転職サイトのオファー機能はどう活用するべきか?

オファーを差し伸べる手のイメージ

ただ求人広告を出して待っているだけでは、自社に適した人材を効率的に採用することはできません。そこで注目したいのが、多くの転職サイトに備えられている「オファー機能」です。オファー機能とは一体どのようなものか? また、効果的に活用するためにはどのような点に注意するべきなのか? 大手企業の採用・人事責任者を経験してきた株式会社人材研究所・代表の曽和利光さんに解説をお願いしました。

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オファー機能とはどのようなものか

転職サイトにはオファー機能を実装しているサービスが少なくありません。これは求職者が登録した経歴や希望条件に基づいて、企業側からメッセージを送ることができる機能です。
 
かつては企業が求職者にアプローチするには、何百通、何千通ものダイレクトメール(DM)を送信するのが一般的でした。しかしDMはあくまで求人広告の一手法であり、実際に応募につながるかどうかは相手の判断に委ねられていました。
 
これに対してオファー機能は、相手の経歴や保有スキルなどを認識したうえでアプローチする手法であり、企業側は面談につなげることを前提にメッセージを送ります。

オファー機能を使うメリットとデメリット

企業の採用活動では本来、応募があって初めて求職者とのコミュニケーションが始まるものですが、企業側からコンタクトを取れることが、オファー機能の最大のメリットです。特に知名度や採用ブランドの問題から応募数が期待できない企業にとっては、求職者に直接自社の長所や特徴を売り込める恩恵は大きいでしょう。
 
逆に、知名度のある人気企業にとっても、オファー機能は採用効率を上げるために最適なものです。たとえば採用数がごく少人数の場合でも、募集広告を出すと多くの応募が殺到してしまい、選考に手間と労力が掛かります。しかしオファー機能を使えば、あらかじめ候補者として振り分けされた層にのみアプローチでき、省力化を図ることができるのです。
 
一方、オファー機能を使うことのデメリットを強いて挙げるとすれば、募集広告よりも手間が掛かることでしょう。ただ応募を待つ手法ではなく、求職者に対してこちらから能動的にコンタクトを取る作業が必要になることは、あらかじめ認識しておかなければなりません。

効果的に採用につなげるためのコツ

オファー機能を上手に活用するためには、転職サイトが擁する膨大な人材データのなかから、自社の希望に適した人材を的確に絞り込むことが重要です。そこで必要なのが検索力です。
 
単に学歴や保有資格、実務経験などから絞り込むだけでは、他社と似たような人材にしか辿り着けません。その場合、アプローチできるのはオファー率が高い相手ばかりで、リアクションを得ることは難しいのが実情でしょう。
 
たとえば論理的思考能力の高い人材を求めている場合、「論理的思考能力」というストレートな検索ワードを用いるよりも、「囲碁」や「将棋」などとキーワードを工夫すれば、それらを趣味とする思考能力の高い人材をピンポイントに抽出することができるかもしれません。こうした検索ワードをひねり出すためには、求める人材像をあらかじめ細かくペルソナ化し、想像力を働かせることが大切です。
 
そして当然、オファー機能でメッセージを送る際の文章も重要です。いかにも定型的なフレーズではなく、自社(あるいは採用担当者)の生の言葉のほうが、求職者の心に響くのは言わずもがなでしょう。
 
また、オファー機能を経由して人材と面談を行う際には、選考対象である相手は、決して自ら応募してきたわけではないことを意識しておかなければなりません。面談をオファーしたのはあくまでこちら側であり、相手はその誘いに応じた立場に過ぎないのです。
 
そのため、企業側から志望動機を聞くのは不適切であり、一般的な面接とはコミュニケーションの取り方は大きく異なります。相手を選考するのではなく、対等な立場でお互いの希望や条件を擦り合わせるスタンスを意識しましょう。

 

<取材先>
人材研究所 代表取締役社長 曽和 利光さん
京都大学卒業後、リクルートに入社。人事部のゼネラルマネージャーとして培ったスキル・ノウハウと、2万人の面接経験を融合しワンランク上の人材を採用する独自手法を確立。その後、大手生命保険会社などで一貫して人事領域で活躍し、2011年に株式会社人材研究所設立。著書に『就活「後ろ倒し」の衝撃』(東洋経済新聞社)などがある。
 
TEXT:友清 哲
EDITING:Indeed Japan + 波多野 友子 + ノオト


 
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