面接官はどのように決める? 適切な選び方

若い女性を面接する2人の男性の面接官のイメージ

採用面接において、応募者と直接コミュニケーションをとる面接官は、どのように選ぶべきなのか? また、人事部以外の人材から選ぶ際、その適切な選定基準とは何か? 採用・面接アドバイザーの川村稔さんに、面接官を選ぶコツをお聞きしました。

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面接官に求められる適性

面接官が目指すべき“成果”とは、その組織に必要な人材を見極めることです。そのため面接官は、組織が求める条件(能力や人柄など)を正しく理解している必要があります。そのため面接官を務める人材は、組織が求める条件を明確に箇条書きできなければなりません。まず、これが適性の第一条件と言えます。
 
また、目の前の応募者に対し、当事者意識を持って臨めるかどうかも重要なポイントです。目の前の人材を、ただ組織の一員として迎えるのではなく、自分の直属の部下になる場合まで見越して評価できるかどうかは、意外と大切な素養なのです。

面接官に向いているのはどんな人材?

では、実際に社内の人材から面接官を選ぶ際には、どのようなポイントを踏まえればいいのか。具体的には以下のようなポイントが挙げられます。

◆応募者の外見に惑わされない人

服装や髪型などの外見は、どうしても印象に与える影響が大きいもの。しかし、こうした印象は個人的な趣味趣向に左右されやすいのも事実であり、主観的な印象で優秀な人材を見逃すようなことは、極力避けなければなりません。また、印象だけを評価することは、差別につながる危険性があるので避けるべきでしょう。

◆他人を客観的に評価できる人

応募者を客観的に正しく評価するには、組織に入って「どのように行動するか」「どのような力を発揮するか」「その根拠は何か」などを具体的でかつ論理的に説明する能力が必要となります。

◆履歴書を読み解く能力のある人

履歴書に記されたキャリアに、一定の空白期間がある人は少なくありません。その空白期間をマイナスポイントと最初から捉えず、その応募者がキャリアとキャリアの狭間をどのような過ごし方をしてきたのか、前向きに想像できる人であれば、将来の優秀な戦力となる人材を見逃すことなく、適性に評価できるでしょう。

◆組織を第一に考えられる人

もし面接官が保身的な意味合いから、自分より優秀な人材を意図的に排除しようとすることがあれば、組織にとって大きな損失であり、採用面接は意味をなしません。その意味から、組織を第一に考えられる責任感ある人材が面接官にふさわしいと言えます。

面接官を任命するコツ

面接は応募者との重要なコミュニケーションの場であることを踏まえれば、面接官は社内でも好感度の高い人物であるに越したことはないでしょう。たとえば、日頃から相手を見て挨拶できる人、誰にでも別け隔てのない応対ができる人、明るく誰からも好かれる人は、応募者にも好印象を与えるはずです。
 
ただし、明るくて人当たりがよくても、おしゃべり好きな人は意外と面接官には不向きなので要注意です。会話の流れから、つい採用とは無関係な雑談に時間を割いてしまったり、応募者にとって意味のない自慢話に終始したりするようでは、お互いに利益は生まれません。
 
また、人材育成の観点からも、面接官選びは重要です。面接は面接官にとっても自分自身を見つめ直し、会社を客観的に見つめ直す貴重な機会になります。その体験がさらなる成長の糧となることもあるでしょう。将来性豊かな人材をさらに伸ばすための機会として、面接官選びは慎重に行なうべきなのです。


<取材先>
採用・面接アドバイザー 川村稔さん
人材開発会社にて30年間、SPI型適性検査のコンテンツ開発や職務適性分析(営業、SE職、技術職、地方自治体などの行政職他)、各試験(個人、集団、討議などの面接と筆記、適性検査、論文)の設計を務める。現在は駒澤大学経済学部非常勤講師、採用面接官指導と面接官受託を中心に、新人、中堅職員、管理職、コミュニケーション、対人分析、OJT、マネジメント、人事考課者面談などの研修講師を務め、自らの採用面接官指導経験を伝承するサイトを開設し、後進の指導も行なう。株式会社ミナアス・障がい者就労支援事業運営法人顧問。
 
TEXT:友清 哲
EDITING:Indeed Japan + ノオト

 
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