「タイムログ」は、一つひとつの作業にかかった時間を記録することです。面倒、大変というマイナスイメージを持たれがちですが、導入できればその効果は高いといえるでしょう。タイムログをつけることのメリットや続けるコツなどについて、心理学ジャーナリストの佐々木正悟さんに伺いました。

タイムログとは

「タイムログ」とは、作業の一つひとつにかかった時間とその内容を記録することです。タイムログをつけることで、作業ごとにどれくらいの時間的なコストがかかっているのかを割り出すことができます。

業務においては、出勤時間や退勤時間、日々行っている業務の内容と開始時間、終了時間などを記録します。

タイムログによって得られる心理的メリット

タイムログをつけることによる最大のメリットは、記録者(従業員)の「自信」につながる点です。業務時間と業務内容を記録に残すため、自分が行った業務量を可視化することができます。その結果、自分が思っている以上に仕事をこなしていたことを実感できる人は少なくありません。

従業員が自信を得ることで仕事の効率アップや生産性アップにつながり、企業にとっては物理的なメリットを得ることができます。

タイムログを無理なく続けるコツ

タイムログの実践は、以下の点を意識することで無理なく続けられるようになります。

1.リアルタイムでつける
業務を始めるときに開始時刻を、終えたときに終了時刻と内容を、リアルタイムで記録することが重要です。後でまとめてつけようとすると、記録自体を忘れてしまうことが多いうえに、思い出す時間も必要になり、面倒で無駄な時間と作業が増えます。

2.漏れなく記録する
休憩時間も含め、出勤してから退勤するまでのすべての行動と時間を、漏れなく記入してください。記録するべきものと記録しなくていいものがあると逆に管理が面倒になり、習慣化しにくくなります。

3.少しずつ記録する時間を延ばしていく
まずは「出勤時から午前中(昼休み)まで」など、短時間から始めてみてください。業務の一つとして当たり前にできるようになったら、少しずつタイムログをつける時間を延ばしましょう。こういった過程を経ることで、習慣化しやすくなります。

4.書き忘れても気にしない
書き忘れてもいちいち気にしないようにしましょう。最初は書き忘れが多いのは当たり前であり、慣れたとしても誰にでもうっかり書き忘れることはあります。いちいち気にすると、タイムログは面倒、大変というマイナスな感情がより強くなります。上司が従業員のタイムログをチェックしている場合もいちいち注意しないことが習慣化させるポイントです。

タイムログの見直しは日々行う

まずは各業務にかかる平均時間を割り出します。それが把握できたら、タイムログの見直しは日々の業務終了後に行います。チェックするのは次の点です。

1.毎日行う業務のチェック
メールチェックなど、毎日やるべき業務にかかった時間を確認します。いつもより時間がかかっていた場合、常態化しないようにその理由を明確にしておきましょう。

2.終わらなかった業務の見直し
想定時間内に業務が終わらなかった場合、業務に割り当てた時間帯をチェックします。たとえば、夕方のスケジュールとして組み込んでいたなら、朝一にとりかかれば終わったのか、午後一なら終わったのかなど、いつだったらできたのかを見直し、実践してみましょう。

「面倒」「大変」という意識を取り除くことが重要

タイムログによって業務内容をすべて記録することは、なんとなくの行動をとることが難しくなり、仕事の効率がアップします。

「面倒」「大変」という意識を払拭し、タイムログを習慣化させるためには、従業員のメリットを優先することが重要です。前述したように、書き忘れた従業員をいちいち注意しない、従業員の自信につながるようにタイムログに結びつけて褒めるなどを実践することがポイントです。そうした取り組みが結果的に、企業のメリットにもつながります。

※記事内で取り上げた法令は2022年10月時点のものです。

<取材先>
心理学ジャーナリスト 佐々木正悟さん
獨協大学卒業後、大手サービス企業に入社。同社を退社後、アヴィラ大学心理学科、ネバダ州立大学リノ校・実験心理学科博士課程を卒業。帰国後、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探究、関連書籍の執筆や講演を行う。主な著書に『スピードハックス』『チームハックス』などがある。

TEXT:塚本佳子
EDITING:Indeed Japan + 南澤悠佳 + ノオト

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