イノベーティブな人材を採用し続けるために。手法にとらわれず、革新性の高い仕組みや制度を創造するヤフーの採用思考

By Indeed

インターネットサービス大手のヤフー株式会社。クリエイティブな人材を獲得し、それぞれが組織で才能と情熱を解き放つことでイノベーションを起こしてきました。

クリエイティブな人材を採用するために、リモートワークや副業人材の受け入れ、新卒一括採用の廃止など、常に一歩先を行く施策を打ち出し、採用市場をリードしています。これらの「仕組み」づくりは、採用にどのようなインパクトをもたらしたのでしょう。

コーポレートグループ ピープル・デベロップメント統括本部 コーポレートPD本部長の大森靖司氏に、採用変革の視点を伺いました。

■この記事のTips 
・募集部門と採用部門で、採用マーケットについての共通認識を持つ
・採用手法だけに囚われず、人事だからこそできる制度づくり・規定づくりを通じた仲間づくりの方法を発明する
・自社に向き合い、自社の強みを理解することで、その魅力を求職者に伝えることができるようになる

ヤフーの採用戦略

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変化し続けるヤフーが求める「イノベーティブな人材像」

――ヤフーは「情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。」というミッションを掲げています。それを実現するために求める人物像と、今後描いているビジネスのビジョンについて教えてください。

私達は、変化に対して柔軟な人材を求めています。実際に求める人物像という観点でも、「変化を楽しめる、つくり出せる」「常に学び続け、時にアンラーニングできる」「やり抜く意思と力がある」を挙げています。

その理由は、5つの視点からヤフーという会社を理解していただければ見えてきます。

1つ目の視点は「事業」です。ヤフーは、検索サイト「Yahoo! JAPAN」に始まり、ニュースや天気予報、知恵袋などメディアとしての機能が色濃かったです。そこからショッピングやオークションなどのECプラットフォームを確立し、今では約100ものサービスを手がけています。

2つ目の視点は「デバイス」です。ヤフーのサービスをご利用いただくデバイスです。初期はパソコンだけだったのが、数年後には携帯電話、そしてスマートフォンなどのポータブルデバイスへ主戦場が変わってきました。

3つ目は「企業構造」です。ソフトバンクと米国ヤフー社との合弁会社として産声を上げ、ソフトバンクの完全子会社だった時期もあれば、Zホールディングスの傘下となり、今後はLINEとの合併も控えています。また、ZOZOや一休などとM&Aによる強化を図ってきました。

4つ目は「経営陣」です。ヤフーは事業の節目にあたる時期に、トップをはじめ経営陣が何度か交代しています。経営が変われば、事業だけでなく組織のデザインにも影響を与えます。

そして最後の5つ目は「働き方」です。最近では国内の居住地を問わない「どこでもオフィス」制度が注目を集めましたが、リモートワークを導入したのは2014年と10年近く前です。はじめは回数や条件などを設けていましたが、コロナ禍を機に自由化。“オンラインが共通のワークスペース”という発想にいきつきました。

これらの視点に共通するのは“変化”です。すなわちヤフーは、変わり続ける組織であるということ。

ヤフーが目指しているビジョンは、オンラインとオフラインの境界をなくし、日本を世界で一番便利な国にすることです。ユーザーファーストの精神を大切にしつつ、前例のないことに挑み、新しいものを自分で作り出す姿勢が一人ひとりに問われていると言えます。

大森 靖司さん

「採用限界」の共有から生まれた「仕組み」を活用した求職者へのアプローチ

――ヤフーは「どこでもオフィス」のほか、副業人材の受入、通年採用など、革新的な働き方や採用施策をいち早く取り入れて来ましたが、どういった狙いがあったのでしょうか?

6年ほどの話になるのですが、ITエンジニアの確保はエンジニア部門との連携が不可欠だと考え、採用組織をCTO配下としました。今考えれば、現場も含めて全社で採用に取り組むスクラム採用の走りですが、組織構造含めてCTO配下としたのは珍しいかもしれません。その結果、現場と採用マーケットについて共通認識を持つことができ、「こういう人材に対してはヤフーは採用競争力があるよね」「この要件を満たす層は、そもそも転職活動をあまりしていないね」といった会話ができるようになり、「要件を踏まえるとこれ以上の採用はできない」ことを示す“採用限界”という当社ならではの言葉も生まれました。

続いて、「求職者のニーズや採用マーケットを理解したうえで、よりヤフーが求める人材を獲得するためにはどうすればいいか?」ということを考えました。

採用施策を考えるとき、「オウンドメディアで発信しよう」「リファラルが大事だ」「ダイレクトでスカウトメールをカスタマイズすることが大切だよね」など、手法論の話になることが多いと思います。リファラルやダイレクト、オウンドメディアはヤフーも取り組んでいますが、それらの手法を用いても他社との差別化が難しいのが本音です。私たちが先進的な採用法を編み出したとしても、競合が追随して間もなくコモディティ化してしまう。

であるならば私たちは採用手法ではなく、新しく仲間になってもらう人を増やすために、ヤフーらしい制度や規程を作ろうと考えました。私たちは採用担当である前に人事なんですよね。せっかく身の回りに制度や仕組みを作るための機能や仲間がいる。それらを活用しないもったいないと思いました。そういった経緯で生まれたのが先ほど触れていただいた「どこでもオフィス」や、副業人材の受入、通年採用などの取り組みです。

制度も含めた「仕組み」には、スカウトダイレクトメールや面接など表面的な「点」のアプローチと比べて、より深い部分での「面」で伝わるインパクトがあります。

こういった施策を推進すべく、採用組織のミッションは「未来をつくる『仲間』をつくる」としています。

大森 靖司さん

現場の声を集める仕組みがもたらした、今まで接点がなかった人材との出会い

大森 靖司さん

――「未来をつくる『仲間』をつくる」ために、具体的にはどのような「仕組みづくり」に取り組んだのでしょうか?

さきほどお話したように、求職者のニーズや採用マーケットを理解したことで、より多くの方を採用するためには、才能と情熱を解き放てるように仕組みや制度の充実が必要だという考えに至り、従来なら接点を持つ機会がなかった人材の獲得強化に取り組みました。

その一つの施策が、組織や企業の垣根を越えて、社外の人材に「業務委託」のかたちでプロジェクトに関わってもらい、共創を図る「ギグパートナー」制度です。この制度には、現役のCTOや企業経営者など普段の採用活動では出会うことのない層から多数のエントリーがありました。ギグパートナーには、中国のインフルエンサーの方や、墓地の研究家など、下は10歳から上は80歳まで幅広い方に参画いただきましたね。

多様な才能を持つ彼らが活躍していることを、採用情報として発信する。これを循環させることで、また先進的な印象付けを図ることができています。様々なタレントを受け入れられているという意味では、「情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。」というミッションの実現に近づいています。今後も、採用活動を通じて、イノベーティブなサービスやプロダクトを生み出し続ける土壌を築いていきたいです。


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<取材先>
ヤフー株式会社 PD統括本部 コーポレートPD本部長
大森 靖司さん
総合人材サービス会社、Webサービス会社を経て、2014年ヤフー株式会社に入社。人事労務や採用業務を管掌している。

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