「インバスケット思考」とは、限られた時間の中で成果を生み出す考え方のことです。そもそもインバスケット思考はどういった経緯で生まれたのでしょうか。また、インバスケット思考を身につけるメリットや、インバスケット(教育ツール)を導入する際のポイントなどについて、株式会社インバスケット研究所代表取締役社長の鳥原隆志さんに伺いました。
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求人を作成するインバスケット思考とは
仕事でよりよい成果をあげることを目指すのは当然ですが、「限られた時間の中」での実践は意外に難しいといえます。
インバスケット思考は、「インバスケット」と呼ばれる教育ツールによって身につく考え方です。インバスケット・トレーニングで模擬体験を繰り返すことで、時間内に問題を発見、分析し、意思決定をしていくといったビジネス面で求められる様々な能力をスムーズに発揮できるようになります。
インバスケット思考が生まれた背景
そもそも「インバスケット」は1950年代にアメリカ空軍で活用され始めたアウトプット型の教育ツールであり、トレーニング方法です。
インバスケット・トレーニングでは、架空の役職や人物になりきり、制限時間内に今持っている能力や知識を引き出し、多くの未知・未処理の案件を的確に処理することをゲーム感覚で行います。問題を発見、分析し、意思決定するプロセスを繰り返し模擬体験することで、「より良い判断」を「素早く決定」できる思考が身につきます。
もともとは士官学校やパイロット養成学校で優秀な成績を収めても、実際の戦場で結果を残すことのできない人が多いという課題から生まれました。
これは「知っていること」と「できること」は違うことを意味します。従来、企業研修では知識の吸収を中心としたインプット型教育が主流でした。しかしグローバル化などにより企業間競争は厳しさを増し、蓄積した知識をどのように活用するかといった点に企業の関心が向くようになりました。そのため、企業研修でもアウトプットを重視するインバスケットを使った研修や教育が広がりました。
インバスケット思考を身につけるメリット
インバスケット思考は仕事をしている人なら誰にでも必要な考え方であり、インバスケット思考を身につけるメリットは多々あります。そのため、航空業界から製造業、サービス業、官公庁に至るまで、多種多様な企業や役所でインバスケット研修を行っています。
◆インバスケット思考による主なメリット
・優先順位を的確に設定できるようになる
期限や締め切りだけを重視するのではなく、期限はないけれど重要な仕事(部下の教育、将来の計画、信頼構築など)にも力を入れられるようになります。
・自分の判断に自信がつく
明確に言い切ることの重要性が学べ、部下や上司に自分の判断に根拠をつけて的確に伝えることができるようになります。特に「答えがない仕事」の多い、リーダーや管理職、経営者などに有用なメリットといえるでしょう。
・従業員の特性を知ることで、伸ばすべき能力が明確になる
インバスケットは、回答をスコア化し、従業員の能力発揮度を点数化することができます。これによって、各従業員の特性を知ることができると同時に、企業全体の教育方法や採用方法の裏づけになるデータを得ることも可能です。
インバスケット思考を身につけるステップ
インバスケット研修では、まずはインバスケット試験ならびにインバスケットスコアリングによって、物事を判断する際の癖や改善点などを発見します。その後、インバスケット・トレーニングを行います。トレーニングにおけるポイントは、主に次の2点です。
1.対象者を明確にし、対象者に合ったインバスケット・トレーニングを採用する
インバスケット・トレーニングは、新入社員や管理職、経営者など、対象者によって内容が異なります。インバスケット試験は昇級試験に用いられることもありますが、管理職である課長や部長などのレベルによってもトレーニングに違いがあります。
2.目的を明確にし、目的に合ったインバスケット・トレーニングを採用する
どのような目的でインバスケット思考を身につける必要があるのかを明確にすることが重要です。優先順位の設定や問題解決など、目的によって研修内容は異なります。成果を得るためにはそれぞれに合った方法で実施しなければなりません。
◆目的例
- 業務進行における優先順位の決め方を身につける
- 的確な判断とその理由を明確に説明する意思決定力を身につける
- 部下の力を引き出し、人材を有効活用する力を養う
- 目標と現状のギャップなど問題発見力を養う
インバスケット思考の実務への活かし方
最初に「知っていること」と「できること」は違うと書きましたが、インバスケット研修によって気づいたことを職場で活かす、つまりアウトプットすることが大事です。
たとえば、自身の問題発見力の低さに気づいたならば、それを職場でどのように活かすのかを研修で具体的に宣言させます。そして、それを業務で実践させます。インバスケットで伸ばす能力はすべて職場で使う能力なので、研修をしたら終わりではなく、職場で実践させることが重要です。
インバスケット思考はインバスケット・トレーニングを重ねることで身につきます。そのため、定期的に、繰り返し行うことが肝心です。半年や1年周期でインバスケット思考を伸ばす教育を実施してください。
※記事内で取り上げた法令は2022年5月時点のものです。
<取材先>
株式会社インバスケット研究所 代表取締役社長 鳥原隆志さん
大学卒業後、大手企業において販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する食品担当責任者として店長の指導や問題解決業務に努める。管理職昇進試験時にインバスケットに出会い、インバスケット・トレーニングならびに研究を開始。2009年、インバスケット教材開発会社、株式会社インバスケット研究所を設立。著書に『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』などがある。
TEXT:塚本佳子
EDITING:Indeed Japan + 南澤悠佳 + ノオト

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