的な生活費を賄えない従業員にとって、経済的負担が非常に大きくなる可能性があります。ある調査によると、一般的な従業員は1ドルの授業料の還付を受けるたびに5ドルの負債を抱えることが分かりました。これは、従業員がスキルを磨いて会社にさらに貢献しようとするときに、本人と家族が直面する経済的ストレスを示しています。 

代わりの制度として、従業員の入社初日から学費補助を提供することを検討してもよいでしょう。こうしたアプローチにより、従業員が即座に学習を開始できるだけでなく、より多くの従業員がこの特典を活用できるようになります。UPSAmazonDisneyなどの企業が授業料の還付から補助への移行を主導しており、多くの企業がそのメリットを認識し始めています。

5. スキルギャップに対処するための研修プログラムを構築する

自社の成長が期待される分野を特定したら、ソフトウェアエンジニアリング、データ分析、プロジェクト管理などの分野でのスキルギャップを解消するために、社内向けの研修プログラムを構築することを検討しましょう。

たとえば、Indeed の1年間の研修プログラム「BOOST」では、コーディング未経験の従業員が新卒レベルのエンジニア職に就けるようにすることを支援します。プログラムの管理者は、170件の応募を受理し、76名の面接を実施し、最終的に10名の実習生を選出しました。審査プロセスは厳格で、応募者の技術スキルだけでなく、意欲や粘り強さのほか、Indeed の DEIB+(ダイバーシティ、エクイティ(必要なリソースや機会がすべての人に公平に与えられること)、インクルージョン(誰も取り残さないような施策や環境を作ること)、およびビロンギング(自分の居場所があると感じること))コアバリューに沿っているかといった要素も評価されました。参加者はクライアントサクセスやピープルマネジメントなど、Indeed 全体のさまざまな部門から集まり、半数以上は勤続年数が5年以上の従業員でした。 

BOOSTのような研修プログラムは、体系的で実践的な学習機会を提供します。研修プログラムは、既存の従業員の豊富な経験を活用し、特定のビジネスニーズに応えながら、従業員の新たな能力を開発する上で有用です。

従業員にとって良い取り組みは、ビジネスにとっても有益です。上記で説明したスキルアップとリスキリングの5つの戦略を実施することで、技術革新やグローバルな労働市場の変化が急速に進む中で、モチベーションが高く、忠誠心のある優秀な従業員を育成し、将来を見据えた人材を確保できるようになるでしょう。

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