ダイレクトリクルーティングとは採用手法の一つです。多くの中小企業が活用していますが、ダイレクトリクルーティングと従来の採用手法とはどのような違いがあるのでしょうか。ダイレクトリクルーティングの概要やメリット・デメリット、実際に行う際のポイントや注意点などについて、core words株式会社代表の佐藤タカトシさんに伺いました。
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求人を作成するダイレクトリクルーティングとは
「ダイレクトリクルーティング」とは、スカウト型サービス(人材データベース)を利用して、企業側から欲しい人材に直接コンタクトをとる採用手法です。「ダイレクトソーシング」とも呼ばれています。従来の採用方法との違いは以下のとおりです。
◆ダイレクトリクルーティング
利用サービス……求職者のデータが登録されたスカウト型サービス
採用方法……人材データベースから自社が求める人材を探し、企業側から求職者にスカウトメールを送る
◆従来の採用方法
利用サービス……人材紹介会社や求人媒体など
採用方法……人材紹介会社に登録したり、求人媒体に求人広告を掲載したりした結果、応募者がきたら対応する
ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット
ダイレクトリクルーティングを導入する前に、メリットとデメリットを把握しておきましょう。
◆ダイレクトリクルーティングのメリット
1.効率的
企業が欲しい人材に直接アプローチできるので、無駄がない。人材要件に合致しない応募者の書類選考にかかる時間を減らすことができる。
2.採用率と精度が向上
欲しい人材にのみ直接声をかけるので、求職者との初期接点での動機付けがしやすく、採用率が上がるのと同時に採用の精度が高くなる。
3.候補者の層が広がる
人材データベースには転職顕在層のみならず、転職潜在層も登録されているため、候補者の層が広がる。すぐに転職したい転職顕在層か、すぐの転職は考えていない潜在転職層かはログインや応募など登録者の行動履歴や、転職意欲フラグで推察できる。
◆ダイレクトリクルーティングのデメリット
1.担当者の負担が増加
人材データベースの登録者を一人ひとりチェックし、希望の人材を探す作業(候補者の選択)と、候補者に個別にスカウトメールを送る必要があるため、担当者の作業工数が増える。
2.多人数の採用は難しい
採用活動のスタート時点から候補者一人ひとりに個別対応が必要なので、多人数の採用には向かない。
新卒採用は従来の採用手法がベター
現在、新卒採用においては、従来の手法である求人媒体を利用している企業がほとんどです。理由として、新卒採用は多人数におよぶケースがあることや新卒者向けのスカウト型サービスが中途採用マーケットほどは普及していないことが挙げられます。
ただし、たとえば新卒採用かつ理系専門のスカウト型サービスなど、専門分野を登録している学生の人材データベースに注目するのは一つの手です。理系の専門分野ならびに採用人数が少ない新卒採用であれば、ダイレクトリクルーティングも効果的かもしれません。
中途採用における採用率アップのポイント
中途採用者をダイレクトリクルーティングでスカウトする際、何よりも重要なのはスカウトメールの内容です。
候補者に送るスカウトメールは個別性を重視し、相手に合った内容にすることが大切です。名前だけを変えて中身は同じというテンプレート使用がわかってしまう内容では、スカウトとはいえません。
候補者のデータをきちんと読み、「あなたのここに魅力を感じた。ぜひ一緒に働きたい」という思いを込めた個別対応が、採用成功に結びつきます。
ダイレクトリクルーティングの注意点
ダイレクトリクルーティングを行う際には、次の点に注意して事前準備を進めましょう。
◆人材要件を明確にする
どの職種にどんな人材が欲しいのか、要件を明確にしておく必要があります。曖昧なまま進めると以下の問題が生じ、結局欲しかった人材とは違ったなど、採用に失敗する可能性が高まります。
1.採用担当者が候補者選びに困る
ダイレクトリクルーティングの場合、採用担当者が求職者のデータを見て、スカウトメールを送ります。しかし、人材要件が曖昧だと「この人は条件に合っているのだろうか?」とスカウトメールを送ろうかどうか迷ってしまいます。また、メールで説明する「スカウトを送信する理由」も、明確に記載できないでしょう。このような状態で採用活動を進めてもうまくはいきません。
2.人事と現場の意見の相違が生じる
人事のスカウト後に現場担当者が面接を行ったところ、欲しかった人材とは違うことが起こります。人事だけでなく、採用後の新入社員が関わる部署との意思疎通が重要です。たとえば、人材業界の営業職を募集する場合、人材業界の営業職経験者に限定するのか、業種は関係なく営業の経験があればいいのか、もっと広く接客経験があればいいのかなど、どこまでの経験を必要とし、どこまで妥協できるのかといった、must(必須)とwant(歓迎)の要件を明確にしておきましょう。
◆適切な採用担当者を選ぶ
データベースを見て人材を探し、個別にメールを送るという、これまでの採用活動とは異なる作業が加わります。一人で黙々と単純作業をする時間が増えるため、そうした作業が得意かどうかなど採用担当者選びも重要になってきます。
中小企業に向いているダイレクトリクルーティング
昨今、ダイレクトリクルーティングを導入する企業が増えている背景には、採用市場において売り手市場が続いていることが挙げられます。知名度や給与などの条件面で大手企業におよばない中小企業は、厳しい戦いを強いられる傾向にあります。
そのため、特に中小企業には、待ちの姿勢ではなく、攻めの姿勢でのリクルート活動が求められているといえるでしょう。待っているだけでは良い人材はやってきません。企業が積極的に動き、いち早く求職者にコンタクトが取れるダイレクトリクルーティングは、自社に合った人材を獲得するための一つの方法といえます。
※記事内で取り上げた法令は2022年9月時点のものです。
<取材先>
core words株式会社 代表 佐藤タカトシさん
東京大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科修了。大手人材会社に入社後、大手自動車メーカー、大手素材メーカー、インターネット関連企業、流通・小売企業など、100社以上の採用ブランディング、採用コミュニケーションを支援。マネージャー、クリエイティブディレクターを務めたのち、2012年7月に大手IT企業に転職。採用チームに所属し、採用ブランディングとダイレクトリクルーティングをメインミッションとして活動。2015年7月、core wordsを設立。
TEXT:塚本佳子
EDITING:Indeed Japan + 南澤悠佳 + ノオト

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