求職者が面接を無断欠席する理由とは
面接で求職者が無断欠席やドタキャンをする事態はなるべく避けたいところですが、起きてしまう場合もあります。特に新卒時の大量採用のような母集団が大きい場合は、少人数での選考に比べ、学生側も「個として認識されている段階ではないから大丈夫」と感じるため、より無断欠席が発生しがちです。
当日の無断欠席やドタキャンの理由としては、主に以下の6つが挙げられます。
◆突発的な事故や避けられない事情があった
突然の体調不良や事故などの不測の事態をはじめ、中途採用の場合は現職での業務上のトラブルが発生して対応せざるを得ない状況などが考えられます。
◆就職・転職活動が終了した
既に他社から内定をもらって入社の意思も固まり、就職活動や転職活動が終了したというケースも想定できます。
◆本気で就職・転職活動をしていなかった
なんとなく就職・転職活動をはじめて気軽に応募してみたら書類審査に通過してしまい、面接に行くのが面倒になったという場合もあります。どちらかと言えば、中途採用に多くみられるケースです。
◆良くない評判を耳にした
ネット上などで、その企業の良くない評判などを聞いて、入社に対する気持ちが変わってしまったということもあります。
◆日時を間違っていた
面接の日にちや時間を間違って記憶しているため、結果的に無断欠席してしまうというケースもあります。
◆会社側の対応に嫌悪感を抱いた
「直前の連絡で面接日時を設定された」「事前の質問に対する返答や過去の面接での対応に満足できなかった」など、企業側の対応に嫌悪感を抱いて、選考に進まない場合もあります。
採用面接の無断欠席、ドタキャンを防ぐためにできることは
求職者の無断欠席やドタキャンを防ぐために、企業は以下のような点に気をつけましょう。
◆結果の連絡はすみやかに行う
書類や面接などの選考結果は、採否に関わらずすみやかに連絡するなど、求職者を待たせないことが大切です。時間が空いてしまうと、求職者の状況が変わってしまい、ドタキャンされる可能性も高くなってしまいます。
◆面接日時を求職者が選択できるようにする
面接の日程を特定せず、候補日を複数提示しておくこともポイントです。特に中途採用では、求職者が現職で忙しい場合が多いので、ある程度求職者の予定に合わせて選択できるようにしておくと良いでしょう。
◆休日や深夜などに連絡しない
求職者へのメールや電話での連絡を、休日や深夜などの業務時間外に行うのは避けた方が良いでしょう。業務時間外にも仕事をしなくてはいけない会社だという悪い印象を与えてしまいます。
◆企業側の事情で面接日時を変更しない
企業側が面接の予定変更をしないことも大切です。やむを得ない事情の場合は仕方がないですが、何度も続くと求職者に「候補として軽く見られている」と感じさせてしまいます。
◆前日などにリマインドをする
電話やメールなどで、面接の日時をリマインドすると良いでしょう。2回目以降の面接など、求職者の人数も絞り込まれ、かつ社長や役員など面接のスケジュール調整が難しいような場合は特に有効です。人数が絞り込まれるほど、1対1に近い感覚でのやりとりになるため、礼を欠いた行動は自分自身へのダメージになると求職者自身も自覚できます。
採用面接で無断欠席をされた場合の対応は?
求職者が面接に連絡なしで欠席した場合は、まずは状況の確認を行いましょう。やむを得ない事情があり、本人に非がない場合は、再び日程調整をして面接を行うなど、選考を続けるという選択肢もあります。
電話やメールなどで連絡する、エージェントを通している場合はコンタクトを取って確認するなど、無断欠席の原因と本人の求職の意思を把握して、どうするのかを判断するようにしましょう。
<取材先>
アルドーニ株式会社・代表取締役 永見昌彦さん
外資系コンサルティングファームなどで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。2018年に法人化。現在、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務にたずさわっている。
TEXT:武田明子
EDITING:Indeed Japan + ミノシマタカコ + ノオト